月: 2021年1月

らしき麦薄焼き選手権へ向けての特訓


薄く焼くほど癖が抜けて甘く美味しくなる、この唯一の取り柄を伸ばしてあげたい、その一心で特訓の一歩目を踏み出しました。

甘いって事はきっと糖分が多いんでしょうね。それで試して思ったのが、作りおき生地で天然発酵させてしまうと、その唯一の長所の甘味を甘いもの大好きな細菌、酵母に素早く食べ尽くされてしまい、かわりに酸味を残されてしまいます。グルテンの膜がないので膨らむと言う利点にかわる事なくしてです。


甘味料が貴重だった時代なら脚光を浴びる事があったかもしれませんけど、今や甘味はありふれた砂糖でどうにでもできますからね。

商売としては使い勝手の難しい麦でしょうけど、ここは趣味と研究、好奇心の空間ですから、いろいろ試して楽しんでます。

暫定ルール
・粉と水のみ。水分量の規制はなし。
・フライパンに油を塗るのはOK。
・直径10cm以上。
・両面を焼くこと。ヘラでひっくり返すのは不可。
・加点の優先度、薄い>甘い>大きい。

念願のそば打ちとスペルト天ぷらが実現しました


キタワセソバ2018 #pirkaamam#bio#organic

収穫後から二年以上経って、自家栽培・自家製粉の無農薬蕎麦打ちがようやく実現しました。

午前中に自家製粉して打ったのはここまでで、後は持ち込んでプロにお任せしました。


最近の「いつもの」になっているゴボウ天そば。

殻ごと挽いたので田舎蕎麦風になってます。店名の「えどや」と相まり江戸時代ぽくて素晴らしいです。

天ぷらの衣はスペルト2020で揚げてもらいました。らしき麦より断然まとまりが良いそうです。

最高です。最高でした。至高のひと時を過ごすことが出来ました。

この世界、この宇宙、全てに感謝いたします。

小麦で酵素のお勉強、麦芽とアミラーゼ3


一晩経ったものは水分が減っていたので、水増しして漉し布で漉しました。※この前の写真はピンぼけだったり撮り忘れてました。

期待過剰すぎたのか、一晩経ってもじわっと甘みが増している位にしか感じませんでしたが、確かにじわっと甘みが増していたように思います。


シュトレン並みに脳がしびれる位に甘くなっていると期待したんですけど、そうは問屋が卸してくれませんでした。

それで甘酒脳から麦芽糖脳へと戻って煮詰める作戦に出ました。思ったより澄んでて綺麗。


よく麦芽糖の感想にある「ひかえめな甘さ、優しい甘さ」がまさしく的を得ていると納得しました。

あと、甘さを求める欲から煮詰めすぎました。

そして、絞りカスを丸めて焼いたクッキーもどきに麦芽糖をたっぷりかけて、と言うか乗せて美味しく頂きました。

感想
・発酵系よりは簡単で安定してそうだけど、結構大変。
・煮詰めると本当に麦芽糖になって感動した。
・途中途中に糖ばかり味見して体調不良になるかと心配したけど、そんな事もなく体に優しい糖だった。
・結局は水で溶いて焼いただけのものと、(麦芽糖たっぷりクッキーは)栄養的には同じではないかと思った。

