カテゴリー: とよみずき

手作り、納豆、薪ストーブ、省力、進化、完結編


無農薬スペルト小麦のフスマです。

ついこの間そば打ちで学んだように、水を少しずつ加えて「そぼろ状」にします。


まとまりが大きくならないように、水分量や搔き混ぜ方に気を付けます。そんなに難しくはありません。

いつの日かまたこの「そぼろ状」が重要な鍵になるような気がしてます。


「無農薬フスマそぼろ」をビンに入れました。


雑菌対策として「無農薬フスマそぼろ」を無農薬大豆と一緒に30分くらい蒸しました。


蒸した「無農薬フスマそぼろ」です。

固まってしまったらどうしようかと思ってたのですが、イメージ通りに上手く仕上がりました。

蒸した後もそぼろ状のままで、これなら通気性を確保出来そうです。

ちなみにデンプンがα(アルファ)化されたようで、甘く美味しくなってました。


昼寝からおきてきた猫たちに邪魔されながらも、冷めないうちに何とか仕込めました。

大豆とフスマの蒸した甘い匂いに誘われたようです。


こちら「煮沸4時間大豆のみ」は、煮沸4時間のビン容器に納豆菌は生き残れるか?の試験用に、納豆作りが成功したビン容器を大豆と一緒に4時間煮沸したものです。その都度新しいビンを買ってられませんので。

保温器に入れてビンの蓋は布きんにして、明朝20時間後(41℃保温)を楽しみに就寝しました。


20時間後(41℃保温)、納豆になるはずがなかった「煮沸4時間大豆のみ」です。

信じられません。がしかし、この目でしかと見てしまいましたので仕方ありません。この後、考察がフル回転で働き始めました。


「無農薬フスマそぼろ」の方も納豆になってました。フスマそぼろの通気性はあったものの、酸素の通りがいまいち悪かったように見えます。

枯草菌なので当たり前なんでしょうけど、フスマそぼろにも納豆菌が繁殖しているようです。

これだけを見ると、フスマに付着していた枯草菌が働いたように見えますが、「煮沸4時間大豆のみ」が納豆化しているのを見た後だけに、うーんと言う感じです。

考察
・保温器に納豆菌が住み着いた蔵付きがあったのではないか?

・薪ストーブの不安定な火力では蒸し器内が70~100℃を行ったり来たりしているため、ビン容器やその他付着の納豆菌が完全に死滅していなかったのではないか?

・枯草菌がスペルト籾殻にいるなら小麦外皮(フスマ)にいない方が不自然、そもそも大豆が好きなら大豆外皮にも枯草菌が付着しているのではないか?そもそも有機質&酸素ならどこにでもいるのではないか?

・大豆は80℃以上で茹で上がる、枯草菌は100℃でも生き残る、60~100℃でほとんどの菌は死滅する、大豆にも枯草菌はいる、ならば、大豆を80~90℃で茹でるか蒸して(付着菌の流亡を考えると蒸す方が望ましい)、そのまま約40℃で24時間保温すると、それだけで納豆になるのではないか?

とりあえず、野生菌で納豆をいつでも作れるようになったので、納豆作りはこれで一旦区切りにします。熱で簡単に単一菌に出来るし結果が見えるのが早いしで、納豆は本当に天然(野生)菌培養の入門編として最適でした。

あと、これで「自分で生産した無農薬大豆の大豆製品(国産有機納豆)を未だ一度も見た事も食べた事もないどこで売られているか知りえない」と嘆く事が少しは減るでしょう。自力で作れば良いのですから。

