カテゴリー: pirkaamam lab

高温でも低温でもダメ、残された道は常温なのか?


らしき麦 水溶きゆるめ 湯煎蒸し(30分) 嫌気 麦芽種 5~10℃ 48時間後

菌が動いた気配なし、見た目も匂いも変化なし、味はとても甘いです。

40℃の時は爆発するほどやる気だしてたのに、一転して無気力になってます。※やる気を出してた菌名は未だ不明、乳酸菌ではないと思います。

2日経ってあまりの変化のなさに痺れを切らして、薄く焼いて食べたら麦芽糖並みに甘かったです。

煮たり麦芽入れたり保温したり冷やしたり手間をかけているのに、一向に乳酸菌が働いてくれる気配がありません。

なんて難しい乳酸菌選抜、これなら作り置き放置生地の方が、まだそれっぽかったような気がします。

食中毒菌を勉強して知って怖くて震えた夜


らしき麦 水溶きゆるめ 湯煎蒸し(30分) 嫌気 40℃ 20時間

時間があればスマホで菌ばかり調べてます。最近はネット菌サーフィンばかりしてます。

それで知ったのですが、どうやら100℃でも芽胞(がほう)を形成して生き延びる猛者は枯草菌(納豆菌)だけではなくて、他にもセレウス菌(好気性)、炭疽菌(好気性)、ウエルシュ菌(嫌気性)、ボツリヌス菌(嫌気性)がいるそうで、どれも名だたる恐ろしい食中毒の原因となる細菌ばかりです。

湯煎蒸ししたらしき麦や大豆を、好気状態で保温すると枯草菌とセレウス菌と炭疽菌、嫌気状態で保温するとウエルシュ菌とボツリヌス菌を培養している可能性が万が一だとしてもゼロではありません。

特に「湯煎蒸し(30分) 嫌気 40℃ 20時間」このタイプは、当初もしかしたら高温性乳酸菌が生き残って増えるかもと安易な考えで試しましたけど、菌の世界を学ぶにつれ、まるでウエルシュ菌(嫌気性)、ボツリヌス菌(嫌気性)のみ芽胞からの選抜培養しているかのように思えてきて怖くなりました。


不安と恐怖から一夜明けて、固く閉まった蓋を開けると。

見た目ですぐわかる無菌じゃない?!怖いわ~、誰だ?!

猫たちを避難させ、臭いくらいで死ぬことはないだろうと恐る恐るくんかくんかしました。※危険ですので絶対に真似しないでください!!!

結論として、匂いは嗅ぎなれた野生菌納豆を薄くした感じで見慣れた菌膜がある事から、枯草菌(納豆菌)のようですがあってますでしょうか?きっとビン内の酸素で少しだけ頑張ったんですね。

表層下の嫌気部分が恐ろしいので味見はせずに、一応内部を検視してすぐに自然に還しました。もう二度としません。

本意ではなかったですけど、小麦粉(らしき麦)にも納豆菌がいる事が判明しました。

そうそう、肝心の乳酸菌の匂いは全くのゼロでした。

スペルト α(アルファ)化 麦芽種 40℃ 20時間後


粉をゆるく水で溶いて、湯煎蒸しして、冷めてから麦芽を加えて、蓋をして嫌気状態で、40℃で保温します。

乳酸菌関連では糖分が多いと思われるらしき麦を原料に使う予定ですが、今回、らしき麦と間違えてスペルトを使用しております。粉容器にラベルを貼った方が良いですね。

らしき麦は湯煎してもシャパシャパなのに、スペルトは湯煎すると固まるので扱いにくいです。


朝おきて見ると大惨事になってました。蓋をきつく締め忘れたのかもしれません。

40℃とは言え、たった一晩でこんなに爆発的に活気づくものなのでしょうか?

真夜中か明け方か聞いても黙秘するのでわかりませんけど、突然の爆発音に猫たちは相当びっくりしたと思います。


やばい雰囲気してます。元気そうなのは伝わってきます。

さて、乳酸菌は上手く増えているでしょうか?

匂いがまたやばいです。酸っぱい匂いはあるにはありますけど、これは記憶に懐かしいリジュベラックのくそまずい時をさらに濃くした匂いと味です。どんなに良いと信じ込もうとしても五感が危険だと言うやつです。

