月: 2020年7月

やっちゃいけない?人の常識 vs 小麦の常識


ノア8(2021) #pirkaamam#bio#organic

本日7/30日付けで秋小麦を播種しました!秋小麦早まきの北海道ギネス記録更新したかもしれません。

常識的に、この地域での秋小麦播種適期は9月中旬とされています。

無農薬での冬枯れ対策として越冬前の小麦体力をつけるため、例年は地域の適期より2旬早めて8月下旬に非常識な早まきをしていたのですが、今回念願だったトカプチさんの8/19の早まき記録を大幅に更新できました。当時のトカプチ農場長F居さん、見てないし忘れてると思うけど、ついにやりましたよ!


ノア8(2021) #pirkaamam#bio#organic

小麦は休眠がない独特な性質をもってます。その特性故に穂発芽してしまいます。

通常植物は種が完熟しても一定期間発芽しない休眠期間と言うものを備えてます。無駄に発芽ロスしないため気が遠くなるほどの年月で培われてきた本能なのでしょう。

過酷な自然界で生き抜く術の植物の特性って然るべき理由あっての事だと思います。小麦の休眠がない特性がただの弱点なはずはないはずです。

そんな仮説を実証すべく、完熟、即、種まきをこれも偶然で突然に試す事にあいなりました。※安心してください、小さな試験圃場です。


ノアスプリング2020 #pirkaamam#bio#organic

収穫前の小麦を横目に小麦の種まきをする。これもライ麦と春小麦がいつまでも登熟が遅れモタモタしてるからです。

1週間前にはそんなこと(7月蒔き)しようなんて思ってもみませんでしたからね。

ベースベーカリーさんのパン屋がやっちゃいけないパンに触発されたのも一因かもしれません。心にくすぶっていた好奇心を満たし、ずいぶんとスッキリしました。マンネリな仕事と違って、早起きまでして、ずいぶんと楽しかったように思います。

ノア7の選別を行っています


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

収穫後はすぐに小麦乾燥機で水分率12.5%以下まで一晩かけて乾燥させました。交付金(補助金)対象にならない混播小麦で交付申請に必須の農産物検査は受けませんが、一応、検査規格の12.5%以下にしておきました。

長期保存できる水分率(カビないムレない)まで乾燥を終え、次にインペラ式の籾摺り機で選別を行いました。風選や揺動板による比重選別機能も付いていて、オールインワンの素晴らしい機械です。

スペルトの殻付き粒が青っぽいのが見てわかるでしょうか?殻の取れたスペルトの青い粒もよく見るとわかると思います(※緑を青と表現してます、ヤングと呼んでいた時もありました)。


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

この画像は青い粒が特に目立ちますが、実際はここまで多くの青い粒はないです。

今までは穂発芽小麦について触れる機会が多かったですが、今後は青い粒も交えてさらなる小麦の奥深さ魅力を生産地からお伝えできれば幸いです。

※販売はDON検査数値を確認してからになります。今しばらくお待ちください。

ばあちゃん直伝の育種法


育種-短稈難脱2020 #pirkaamam#bio#organic

「わしはスイカを美味しく作る名人と呼ばれている」「スイカの種は?」「食べて美味しかったスイカの種を取っといて蒔く」

まさかこの子供の頃の会話が今に活かされるとは。


育種中の短稈難脱小麦に白っぽい穂と茶色い穂があったので分けたくなって分けました。

おまえら邪魔すんな!かわいいね。


何千年前の人もきっと分けたくなって分けたんだろうと気持ちが理解できました。

あと、穂の色が中の粒の色と微妙にシンクロしてるのを今日発見しました。

日頃から小麦の粒をそのまま味見する癖をつけてるんですけど、穂の色や形の違いや粒の硬さの違いこそあれども味の違いはあまり感じられず、どれもお世辞にも美味しいとは思いませんでした。


何となく最後に口にしたこちら、先日書いた新種のるつぼスペルトバージョンの籾摺り後の粒。

まったく期待せずとりあえず捨てなかっただけだったのですが、15粒位まとめて食べてびっくりトウモロコシのような味がするではないですか。再度15粒ほど無造作に選んでもやっぱりします。

出来ることなら粒を特定したかったので色や形を観察しながら食べると、味のないものが殆どで、時おりトウモロコシのような濃厚味の粒がありました。

食べた後に分かっても種として継げないため、まだ数粒は残っているであろうこの全部を蒔いて、来年そこからコーン株を探そうかと思います。

そして昔のスイカの事を思い出して確信しました。本当の育種というものを。

混播小麦ならではのいくつかの持ち味


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

ノアの持ち味の一つとして、多品種ならではの風味の多彩さは想像に易く皆さんご存じの通りです。

もう一つの持ち味として、熟期の差による風味への影響を考察してみます。

ノアに含まれる小麦品種の、おおよその熟期の差です。

ピッツア用 -5日
ホクシン -3日
きたほなみ 基準日
ゆめちから +2日
キタノカオリ +7日
スペルト +10日
エンマー +15日

冒頭の画像でも完熟しきって茶色から黒く変色してきてる穂(おそらくホクシン)、青みがかった穂(おそらくキタノカオリ)、背丈の高いスペルトはまだ青々してるのが確認できます。

全ての品種が完熟しきってからの収穫は、雨の多い地方での穂発芽リスクを考えるとまずありえません。

ではどこで妥協して収穫するのか?