そう考えると、パン職人さんは良い人、優しい人、思いやりのある人が多いように思います。

・・・さてと、じゃあ次は乳酸菌ですね。

 
以下、ボツになった写真の一部を納豆作りの思い出として載せておきます。

ペール缶湯たんぽ保温器、どうしても上手くいかなかったです。ペール缶菌体保温器は写真に撮り忘れました。


大豆付着の納豆菌液。保温失敗のため効果不明。


フスマ大豆スープ。保温失敗のため効果不明。


フスマをまぶした大豆の保温失敗24時間後。

手作り、納豆、薪ストーブ、省力、進化、玄人編


納豆作りが成功すると猫のお家に納豆の匂いが充満して、猫達が「何だ何だ?」って顔つきをしてるので、ビンを密閉するとどうなるのか試験しました。

確実に成功する市販納豆を種菌にしましたが、20時間後(41℃保温)に様子を見ると白い菌膜が全くなくて駄目っぽいですね。

この後、密閉を止めて布きんをかけて、6時間後(41℃保温)にはちゃんと白い菌膜で覆われました。


無農薬スペルト小麦の籾殻を煮沸して、蒸した無農薬大豆を挟んだものです。ガラスビンだと中が見えていいですね。

枯草菌(納豆菌)は枯れた植物には必ず付着しているはずだと、自然の摂理を信じて諦めてません。


20時間後(41℃保温)、白い菌膜で覆われてました!生命の神秘を見たようで感動しました!

籾殻との分離が大変でもうこの方式はしないと思います。雑菌ではないかと心配しましたが、分離の時にネバっていたので納豆菌(枯草菌)で間違いないと思います。

試食すると市販の納豆を種菌にしたものとは違った風味があり、野生菌の貫禄を感じました。

あと、籾殻が臭気を防いだのか、猫のお家に納豆の匂いが充満してなかったのが印象的でした。


次回、長きに渡った「細菌をもっと知るために-枯草菌(納豆菌)-」ついに完結「じゃあフスマにはいるのか?」をお送りします。

天然(野生)酵母愛好家の方はドキドキしながら20時間後(41℃保温)をお待ちください。

手作り、納豆、薪ストーブ、省力、進化、初級編


ホームセンターで↑のと全く同じ広口ビンを購入してください。

口が広いので洗いやすく、用途も広くて何にでもパン酵母培養にも使え、体にも環境にもやさしいガラス製の一生モノ、お手頃価格で蓋のみでも購入可能な神容器です。


無農薬大豆を都度使う分だけ手よりします。

手間を惜しまず、良品質のものを格安で入手してください。


人に手よりをさせるから高価になるんです。

まとめて手よろうとするから嫌になるんです。


広口ビンに無農薬大豆を入れて、適当に多めに水を入れます。

しっかりビンの蓋を閉めて、シャカシャカ振って無農薬大豆を洗います。


水を取り替えて2回ほど繰り返しシャカシャカ洗えば十分です。

蓋を上手に活用すれば、ザルなどなくても水は切れます。


豆の2~3倍(適当でOK)の量の水を入れて、一晩置いてから蒸すかそのまま茹でます。


ペール缶に水を5cmくらい入れて、ビンのまま蓋をせずに湯煎します。

水からでもお湯からでもどちらでも大丈夫です。

ペール缶の蓋をのせて、薪ストーブの火力を上げて沸騰させます。

※ペール缶はステンレス製の食品対応のものをお使いください。


そのまま茹でる場合:一時間後くらいに豆が十分に吸水してからビンの中のお湯を全部捨てて、そのまま引き続きビンのまま蒸します。

一晩置いた場合:ビンの中の水は全部捨てて、ビンのまま蒸します。蒸しあがるまで何もしなくて大丈夫です。


そのまま茹でた場合は3時間後くらいに柔らかく蒸し上がります。

忘れて1時間くらい余計に蒸しても特に問題はありません。

ビンの煮沸消毒も兼ねてますので、後はそのまま種菌を入れるなり、市販の納豆を種菌にするなり、ご自由にお試しください。

約40℃で24時間保温するのは現代の器具を使えば簡単だと思います。

出来上がり後に2日ほど冷蔵庫に入れて置くと、市販の納豆のようになるそうです。


まだ諦めてない玄人編は後日に続きます。

スペルトの枯草菌を利用して納豆は出来るのか?2


一日後、スペルト殻大豆ミックスチャーハン、期待したのに変化なし。

冷え冷えになってて保温が全く出来てませんでした。


納豆菌(=枯草菌)以外の雑菌が繁殖しないよう念のために煮沸して翌日まで繰り越します。


更に一日後、全く変化なし。

枯草菌がいないのでしょうか?温度が低かったのでしょうか?


藁苞納豆の模倣バージョンは未開封で丸2日たってますが、どうでしょうか?


