カテゴリー: パン

直売所の名称が決まりました「pirkaamam/ピリカアマム」です。


屋根が貼られました。

パンカフェみたいになってますが、お店の立ち位置は基本的に農場内の直売所です。

お店の名前をつけるにあたって悩みに悩んだ結果、結局と言うか「もうピリカアマムでいいや」です。

いつかマップナビにベーカリーやカフェとして表示される日がくるのか、雑穀屋として表示されるのか、今から楽しみです。


建物の完成に向けて、パンの試作を始めています。

食品衛生の資格をとってくれた、厨房管理責任者の新米h.nシェフと申します。
これからどうぞ宜しくお願いいたします。


手作りパン暦は意外と長くて、ここ数年はパン教室にもずっと通ってましたので、結構上手です。

このベーカリーでは職人第一主義を掲げてますので「こんなパンがあったらいいな」はアリですが、「こういうパンにして」は一切ナシです。
原材料も出来ればオーガニックのものを使ってくれたらいいなですが、決めるのはあくまで職人さん、でもしっかり原料表示、作り手(職人)表示はしていきます。
もちろん「捨てないパン屋」さんになります。

理想と現実の狭間で揺れ動くパン屋さんから始まるのかなと思ってます。

パンカフェ専用のインスタグラムアカウントはこちらです。
P.A.BAKER(仮) pirkaamam/ピリカアマム

360°無限の可能性を秘めて、新しい星が誕生しました


眩いばかりの可能性の光を纏う試作カンパーニュに、ノアRを使用していただきました。ありがとうございます。

しっかりとした腕を身に付けた職人さんが自分のお店を持つ、こんなにおめでたい事はそうそうありません。

何の制約もなく自由に表現できる環境は、クリエイティブな才能を持つ方にとって、とても大切だと思います。

もちろん自由が大きければ、それに伴う責任も増えますが、その責任すら可能性のバネにして、ますます輝いていただける事を願って、遠くからも応援しています。

塩、水、種の優しい味のカンパーニュ、とても食べやすいです。
同じ粉でも作り手によって表情も味も変わるパンって面白いですね。

エヤンペオピッタ ~大切なものすべて~


フォルコン「キタホナミ」

約1ヶ月ごとに原材料が切り替わるフォルコンブロート。・・・だったんですね。

その第1弾には、有機・自然栽培の「きたほなみ2017」が使用されています。

「きたほなみ」は国産小麦で圧倒的シェアの道産小麦です。


フォルコン「ホクシン」

お次に登場したのは「ホクシン2017」(以降も原料は全てオーガニックです)

この、人気があろうとなかろうと、原料をスッパリ切り替える試みは8月から12月末まで続くことになりました。

第2弾で風味の王者ホクシンが登場しています。

お客さんはどう感じたのでしょうか?


フォルコン「ハルキラリ」

さらに、春小麦最新品種の「はるきらり2017」と続きます。

後で教えてもらったのですが、全て「小麦の品種名」をあえてパンの名前にしたそうです。

こうすると、パンを買う時に小麦の名前を自然と覚えるように、確かになります。

フォルコン「春よ恋」

「春よ恋って小麦の名前なんですか?」と言う声を何度か耳にしました。

実は需要倍率3倍、業界人気NO.1の「春よ恋」が第4弾で登場です。

もし毎月このお店に通っている方がいたとしたら、「麦の名前」と「麦の味」を知ることになったと思います。

あなたは、あなたの命の糧となっている、いつも食べているパンの「麦の名前」と「麦の味」をご存知ですか?


フォルコン「エヤンペオピッタ」

2017年の締めくくりは「ノア2017」でした。あれ?スペルトだったかも・・・。

この構成は面白いですね。なったのかそうしたのかは、ご本人に聞かないとわかりませんが、ここにきて品種名から「エヤンペオピッタ」ですからね。

パン屋さんでパンを買うだけ(失礼でごめんなさい言葉のあやです)なのに、何でしょうかこの感じは?
もの凄くゆっくりとした時間の流れの中で、まるで壮大な物語を体験しているように錯覚を覚えます。

夢が叶うとき、その日がくるなんて、ありがとうございます


ノアR2017&エリモ小豆2017の餡バタBIO

苦節ウン十ウン年、有機、自然栽培と探求を続け、今もてる最高の小麦粉と小豆を原料として使って作ってくれました。

春~夏の忙しさから除草の大変な小豆の栽培を断念して、もうどの位になるのでしょうか?。いつかあんパンを、いつかあんパンをと想い続けているうちに、結構な年月が経っていました。

