カテゴリー: pirkaamam lab

2週間で醤油の匂い(旨味)になるのかの試験結果


小麦粉10、期限切れとかち野酵母1、水(←)3.5 ,(中)4.0 ,(→)5.0、最初から最後まで常温(10℃~20℃)

醤油の特徴的な匂いはHEMFと言うフラノン類の匂いで酵母が生成しているそうです。

それで長時間発酵でHEMFの匂いが発生するのか試しました。

動機としては数年前の穂発芽多発年に小麦畑全体から醤油の匂いがした事、穂発芽粒の中に強烈な旨味粒があった事、とある3軒のパン屋さん(ベ*******(商品)、ビ*****(試作)、カ*******(試作))、から頂いた低温長時間発酵のパンに醤油の匂いと旨味があった事から、パン酵母を使い醤油のように長期でなくてもHEMFを醸せる実例の再現かつより濃い匂いと旨味を期待してです。


2日後

タッパーに入れて乾燥を防いでます。

ベーカーズ%で水50%のものは早々にぺったんこになりました。

うろ覚えですけど、3日目くらいからはタッパー内がアルコールの匂いになりました。


16日後

実際はここまで茶色くなくて、どちらかと言えばほのかなピンク色のように見えました。特に50%のものが何かとわかりやすかったです。

カビの発生や腐敗臭がなかったのが意外でした。酵母優勢のお陰かアルコールのお陰かはよくわかりません。

うろ覚えですけど、7~10日頃から少し匂いが変わって、よく聞くセメダインのようなシンナー臭(酢酸エチル)に似ているような匂いが、ほのかにするようなしないような、しないような感じでした(酢酸エチルは産膜酵母が生成するらしいのですけど、膜は見当たりませんし)。総合的な印象としては醤油の匂いになる事はなく一貫してアルコールの匂いだったように思います。

もう目標の2週間を過ぎたので慎重に生食してみましたが、醤油の匂いも旨味もあまり感じられませんでした。


16日後、250℃5分

焼いたら醤油の匂いになるかと期待しましたけど、なりませんでした。旨味も元々の酵母の旨味以上にはなってないように思います。

35%:微酸味があって、危険を感じ半分残した。
40%:↑と↓の中間の食味食感、酸味はなし。
50%:見た目は怪しかったけど意外にも一番美味し?かった。酸味はなし。

食べてから半日経って体調は大丈夫です。

全くの放置ではなくてパンチした方が良かったのかもしれません。

これからは農繁期中の農繁期になります


ユキホマレ2021 #pirkaamam#bio#organic

6月、7月は無農薬栽培では一年で一番忙しい時期です。作物も雑草もグングンと伸びる時期ですからね。※もちろん5月、8月、9月、10月も十分に忙しいです。

パン研究も楽しいですけど、本業をちゃんとしなくてはならなくなってきました。

今冷静に思えば、一番忙しい時期に視察や体験を受け入れていたのは、もちろん有意義ではありましたけど、本当に勢いだけでやってたんだと思います。パン屋さんに例えれば、繁忙期の早朝~午前中の早い時間に、視察や体験を受け入れるようなものでしょうか?まあ普通はしませんよね。


ノア8β100、らしき酒種20、水20、そぼろ状中種

酒種は種の管理が楽でいいのですけど、パンにアルコールの独特の風味がついてしまうのが難点です。それで酒種割合を減らしアルコール臭を希釈するのに中種法を試してみました。

そぼろ状にした狙いは、嫌気状態でアルコール発酵しないように、通気性を良くして酵母の増殖を促進するためです。しかし、狙いは上手くいったものの、そぼろ状の一粒一粒が固くなってて本捏ね時に馴染みにくいのが難点でボツになりました。あと水分がいつもと同じ割合なのに本捏ね生地が水分過多ぎみでした。

低温長時間発酵の反動からの超短時間発酵


小麦試験栽培 #pirkaamam#bio#organic

畑一面に雑草の白い花が咲いてます。これで小麦畑なんだから常識的な人ほど呆れると思います。

でも、背丈の低い一年草、ましてや冬草がいくら増えようと全く問題にならないんです。


(←)期限切れとかち野酵母50%(捏ね直後)、(→)期限切れとかち野酵母22%(1次発酵35℃25分後)