全く変化なし。味も茹で大豆のまま変化なし。

気になって内部温度を測ると10℃くらいでしたので、大失敗の一番の原因はきっとそれですね。

茹で大豆を2日後に食べただけになりました。変な匂いや雑味はなくて、スペルト殻の炒め殺菌は上手く出来てたように思います。

スペルト殻に枯草菌がいるいないよりも、とにかく40℃に保つ事が難しいです。目の前にあるもので40℃に保つ事が当面の課題になりました。

何をしているのかよく分からなくなりますが、保温のスキルがパンの発酵の時に役立つなら、あながち無駄に脱線している訳でもないのかもしれません。

スペルトの枯草菌を利用して納豆は出来るのか?1


どうやらパン酵母を野生株から自家培養してちゃんとしたパンにするのは、意外とかなり難しい事がわかりました。

よく違いのわからなかった「酵素」と「酵母」と「~菌」はそれぞれ違うんですね。

それでまず手始めにズブの素人でも出来そうな、納豆菌(=枯草菌)の培養をしてみようと思い立ちました。

スマホで調べた先人のマニュアルを有難く拝見しながら、どうせなので少しアレンジを加えようと思います。

稲ワラの枯草菌を利用した納豆作りが有名ですが、同じイネ科の小麦にも枯草菌はいるはずと仮説を立てて、ワラにいるなら殻にもいるはずと更なる仮説を立ててからスタートしました。

沸騰したお湯(100℃)で茹でると枯草菌以外の雑菌が死滅するそうですので、スペルト殻をゆがいてからチャーハンのように炒めました。茹でてから水分調整するより、洗って炒めた方が楽だと気が付いて作業途中で進化しました。

しっかり100℃の熱を通すため過剰な水分を飛ばすため念入りに炒めました。フライパン表面は100℃を軽く超えているはずで雑菌はおろか枯草菌にもダメージがあったかもしれません。


その辺にあったダンボールカムイで作った容器に、スペルト殻チャーハンを入れて、同時に茹でていた無農薬大豆とよみずきを入れて、スペルト殻チャーハンでとじて蓋をしました。

確実に納豆にするために、稲ワラで大豆を包み込む藁苞納豆の模倣バージョンです。


上手く行った場合、将来納豆菌を継いでの無限納豆を視野に入れ、容器そのものに納豆菌を定住させるバージョンも茹で大豆が余ったので試しておきました。

確実に納豆にするために、スペルト殻大豆ミックスチャーハンにしておきました。


仕込んだものを熱いうちに、あり余るスペルト殻を活用した保温ボックスに入れます。


どさっとスペルト殻をかぶせて、あとは猫のお家が20℃設定なのでそこに置いておきます。

おまえら夜中にいたずらすんなよ!

2020年産有機大豆の収穫を無事終えました


とよみずき2020 #pirkaamam#bio#organic

約一週間晴天が続き、収穫を無事に(昨日)終える事が出来ました。

収穫量は例年より多く豊作かと期待しましたが、虫食いが例年よりかなり酷くて、結果的にはしょんぼり残念な気持ちです。

大きなシロザ(アカザ)やイヌビユが収穫機(コンバイン)に詰まり、その都度コンバインから降りて手にすり傷をつけながら搬送部から取り除きました。

後部から煙がモクモクと立ち上った時は、年に数日しか稼働しない保険なしの一千万円近いコンバインが燃えてしまうかと思いました(ベルトがずれただけでした)。機械は肝心な時に壊れるもの、これが飛行機嫌いの一因かもしれません。

週間天気予報、明日の天気を一日に何度も調べて、雨が降らないように祈り、機械類が壊れないように祈り、怪我をしないように祈り、誰にも何事もないように祈りながらの、土作り~種まき~除草からの集大成であるストレスマックスの収穫を終え、虫食いにしょんぼり。殺虫剤を撒く気持ちがわかるような気がしました。

どうでもいい事ですが、生ぬるい夢や希望、願いや祈りを語る人がもしいれば、本当の祈りとは何かを教えてあげたいくらいです。

今日は一通り見回りして、シロザの大木群を見ながら、自分の事ながらよくやったとしみじみ思いました。

毎年、次の大豆作に向けて自家採種分を出荷せずにある程度残すのですが、このご時世とこの結果のせいなのか、全くそんな気持ちになれないのが不思議です。

よく何年もやってきたと今頃思います。もうやるだけやったのかもしれません。疲れているだけかもしれません。

明日から約1~2週間は大豆の収穫に集中します


とよみずき2020 #pirkaamam#bio#organic

8月までは気温が高く推移し収穫が早まりそうな気配でしたが、9月に入ってからは雨天曇天低温と梅雨のような天候が続き、結局は去年と同時期の収穫になりそうです。

しばらくの間、大豆の収穫が終わるまでそちらの方に気持ちが集中してしまいますので、玄麦出荷の方はスムーズな対応が出来ないかもしれませんが、ご理解とご協力を宜しくお願い致します。