嬉しい気持ちもありますが、それ以上にこの日が来たことに放心状態であります。


ノアRのドックパン

ノアにはスペルトが含まれているせいか、はたまた職人さんのなせる業なのか、独特の繊細な食感があります。

このまま全部食べそうになるのを我慢して。


エリモ小豆と喜界島のきび糖の手作りつぶ餡

「食べて美味しいと思った小豆を後で聞くと、全てエリモ小豆だったんです」(某豆問屋さん談)
エリモ小豆は8年に一度しか作れない貴重な小豆です。

餡は自家製手作りだそうです。
丁寧に作っていただきありがとうございます。


ああ、輝いて見える。

食べていいのか、とっておきたくなる気持ちもありましたが、ありがたく頂きました。

年末年始にお店に並んだようです。
まだ興奮が冷めやらない日々を過ごしています。

k村さん始めスタッフの皆さん、お買い上げいただいた方々、ご関係者全てに深く感謝申し上げます。

メリークリスマス!聖なる導き、holy stollen2017


この奇跡を解説しようと思ってましたが、どうも上手く言葉に出来ないような気がします。

ノアが生まれた経緯も、今に至るまで、k村さんが初めて小麦畑に来てくれて、小麦の中を歩いている姿が、昨日の事のように鮮明に目に浮かびます。

短いようで長い月日の中、お店が今の形になるまでに、きっと努力されてきたんだと思います。

とりとめのない想いが湧き出てくる、不思議な気持ちになるシュトレンです。

慣行小麦を有機小麦へ転換する生産者がまったく増えない理由


国産有機小麦のノア-i6083を100%使用、添加物一切なしの自然な食材のみ、ベーキングパウダーも不使用。

「小麦粉おいくらですか?」「キロ500円ですよ」「うわー安い!」と言ってくれたのは後にも先にもこの方だけです・・・。

さて、本題に移ります。

まずは以前書いた内容の復習です。
慣行小麦は10アールあたり約100,000円の生産者手取りが一般的である。
慣行小麦は10アールあたり約8~12俵の収穫量、一般的な値として約10俵とする。
生産者手取りの内訳は、1俵あたり品代3000円+交付金6,500(中力)~8,500(強力)円の合計9,500(中力)~11,500(強力)円。
強力の交付金単価が高いのは、強力品種は同じ管理でも収穫量が低いからです。
10アールあたり約100,000円になるように、上手く交付金で調整されています。

これが有機小麦だと試算はどうなるでしょうか?
有機小麦の10アールあたり収穫量は慣行小麦の7割と言われており、一般的な値として約7俵の収穫量とする。
有機小麦で10アールあたり約100,000円の生産者手取りにするには、1俵あたり約14,285円。
有機小麦は等級やランクが下がる傾向にあるので、交付金は6,000(中力)~8,000(強力)円で計算すると、品代は1俵あたり8,285円。
有機小麦は強力品種の減収が大きいため、強力小麦は品代での調整が必要。

机上の計算では1俵あたり品代8,285円が適当であるかのように見えます。
見えますが、このままでは有機のリスクや心労・労力の増加分、経費の増加分はまったく考慮されていないので、適正な価格とは言いかねます。

では、慣行から有機転換してもいいかな?と思える適正な価格はと言うと、リスクを考慮して最低でも2割増し位ないと誰も相手してくれないと思いますので、14,285×1.2-6,000=11,142で品代が約12,000円ですね。

結局農業も経済行為ですので、適正もしくは儲かるならするし、適正に及ばないのであれば誰もしないのは、ある意味当然な訳です。
現状で品代12,000円支払いますという買い手は皆無なので、生産者もまったく増えないんですね。

ちなみに、ここでの有機小麦とは、厩肥多用の文字通りの有機小麦です。
ちなみに、上記品代は何トンでもあるだけ買いますの価格で、一般的に小売される場合は、再選別や製粉・小分け、問屋を通して倍以上の価格になるのが普通です。