教科書的に言えば、おそらく発酵ではなくて腐敗なんでしょう。

麦芽酵素→納豆菌までは簡単だったのに、乳酸菌から急に難しくなったように思います。

らしき麦R-1ヨーグルト


らしき麦をゆるめのかためで水で溶きます。

まず乳酸菌の正解の匂いを再確認するために、ちゃんとしたヨーグルトを作ろうとしてます。


雑菌を防ぐためペール缶で湯煎蒸しします。

これで食中毒菌を死滅させるかの有名な「75℃以上1分」は楽々クリアです。

麦芽(酵素)の項で覚えたα(アルファ)化で甘みも増して、乳酸菌は気持ちよく働いてくれるはずです。


たまたま目の前にあったR-1(飲むヨーグルト)カムイを大さじ1くらい入れました。

まだ70℃以上ある時に入れてしまい乳酸菌が死んでしまったかもしれないので、40℃以下に冷めてから入れなおしました。納豆菌と比べるとずいぶんデリケートですね。

一応、この時点での味見をすると、食べなれたらしき麦の味で、R-1の味は殆どしませんでした。


無種菌納豆(新品ビン)と一緒に同じ保温器で同じ温度(40℃)で仲良くおやすみなさい。


おはようございます。

無種菌納豆は新品ビンでも納豆化していた事から、蔵付き(布きん付き)、大豆付きの2つの可能性に絞られました。


匂いは誰もが知ってる純粋なヨーグルト(乳酸菌)の匂いがします!

ちょくちょく納豆なごりが出て来てすみません。全くあの匂いと粘りがなかった事から、納豆成功容器を長時間煮沸すると納豆菌は容器からいなくなる事を確認しました。

試食をするとヨーグルト特有の酸味がしっかり出ていて、(思ったより)とても美味しゅうございました。全部食べるのに少しの勇気がいりましたが、健康被害はございませんでした。いきなり活力がみなぎる事もございませんでした。

あと、なめらかさはなかったですね、元が粉なのでそれなりにざらっとしてました。

わざわざ自家製豆乳を作らないといけないかと思ってたんですけど、これで出来るなら今後の作業がスムーズに進みそうで良かったです。

手作り、納豆、薪ストーブ、省力、進化、完結編


無農薬スペルト小麦のフスマです。

ついこの間そば打ちで学んだように、水を少しずつ加えて「そぼろ状」にします。


まとまりが大きくならないように、水分量や搔き混ぜ方に気を付けます。そんなに難しくはありません。

いつの日かまたこの「そぼろ状」が重要な鍵になるような気がしてます。


「無農薬フスマそぼろ」をビンに入れました。


雑菌対策として「無農薬フスマそぼろ」を無農薬大豆と一緒に30分くらい蒸しました。


蒸した「無農薬フスマそぼろ」です。

固まってしまったらどうしようかと思ってたのですが、イメージ通りに上手く仕上がりました。

蒸した後もそぼろ状のままで、これなら通気性を確保出来そうです。

ちなみにデンプンがα(アルファ)化されたようで、甘く美味しくなってました。


昼寝からおきてきた猫たちに邪魔されながらも、冷めないうちに何とか仕込めました。

大豆とフスマの蒸した甘い匂いに誘われたようです。


こちら「煮沸4時間大豆のみ」は、煮沸4時間のビン容器に納豆菌は生き残れるか?の試験用に、納豆作りが成功したビン容器を大豆と一緒に4時間煮沸したものです。その都度新しいビンを買ってられませんので。

保温器に入れてビンの蓋は布きんにして、明朝20時間後(41℃保温)を楽しみに就寝しました。


20時間後(41℃保温)、納豆になるはずがなかった「煮沸4時間大豆のみ」です。

信じられません。がしかし、この目でしかと見てしまいましたので仕方ありません。この後、考察がフル回転で働き始めました。


「無農薬フスマそぼろ」の方も納豆になってました。フスマそぼろの通気性はあったものの、酸素の通りがいまいち悪かったように見えます。

枯草菌なので当たり前なんでしょうけど、フスマそぼろにも納豆菌が繁殖しているようです。

これだけを見ると、フスマに付着していた枯草菌が働いたように見えますが、「煮沸4時間大豆のみ」が納豆化しているのを見た後だけに、うーんと言う感じです。

考察
・保温器に納豆菌が住み着いた蔵付きがあったのではないか?

・薪ストーブの不安定な火力では蒸し器内が70~100℃を行ったり来たりしているため、ビン容器やその他付着の納豆菌が完全に死滅していなかったのではないか?

・枯草菌がスペルト籾殻にいるなら小麦外皮(フスマ)にいない方が不自然、そもそも大豆が好きなら大豆外皮にも枯草菌が付着しているのではないか?そもそも有機質&酸素ならどこにでもいるのではないか?

・大豆は80℃以上で茹で上がる、枯草菌は100℃でも生き残る、60~100℃でほとんどの菌は死滅する、大豆にも枯草菌はいる、ならば、大豆を80~90℃で茹でるか蒸して(付着菌の流亡を考えると蒸す方が望ましい)、そのまま約40℃で24時間保温すると、それだけで納豆になるのではないか?