小麦で酵素のお勉強、麦芽とアミラーゼ2


麦芽を作るのがお手の物になってきました。左は乾燥後です。


乾燥麦芽のアップ。

何やら見慣れた、心の傷をえぐってくるような姿をしてます。

穂発芽麦をわざわざ作ったのかと思うと、一気にやる気を失いました。


立ち直るのに2日を要して、ようやく麦芽粉を作りました。

製粉は手慣れてますので、粉にするのはものの数十秒でした。

良く言えば「アミラーゼが活性化してる魔法の粉」ですが、キタノカオリで散々やってきた穂発芽小麦粉と同じだと思うと何ともやり切れない気持ちです。


らしき麦の粉を水に溶きます。

デンプンが細かくなったものが糖で、デンプンをアミラーゼが細かく切ってくれるそうです。


水を多くゆるめにしてます。

おかゆを甘酒にする麹も、麹菌のアミラーゼが米のデンプンを細かく切って糖にするそうです。


おかゆをイメージして100℃まで加熱しました。

デンプンをα(アルファ)化して酵素(アミラーゼ)が働けるように下準備します。

α(アルファ)化とは熱でデンプンの形を崩す事で、水分と共にアミラーゼがデンプンに入り込めるようになるそうです。

そう言えば、あまり美味しくなかったスペルト小麦がきはこの伏線だったんですね。


アミラーゼは70℃以上で失活するらしく、念のため60℃くらいに冷ましてから、魔法の粉(麦芽粉)を入れて掻き混ぜます。

アミラーゼは生物ではないので、酸素やエネルギーを必要とせず、失活するまで機能し続けるそうです。

このまま一晩保温して、続きは明日のお楽しみです。

α(アルファ)化して形の崩れたデンプンは冷えるとβ(ベータ)化して元に戻るようなので、アミラーゼが働き続けれるように保温が必要なんですね。

※アミラーゼについてネットで知識を得てますが、もしかしたら間違っているかもしれません。


こちらは、麦を磨いて目視してたら、吹きこぼれていた一回目の失敗です。

それで、まだ鍋に残っていたらしき麦粥α(アルファ)を食べてみると、もう甘酒完成じゃんと思うくらい甘くてびっくりしました。

これがアルファ化効果なのか、温度上昇途中でアミラーゼが働いたのか、らしき麦の個性なのか、まだよくわかりませんけど、明日が凄く楽しみになりました。

小麦で酵素のお勉強、麦芽とアミラーゼ1


ことの発端は目の前のパンを食べ尽くして「パンがなければ、らしき麦を食べればいいじゃない」と、水で溶いて焼いただけの「らしき麦」を食べていて「おや?甘い?」と感じた事からでした。※まとまりがえらく悪くて、せんべいみたいにしたらどうかと焼きを多くしてます。

たまたまかと思いスペルトでも同じものを作り食べ比べてみると、やっぱり「らしき麦」の甘さが際立っているようでした。

それで酵素、酵母、~菌の勉強がてら、唯一の取り柄である長所を伸ばしてあげようと思い立ちました。


※らしき麦は発芽が怪しかったのでスペルトで作り直してます。

まずは麦芽(ばくが)を作ろうと思います。

最初に水に浸して一日おきます。

酵素とはタンパク質の一種で、酵母や~菌のような生物ではなくて、発芽すると酵素が活性化するそうです。


1日(24時間)後。

自然状態での発芽のように土中環境に似るように、濡れ布きんで薄く広げた小麦を包んで保湿と通気性を確保して、猫のお家のいたずらされない暗い場所に置いておきます。

発芽して活性化した「アミラーゼ」と言う酵素が、小麦のデンプンを糖に変えてくれるらしいです。

上手くいけば、らしき麦をもっと甘く出来るんですね!


3日(72時間)後。

麦芽が発芽しました。濡れ布きん方式はさすが安定してます。

根と芽の違いはわかりますよね?


半分は伝説のアンチエイジングドリンク、リジュベラック(麦芽発酵炭酸飲料)にしてみます。

パン酵母の種起こしにも使おうと思います。


半分は乾燥させて、いわゆる麦芽(モルト)にします。

らしき麦を麦芽糖にして、唯一の取り柄である長所を伸ばしきってあげる計画です。

麦芽作りは初めてですけど、ずいぶんとすんなり簡単に順調にここまで進みました。すでに失敗のフラグが立っているのでしょうか?

スペルトの枯草菌を利用して納豆は出来るのか?2


一日後、スペルト殻大豆ミックスチャーハン、期待したのに変化なし。

冷え冷えになってて保温が全く出来てませんでした。


納豆菌(=枯草菌)以外の雑菌が繁殖しないよう念のために煮沸して翌日まで繰り越します。


更に一日後、全く変化なし。

枯草菌がいないのでしょうか?温度が低かったのでしょうか?


藁苞納豆の模倣バージョンは未開封で丸2日たってますが、どうでしょうか?


全く変化なし。味も茹で大豆のまま変化なし。

気になって内部温度を測ると10℃くらいでしたので、大失敗の一番の原因はきっとそれですね。

茹で大豆を2日後に食べただけになりました。変な匂いや雑味はなくて、スペルト殻の炒め殺菌は上手く出来てたように思います。

スペルト殻に枯草菌がいるいないよりも、とにかく40℃に保つ事が難しいです。目の前にあるもので40℃に保つ事が当面の課題になりました。

何をしているのかよく分からなくなりますが、保温のスキルがパンの発酵の時に役立つなら、あながち無駄に脱線している訳でもないのかもしれません。

スペルトの枯草菌を利用して納豆は出来るのか?1


どうやらパン酵母を野生株から自家培養してちゃんとしたパンにするのは、意外とかなり難しい事がわかりました。

よく違いのわからなかった「酵素」と「酵母」と「~菌」はそれぞれ違うんですね。

それでまず手始めにズブの素人でも出来そうな、納豆菌(=枯草菌)の培養をしてみようと思い立ちました。

スマホで調べた先人のマニュアルを有難く拝見しながら、どうせなので少しアレンジを加えようと思います。

稲ワラの枯草菌を利用した納豆作りが有名ですが、同じイネ科の小麦にも枯草菌はいるはずと仮説を立てて、ワラにいるなら殻にもいるはずと更なる仮説を立ててからスタートしました。