現時点のノアはキタノカオリが美味しさの要として主役になっており、またキタノカオリは穂発芽耐性がもの凄く弱いため、おのずとキタノカオリ完熟期が収穫日の目安となります。

熟期に差がある混播小麦では、少し面白い事がおきます。

・完熟麦100%
・完熟麦90% 青麦(未熟麦)10%
・完熟麦80% 青麦(未熟麦)10% 微発芽麦10%

割合はおおよそです。天候次第によっては完熟麦、青麦、微発芽麦が混在する可能性があります。

何度も書いてますが、粒の状態でそのまま口にした時に、美味しいのは青麦、旨いのは発芽麦、味気ないのは完熟麦です。

登熟度合いの違う粒が混在することでの風味の奥深さなんかも、ノアの持ち味の一つとして考えられそうです。

※単一品種栽培では、青麦がある状態での収穫はまずしませんし、穂発芽は揃ってするので屑小麦として家畜の飼料になります。

※青麦収穫(高水分収穫)はコンバインでの脱穀時に粒が潰れてしまうため敬遠されますが、熟期の遅いスペルト、エンマーの粒は厚い殻に守られ、高水分収穫でも潰れません。殻付き小麦の面白い利点ですね。

小麦の育種は年月が必要で思う以上にたいへんです


スペルトに先祖帰りしたらしき小麦2020 #pirkaamam#bio#organic

「ぽつんと生えていた小麦らしき麦」はもしかすると輸入緑肥種子のヘアリーベッチに混ざっていた「ライ小麦」だったのかもしれません(奇跡だったのかもしれません)。

その「ぽつんと生えていた小麦らしき麦」から採種して、その種を蒔いて生まれた(変異?した)次世代の姿形の全く異なる「スペルトに先祖帰りしたらしき小麦」、これはもう農場原産で良いと思います。


現代小麦風の殻が取れやすい小麦2020 #pirkaamam#bio#organic

さらに「スペルトに先祖帰りしたらしき小麦」を採種して、その種を蒔いて生まれた(変異?した)次世代の姿形の全く異なる「現代小麦風の殻が取れやすい小麦」、これも農場原産で良いと思います。

でもまあよくもまあ、こんなにバラエティに富むものなのかと感心するくらい種が定まらない様子で、様々な形の穂が混在してます。

この中から、選抜してまた変異したり種が定まらなくて、の繰り返しで育種するんでしょうけど、固定種になるまで長い年月がかかると言うのが本当の本当に理解できました。

素人の育種など専門の育成機関のそれに到底及ぶものではないと、心底思い知らされました。


選抜を繰り返し、その都度数粒から増やすのをまた最初からと思うと気が遠くなります。寿命が何年あっても足りる気がしません。

よって、このカオスな新種のるつぼを、面倒くさいのでそのまま増やしていきたいと思います。


新種のるつぼスペルトバージョン、新種のるつぼから殻の付いたものを分けたもの。

今後は養分天然供給によるクリーンでピュアな有機農産物を生産していきます


休閑緑肥マスタード2020 #pirkaamam#bio#organic

天然の太陽光・澄んだ空気・雨、土壌ミネラル、前作の植物残渣により、外部からの肥料持ち込みをせずとも、倒伏するほど立派に育ったマスタード。


休閑緑肥マスタード2020 #pirkaamam#bio#organic

この良質かつクリーンでピュアな植物性有機質を次作の糧として、超高品質かつクリーンでピュアな有機農産物(小麦など)を提供いたします。

紆余曲折ありましたが、自然栽培で問題なく続けていける確証を得られましたので、今後はより自然な栽培に本腰を入れて邁進したいと思います。

試験栽培の少量小麦の収穫、脱穀が年々進歩してます


チベット小麦2020 #pirkaamam#bio#organic

試験栽培区のチベット小麦がいち早く収穫を迎えました。

ホクシンと同程度の登熟の早さで、これくらい早いとオオスズメノカタビラなど手取り除草困難な雑草種子増える問題をクリアできていいです。


去年までは穂だけを収穫してましたが、今年は運よく入手できた中古の電動脱穀機を有効活用しようと思い、持ち手になる麦稈から収穫しました。オオスズメノカタビラも一緒に。

かがんで刈り取る作業が大変かと思ってたのですが、穂だけをちぎり取るより作業時間が短縮できて結局は楽に感じました。


手もみ → 唐棹(からさお:大きいまごの手のような木製の脱穀道具、手の部分をタイミング良く回して穂や鞘に叩きつけて脱穀する) → 足踏み脱穀機 → 電動脱穀機、原点から忠実に順を追って学ぶべく経験を積んでます。