一体何をやってるんだろうと思う時があります


とよみずき2020 #pirkaamam#bio#organic

コロコロ変わる雨予報に振り回されつつも、無事1回目のカルチ(機械除草)作業を終えました。

発芽しかけの時に5cm以上もの土を上からぶっかけてます。常軌を逸してると思われようが、そうでもしないと雑草を抑えきれないから、やもなくそうしてるだけです。

何から何まで気を遣い体力も余計に使う有機・無農薬栽培を、よく今までやって来れたと今日は特に思いました。※一日に14haはさすがに疲れたのかネガティブになってます。

ふと思えば、「とよみずき」は豆腐に向く大豆らしいですが、「有機とよみずき」の豆腐を見たことは一度もないですね…、いつか一度はお目にかかりたいものです。欲を言えばネガティブが吹っ飛ぶくらい浴びるほど「有機とよみずき豆腐」を食べてみたいですね。出来れば今日みたいな疲れた日に。

2020年産有機大豆の種まきを終えました


とよみずき2020 #pirkaamam#bio#organic

終日風の強かった14日から穏やかな気候の15日にかけて大豆の種まきを終え、昨晩は疲れ果てて昏睡してました。

大豆はブログにはあまり登場しませんが、数年前の「豆屋になる」連呼以来、今や輪作や収益面で大切な基幹作物となりました。

大豆の自給率は7%で小麦の自給率12%を遥かに下回ります。

日本の食卓には欠かせない大切な大豆食品、健康や環境により配慮した有機国産大豆へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

ピリカアマムの有機大豆はアグリシステムさんからご入手いただけます。※直接販売は行っておりません。自然栽培ですが一般有機栽培価格でのご奉仕です。

来春の種子用に「とよみずき」を転選機にかけました


とよみずき2019 #有機JAS認証

丸い大豆は傾斜したベルトコンベアをコロコロと転がすだけで、偏平粒や割れた粒、莢や茎、石なども綺麗に取り除けます。


転がってしまう少々の虫食いは残りますが、転選機だけでここまで綺麗になれば十分でしょう。

自家採取としては上出来ですので、このまま来春まで保管しておきます。

・・・
ところで、農家直接買い付けの場合、この大豆をお譲りする価格の計算をしてみましょう。

この種子用にするための大豆をお譲りすると、その分新たに種子を購入しなくてはなりません。

参考までに今年購入した「とよみずき」の種子は、30kgで23,220円(税込)でした。1kg=774円です。来年の種子の価格がどうなるのかはわかりませんが、最低でも増税分の値上がりはあるとして計算を進めます。

1袋20㎏で計算します。
774+2%=788(大豆1kg)、788×20kg=15,760(1袋大豆代)

通常小分け料金の一般的な価格としてキロ100~200円、良心的に100円で計算しておきます。
15,760+2,200=17,960

梱包資材代を100円にしておきます。
17,960+110=18,070

選別料金は今回計算に入れません。直接取りに来てもらえれば1袋20kgで18,070円です。70円は値引きして、1袋20kgで18,000円(税込)です。

宅配便で発送する場合は一般的に送料と事務手数料が追加でかかります。
例えば東京の場合、ゆうパック120サイズで2,020円です。

事務手数料はおまけしておきます。
18,070+2,020=20,090、90円は値引きして、1袋20kgで20,000円(税込、送料込)です。

ちなみに、不足分として購入する種子は有機ではなく慣行の大豆にグレードダウンしますので、この売買により得をする事は一切無いです。手よりは労力的に出来ません。

おそらくアグリシステムさんやお近くの問屋さんから、ちゃんとした有機大豆をご購入された方が安くてお得かと思います。

上記の理由から、今年度産の大豆の直売は止めておきます。