とりあえず、野生菌で納豆をいつでも作れるようになったので、納豆作りはこれで一旦区切りにします。熱で簡単に単一菌に出来るし結果が見えるのが早いしで、納豆は本当に天然(野生)菌培養の入門編として最適でした。

あと、これで「自分で生産した無農薬大豆の大豆製品(国産有機納豆)を未だ一度も見た事も食べた事もないどこで売られているか知りえない」と嘆く事が少しは減るでしょう。自力で作れば良いのですから。

そう考えると、パン職人さんは良い人、優しい人、思いやりのある人が多いように思います。

・・・さてと、じゃあ次は乳酸菌ですね。

 
以下、ボツになった写真の一部を納豆作りの思い出として載せておきます。

ペール缶湯たんぽ保温器、どうしても上手くいかなかったです。ペール缶菌体保温器は写真に撮り忘れました。


大豆付着の納豆菌液。保温失敗のため効果不明。


フスマ大豆スープ。保温失敗のため効果不明。


フスマをまぶした大豆の保温失敗24時間後。

手作り、納豆、薪ストーブ、省力、進化、玄人編


納豆作りが成功すると猫のお家に納豆の匂いが充満して、猫達が「何だ何だ?」って顔つきをしてるので、ビンを密閉するとどうなるのか試験しました。

確実に成功する市販納豆を種菌にしましたが、20時間後(41℃保温)に様子を見ると白い菌膜が全くなくて駄目っぽいですね。

この後、密閉を止めて布きんをかけて、6時間後(41℃保温)にはちゃんと白い菌膜で覆われました。


無農薬スペルト小麦の籾殻を煮沸して、蒸した無農薬大豆を挟んだものです。ガラスビンだと中が見えていいですね。

枯草菌(納豆菌)は枯れた植物には必ず付着しているはずだと、自然の摂理を信じて諦めてません。


20時間後(41℃保温)、白い菌膜で覆われてました!生命の神秘を見たようで感動しました!

籾殻との分離が大変でもうこの方式はしないと思います。雑菌ではないかと心配しましたが、分離の時にネバっていたので納豆菌(枯草菌)で間違いないと思います。

試食すると市販の納豆を種菌にしたものとは違った風味があり、野生菌の貫禄を感じました。

あと、籾殻が臭気を防いだのか、猫のお家に納豆の匂いが充満してなかったのが印象的でした。


次回、長きに渡った「細菌をもっと知るために-枯草菌(納豆菌)-」ついに完結「じゃあフスマにはいるのか?」をお送りします。

天然(野生)酵母愛好家の方はドキドキしながら20時間後(41℃保温)をお待ちください。

手作り、納豆、薪ストーブ、省力、進化、初級編


ホームセンターで↑のと全く同じ広口ビンを購入してください。

口が広いので洗いやすく、用途も広くて何にでもパン酵母培養にも使え、体にも環境にもやさしいガラス製の一生モノ、お手頃価格で蓋のみでも購入可能な神容器です。


無農薬大豆を都度使う分だけ手よりします。

手間を惜しまず、良品質のものを格安で入手してください。


人に手よりをさせるから高価になるんです。

まとめて手よろうとするから嫌になるんです。


広口ビンに無農薬大豆を入れて、適当に多めに水を入れます。

しっかりビンの蓋を閉めて、シャカシャカ振って無農薬大豆を洗います。


水を取り替えて2回ほど繰り返しシャカシャカ洗えば十分です。

蓋を上手に活用すれば、ザルなどなくても水は切れます。


豆の2~3倍(適当でOK)の量の水を入れて、一晩置いてから蒸すかそのまま茹でます。


ペール缶に水を5cmくらい入れて、ビンのまま蓋をせずに湯煎します。

水からでもお湯からでもどちらでも大丈夫です。

ペール缶の蓋をのせて、薪ストーブの火力を上げて沸騰させます。

※ペール缶はステンレス製の食品対応のものをお使いください。


そのまま茹でる場合:一時間後くらいに豆が十分に吸水してからビンの中のお湯を全部捨てて、そのまま引き続きビンのまま蒸します。

一晩置いた場合:ビンの中の水は全部捨てて、ビンのまま蒸します。蒸しあがるまで何もしなくて大丈夫です。


そのまま茹でた場合は3時間後くらいに柔らかく蒸し上がります。

忘れて1時間くらい余計に蒸しても特に問題はありません。

ビンの煮沸消毒も兼ねてますので、後はそのまま種菌を入れるなり、市販の納豆を種菌にするなり、ご自由にお試しください。

約40℃で24時間保温するのは現代の器具を使えば簡単だと思います。

出来上がり後に2日ほど冷蔵庫に入れて置くと、市販の納豆のようになるそうです。


まだ諦めてない玄人編は後日に続きます。

らしき麦薄焼き選手権へ向けての特訓


薄く焼くほど癖が抜けて甘く美味しくなる、この唯一の取り柄を伸ばしてあげたい、その一心で特訓の一歩目を踏み出しました。

甘いって事はきっと糖分が多いんでしょうね。それで試して思ったのが、作りおき生地で天然発酵させてしまうと、その唯一の長所の甘味を甘いもの大好きな細菌、酵母に素早く食べ尽くされてしまい、かわりに酸味を残されてしまいます。グルテンの膜がないので膨らむと言う利点にかわる事なくしてです。