文明の利器を手にした今では、穂だけ集めて手もみなんて事をよくやっていたものだと思います。


きちんと箱に入ってます!今までの苦労のぶん感動もひとしおです。

この後、網目7~8mmくらいの篩で茎を取り除き、唐箕(とうみ:風での選別)で軽い夾雑物を取り除きました。


2~3kg位しかないです。種継ぎ用ですね。

チベットの古代小麦でグルテンが少ないそうですが、現代小麦のような草姿なのに古代小麦とはこれいかに、粒を口にした感想は、フスマの部分がずいぶんとしっかりしてて、味は素気ないように感じました。

シロザ(アカザ)難題が偶然に解決済みの圃場


ノアスプリング2020 #pirkaamam#bio#organic

ごく普通に春小麦を無農薬栽培すると、当然のようにシロザ(アカザ)難題が発生します。

青々とした雑草が小麦の登熟や収穫の妨げになる事は言うまでもありません。


ノアスプリング2020 #pirkaamam#bio#organic

こちらの圃場は随分と綺麗でシロザ(アカザ)など雑草類が見当たりません。これなら小麦の登熟や収穫がスムーズに進む事でしょう。

理由はわかりませんが、同じ管理なのに何故かシロザ(アカザ)難題が解決済みになってます。

シロザ(アカザ)などの雑草類が無い訳ではないようです。

地力の低いねんど質の土壌なので、雑草が大きくなれなかったのかもしれませんが、それなら肥料大好きの小麦はもっと小さくてもおかしくなく、雑草の背丈は低く小麦の草丈だけがそこそこ高いのが不思議に思います。

この草丈10cmくらいのモジャモジャしてて絨毯みたいな雑草(名前不明)が、何か影響しているような感じがします。この雑草はこの圃場には全面的にありますが、シロザ(アカザ)優勢の圃場には全くありません。

蒔くつもりのなかった春小麦で、たまたま種が余って蒔いた2つ目の圃場で、偶然に増えていた雑草(が理由かどうかはわかりませんが)で、こうした事がおこるんですね。

2~3圃式、緑肥活用無施肥有機栽培の可能性


イエローマスタード2020 #pirkaamam#bio#organic

小麦と同時播種した白クローバを後作緑肥として活用後のマスタードは、無施肥でも倒伏するほど生育が良いです。


ライ麦2020 #pirkaamam#bio#organic

マスタードを休閑緑肥として活用後のライ麦も生育旺盛で一部倒伏してます。

有肥料栽培から無肥料栽培へ切り替えた場合、残存している肥料分で数年は地力が持つのはわかります。でも、5年10年無施肥を続けてもこうした光景が見られるなら、天然供給や緑肥活用に大きな可能性を感じます。


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

ただ、一筋縄ではいかないのが現代小麦で、年々右肩下がりの底なしで生育が劣ってきてます。

今年の現代小麦(ノア7)、スペルト、ライ麦の生育の差を目の当たりにして、とある疑問を持つようになりました。


スペルト2020 #pirkaamam#bio#organic

現代小麦の生育が著しく劣る地力の低い石の多い圃場ですが、スペルトはそこそこの生育をしてます。

多肥で増収するべく倒伏しにくい短稈に育種を重ねてきた現代小麦と、野生の原種に近い古代小麦(スペルト)とでは、根の養分吸収能力に違いがあるのではないか?

仮にそうだとすると、多肥前提で育種されてきた現代小麦を自然栽培するのは、そもそも間違いではないのか?

スペルトや特にライ麦を見て、その思いはとても強くなってきてます。

現代小麦は(自然栽培では)生育が悪いだけではなく、短稈、根はりも含め次の世代への植物性残渣も少なく、結果地力の減少に拍車をかけているような気にさえなってます。※白クローバが補ってます。

無農薬秋小麦でのオオスズメノカタビラ対策が非常に難しいです


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

多品種混播では早生品種も晩生品種も含まれており、収穫は熟期の遅い品種に合わせて行うため、おのずとオオスズメノカタビラもしっかりと登熟して圃場に多くの種を落とします。

※オオスズメノカタビラは、ホクシン収穫時には登熟しておらず、一週間後のキタノカオリ収穫時にはしっかりと登熟してます。ノアにはホクシン、キタノカオリ共に含まれています。


オオスズメノカタビラ(ノア7) #pirkaamam#bio#organic

熟期の遅い品種(主にキタノカオリ)、無除草剤栽培での、手取り除草が困難なオオスズメノカタビラ問題を根本的に解決する事は難しく、輪作などで問題を先延ばしにしてきましたが、この圃場でのノア栽培はもう限界のようです。

高価なプレミアム米糠は小麦の増収に全くと言っていいほど役に立たなかったようですが、オオスズメノカタビラが喜んで吸ってくれているようです。多額の授業料だけにとても勉強になりました。


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

早い品種は粒が小麦色に色づき始めてます。

収穫まであと2週間ちょっとの予定です。