沸騰したお湯(100℃)で茹でると枯草菌以外の雑菌が死滅するそうですので、スペルト殻をゆがいてからチャーハンのように炒めました。茹でてから水分調整するより、洗って炒めた方が楽だと気が付いて作業途中で進化しました。

しっかり100℃の熱を通すため過剰な水分を飛ばすため念入りに炒めました。フライパン表面は100℃を軽く超えているはずで雑菌はおろか枯草菌にもダメージがあったかもしれません。


その辺にあったダンボールカムイで作った容器に、スペルト殻チャーハンを入れて、同時に茹でていた無農薬大豆とよみずきを入れて、スペルト殻チャーハンでとじて蓋をしました。

確実に納豆にするために、稲ワラで大豆を包み込む藁苞納豆の模倣バージョンです。


上手く行った場合、将来納豆菌を継いでの無限納豆を視野に入れ、容器そのものに納豆菌を定住させるバージョンも茹で大豆が余ったので試しておきました。

確実に納豆にするために、スペルト殻大豆ミックスチャーハンにしておきました。


仕込んだものを熱いうちに、あり余るスペルト殻を活用した保温ボックスに入れます。


どさっとスペルト殻をかぶせて、あとは猫のお家が20℃設定なのでそこに置いておきます。

おまえら夜中にいたずらすんなよ!

らしき麦を衣に使ったゴボウ天そば


「ゴボウ天そば」の天ぷらの衣に「らしき麦」を100%使用して揚げてもらいました。

知る人ぞ知る近隣の癒しの名店「えどや」さんに素材持ち込みが出来るかお願いした所、快く優しく「いいよ、やってあげるよ」と言ってくれました。

グルテンがないせいか「まとまらない」との事でしたが、ちゃんと天ぷらになっていて感動しました。

天ぷらとしての一般的評価は今一つなのかもしれませんけど、その瞬間では間違いなく世界一の天ぷらでした。

「豊かな暮らし」「美味しい」の本質にまた一歩近づけたような気がします。

ハード系食事パンを美味しく食べるには


ハード系の食事パンを究極に美味しく食べる方法を発見しました。

始めに用意するもの
・薪(倒木、流木など自然なものならなお良し)


次に用意するもの
・薪ストーブ(その辺の石を適当に積んだ竈ならなお良し)


着火(人力火起こしならなお良し)


薪をくべ火力をマックスにして、スキレットにオーガニックオリーブオイルをたっぷり塗って煙がモクモク出るまで加熱。

※オリーブオイルの発煙点は160~200℃だそうです。

!コーティングされた調理器具の使用や室内での空焚きは有害及び危険ですので絶対に止めてください。


フォルコンブロートを焼く。火力は常にマックスが美味しいです。

天然水を上からかけるなど水分調整はお好みで。多少かけすぎても大丈夫、すぐに蒸発するだけです。

(全粒粉ならなお良し、石臼挽きならなお良し、ルヴァン種ならなお良し、小麦・水だけならなお良し、もちろん無農薬小麦使用、作り手の顔が見えるパンならなお良し)

多くは語りませんが、こうしたシチュエーションで精製されたものの使用は美味しさを損なうだけです。


辺り一面にある雪を利用したリベイク。貴重な水が固形になって取りやすい形で常時地表にあるなんて凄いです。


何回か裏返して両面をこんがり焼き上げれば完成。

外はカリっと、内はモチっと、あっつあつ。

口の中が火傷するくらい熱いまま、ほふほふと白い息をしながら食べるとなお良し。

「積雪ゼロ」記録更新が今日で終わりました


らしき麦2021 #pirkaamam#bio#organic

新年早々様々な記録更新が相次いでいるようで、色々と賑やかな年になるのでしょうか。

でも、ニュースでどんなに騒ごうと、どんなに世間が混乱しようと、どでかいUFOが降りて来て重大発表があったとしても、ここではいつも通りの日常を過ごすだけなような気がします。

積雪が少ない方が越冬性が良い小麦ですが、さすがにこの時期もう少し積雪が欲しい所です。

こんなに積雪が少ないならノアMischにしなくても大丈夫でしたね。

あと、地力が低くても生育旺盛な らしき麦 に、少しでも何か用途があれば良かったのにと思います。

猫は戸惑いながらも喜んでしっぽを太くして走ってました。足の裏が冷たそうでした。