甘味料が貴重だった時代なら脚光を浴びる事があったかもしれませんけど、今や甘味はありふれた砂糖でどうにでもできますからね。

商売としては使い勝手の難しい麦でしょうけど、ここは趣味と研究、好奇心の空間ですから、いろいろ試して楽しんでます。

暫定ルール
・粉と水のみ。水分量の規制はなし。
・フライパンに油を塗るのはOK。
・直径10cm以上。
・両面を焼くこと。ヘラでひっくり返すのは不可。
・加点の優先度、薄い>甘い>大きい。

小麦で酵素のお勉強、麦芽とアミラーゼ3


一晩経ったものは水分が減っていたので、水増しして漉し布で漉しました。※この前の写真はピンぼけだったり撮り忘れてました。

期待過剰すぎたのか、一晩経ってもじわっと甘みが増している位にしか感じませんでしたが、確かにじわっと甘みが増していたように思います。


シュトレン並みに脳がしびれる位に甘くなっていると期待したんですけど、そうは問屋が卸してくれませんでした。

それで甘酒脳から麦芽糖脳へと戻って煮詰める作戦に出ました。思ったより澄んでて綺麗。


よく麦芽糖の感想にある「ひかえめな甘さ、優しい甘さ」がまさしく的を得ていると納得しました。

あと、甘さを求める欲から煮詰めすぎました。

そして、絞りカスを丸めて焼いたクッキーもどきに麦芽糖をたっぷりかけて、と言うか乗せて美味しく頂きました。

感想
・発酵系よりは簡単で安定してそうだけど、結構大変。
・煮詰めると本当に麦芽糖になって感動した。
・途中途中に糖ばかり味見して体調不良になるかと心配したけど、そんな事もなく体に優しい糖だった。
・結局は水で溶いて焼いただけのものと、(麦芽糖たっぷりクッキーは)栄養的には同じではないかと思った。

小麦で酵素のお勉強、麦芽とアミラーゼ2


麦芽を作るのがお手の物になってきました。左は乾燥後です。


乾燥麦芽のアップ。

何やら見慣れた、心の傷をえぐってくるような姿をしてます。

穂発芽麦をわざわざ作ったのかと思うと、一気にやる気を失いました。


立ち直るのに2日を要して、ようやく麦芽粉を作りました。

製粉は手慣れてますので、粉にするのはものの数十秒でした。

良く言えば「アミラーゼが活性化してる魔法の粉」ですが、キタノカオリで散々やってきた穂発芽小麦粉と同じだと思うと何ともやり切れない気持ちです。


らしき麦の粉を水に溶きます。

デンプンが細かくなったものが糖で、デンプンをアミラーゼが細かく切ってくれるそうです。


水を多くゆるめにしてます。

おかゆを甘酒にする麹も、麹菌のアミラーゼが米のデンプンを細かく切って糖にするそうです。


おかゆをイメージして100℃まで加熱しました。

デンプンをα(アルファ)化して酵素(アミラーゼ)が働けるように下準備します。

α(アルファ)化とは熱でデンプンの形を崩す事で、水分と共にアミラーゼがデンプンに入り込めるようになるそうです。

そう言えば、あまり美味しくなかったスペルト小麦がきはこの伏線だったんですね。


アミラーゼは70℃以上で失活するらしく、念のため60℃くらいに冷ましてから、魔法の粉(麦芽粉)を入れて掻き混ぜます。

アミラーゼは生物ではないので、酸素やエネルギーを必要とせず、失活するまで機能し続けるそうです。

このまま一晩保温して、続きは明日のお楽しみです。

α(アルファ)化して形の崩れたデンプンは冷えるとβ(ベータ)化して元に戻るようなので、アミラーゼが働き続けれるように保温が必要なんですね。

※アミラーゼについてネットで知識を得てますが、もしかしたら間違っているかもしれません。


こちらは、麦を磨いて目視してたら、吹きこぼれていた一回目の失敗です。

それで、まだ鍋に残っていたらしき麦粥α(アルファ)を食べてみると、もう甘酒完成じゃんと思うくらい甘くてびっくりしました。

これがアルファ化効果なのか、温度上昇途中でアミラーゼが働いたのか、らしき麦の個性なのか、まだよくわかりませんけど、明日が凄く楽しみになりました。