カフェのスイーツにピリカアマムを使用していただいてます


Off-grid Cafe PHYSICALさんの季節の酵母のシュトレン

シュトレン以降のパンやお菓子やケーキ類には、ピリカアマムの小麦粉(春よ恋もしくはノア)が使われているとお聞きしました。

フィジカルさんのインスタを見ていると、ずいぶんとお洒落な店内で、オーガニックやビーガンも遂にここまできたのかと感じます。

これからの冬の季節、札幌に旅行で行かれる方も多いかと思います。是非一番おすすめの癒しのカフェに足を運んでみてください。

京都・和束産の無農薬・無肥料・不耕起の抹茶&春よ恋のパン


ひつじの風さんの「無農薬抹茶クリームパン」に春よ恋2017.bio-i6083を使っていただいてます。

すべて手ごねでつくる丁寧なパン屋さん
無農薬国産小麦をはじめ、全て純植物性(ヴィーガン)のみを使用。

などなど、少し珍しいタイプのお店ですので、お近くの方でご興味のある方は是非お立ち寄りください。


無農薬抹茶めろんパン

クリームパン、あんパン、メロンパンが主なラインナップの、これまた少し不思議なお店です。その他にもグルテンフリーのパンなどもあるようです。

全般的に甘さは控えめなので、どぎつい甘さのメロンパンに一歩引いてしまう方でも、大丈夫だと思います。

メロンパンは好きだけど、甘すぎて泣く泣く食べるのを諦めていた方は、絶対おすすめできますので、すぐに買いに行きましょう。


無農薬抹茶と無農薬小豆のあんパン

これが反則級の美味しさが異常なほどの個人的な一押しです。

日本古来から抹茶と餡の組み合わせは好まれてきていて、それは何故かを分析するに、苦味と甘味、また植物の葉という・・・。。

でも、抹茶と餡の組み合わせだから、だけじゃなくて、このお店にはもっと他に作り手が見えるからこそ美味しく思えることが沢山あります。

その本当に大切な部分は是非お店に足を運んで、お店のご夫婦に直接聞いていただければと思います。
あと、どんなお店もそうですけど、一回行った、一回話しを聞いたくらいでは、全然わかっているうちに入らないと思います。

甘い?すっぱい?小豆島無農薬レモンのオーガニックシトロン


オーガニックシトロン、小豆島の無農薬レモン&無農薬きたほなみ100%使用

アイシングと言うものを知らなかったので、ホワイトチョコレートたっぷりで相当甘いのかなと最初は思いました。

実際に食べてみると、白い部分は少し甘味はあるものの酸っぱいんですね。何と言う食べやすさ。

とにかく甘ければいいみたいなパンやお菓子が多い中、そっと添える程度の控えめな甘味の使い方は流石です。尚且つ良心的でいいですね。

「甘い=おいしい」と「バランスがとれた=美味しい」の違いを、全国の甘味党はこのシトロンで学んで欲しいくらいです。

それはさておき、無農薬のきたほなみは薄力粉寄りの中力粉なだけあって、こうしたお菓子系のパンと相性がいいのか、軽くてとても食べやすいです。

ちゃんとした小麦とは?素朴な感想と小麦の交付金制度


ノア100%使用のカンパーニュ

去年のこの頃にノアの畑を見に来てくれたH谷さんから、家庭で焼かれたカンパーニュの写真を送っていただきました。

「ノアの味がおいしい!」「ノアは真の自然栽培のかたちだね」との感想をいただき嬉しく思うと共に、混蒔小麦に対しての素朴な「自然なかたち」という表現にふと考え込んでしまいました。※ノアは多品種混蒔の小麦です。

ここで小麦の交付金制度を簡単に説明します。
「要するに」まで読み飛ばしても大丈夫です。

小麦の原料(粒)製品価格は北海道産小麦の気になる人気銘柄は?にあるように、キロ50円程度です。

小麦生産の現場では1俵(ひょう)60kg単位で表しますので、生産者の手取りは1俵3,000円です。

小麦の慣行農法では1反(たん/10アール)あたり100,000円の手取りを目安にしていて、周りの生産者さんの反応を見ていても、こう言ってはなんですが、率直に言って活かさず殺さずの適正?な価格かなと感じます。

豊作と不作の増減収、1反での±10,000~30,000円の差は大きくて、10町(ちょう/1ヘクタール/10反)ともなると、百万円~三百万円になり、日本の平均賃金に多くは満たない農業の分野では、豊作と不作では年末のムードがまるで変わります。

先の品代1俵3,000円では慣行農法の平均反収(反あたり収穫量)8~10俵でも反あたりの手取り24,000~30,000円となり、これでは国産小麦を誰も生産しないので、その不足分を経営安定交付金として国が補填し約100,000円の手取りになるようにしています。※補填の財源は血税ではなくマークアップです。

しかし、交付金が支払われる条件があって、国の定める規格での穀物検査を受け、2等Dランク以上でなくてはなりません。それ以下は規格外となり支払われません。

小麦の穀物検査は、目視(見た目)によるものと成分検査による2本建ての検査です。

一気に詳しく書いても飽きるでしょうから、あとは省きながら書きます。
興味があればおいおい詳しくなっていただければと思います。

要するに、ノアのような混蒔小麦は成分はしっかりしていたとしても、混ざっていると言う理由で見た目(目に見えない○○○はOK)で規格外になるので、農政上では「ちゃんとしてないから交付金は支払いません」となる訳で、交付金がないと、かなり厳しいのは前述の通りです。

「自然なかたち」や正しいことってなんだろう?と、少しでもみなさんに意識にしてもらえると幸いです。