今日は酵母数を単純に増やすと、膨らむ速度が比例して早くなるのかを試しました。

約2倍に膨らむまでが2%で1時間なら、20%で6分で済む計算ですが、酵母の期限切れな事、とかち野酵母の説明書通りの予備発酵をしなかった事から、膨らむのが計算より遅く22%のもので25分もかかりました。


期限切れとかち野酵母50%(1次発酵35℃10分後)

みるみる目にみえるように膨らんでました。

捏ねてる最中からもはや1次発酵とパンチを兼ねているようなもので、捏ね直後に型に入れた時には既に1.3~1.5倍くらいになってました。

期限切れではない酵母でちゃんと説明書通りの予備発酵をすれば、理論通りの超短時間発酵も夢ではないような気がしました。


(←)期限切れとかち野酵母50%、(→)期限切れとかち野酵母22%

このような試みをしたのは「イースト臭」と言われるものを知りたかったのもあります。あと「酵母の味」も。

とかちの酵母が普通の酵母の臭いと味なのかどうかはわかりませんけど、あまり食欲をそそるような匂いではなかったです。意外な事に不味いながらも得体の知れない旨味らしき味がありました。22%より50%の方がより濃くなっていたので、おそらく酵母そのものの焼けた匂いと味なんでしょうけど、もう一度試したいとは思いませんでした。どことなく醤油に似ているような匂いがありました。

結論は麦芽糖。エアーレーションは必要なし。


ノア8β100、スペルト酵母液種65、塩2、1次発酵4~8℃6日、2次発酵35℃1時間、250℃5分→200℃10分→余熱5分

酵母培養の糖分は色々と試した結果、自前で作れる麦芽糖にする事にしました。製粉残渣のフスマ(についてる残留デンプン)から無尽蔵に作れるのと、親和性が良く癖がなく、同じ糖度でも精製糖のように甘くどくないのが良いです。

pHを下げるためにレモン果汁や食酢、その他果汁を添加するとパンに独特な風味がついてしまうので、どうしようか悩んでたのですが、容器や器具をちゃんと熱湯消毒して息を止めたり肝心な時だけ気をつけていれば、雑菌の侵入はそうそうない事がわかってきました。

エアーレーションなんかはブクブクポンプに申し訳程度に付いているフィルターの効果があったのか、約一ヶ月ほどしてましたけど雑菌の侵入はありませんでした。でももう必要ないとわかりしてません。

低温6日間発酵してみましたけど、言われているほど美味しくなった感じはしませんでした。いつも焼きたてばかりを食べているからでしょうか?もちろん酸味はゼロです。酵母と乳酸菌の平行複発酵をコントロールする方がよっぽど難しいのではないかと思います。

スペルト麦芽とライ小麦(らしき)のアミラーゼ比較


小麦のフスマ(100g)を鉄フライパンで適度に好みで炒りました。

これをお茶だしパックに入れて、市販の麦茶パックのように使うとあっさりめの美味しい小麦麦茶になります。


水(600g)を加えて適度にコトコト煮込み、小麦麦茶を煮出しつつフスマに付着している残留デンプンをα(アルファ)化させます。

小麦デンプンなのでトロっとしてます。


70℃以下になってからスペルト麦芽を適度に投入したバージョン。


かき混ぜるとスーっとシャパシャパになっていき感動しました。

麦芽アミラーゼ凄いです。


70℃以下になってからライ小麦(らしき麦)を適度に投入したバージョン。※麦芽ではありません。


シャパシャパまではいかないもののシャパシャパっぽくはなりました。さすがアミラーゼ活性の強いライ小麦、かなり奮闘はしてくれてます。

結論、麦芽を使った方が断然効率が高い。


濾して糖度20%になるまで煮詰めて、ビンに入れて冷蔵しました。

パンの風味を濃くする魔法のエキス完成!

炒ったのが吉とでるか凶とでるか、原材料「小麦、水、塩」のみ究極のパン試作ライフに特濃エキスが加わり、完成への期待が高まりました。

いつもの本業ダイオウ抜きと有効活用


ノア8Misch #pirkaamam#bio#organic

ダイオウ(エゾノギシギシ)が減ってきたとは言え、結局はいつも通りにダイオウ抜きをする事になってます。今年ダイオウが多いのはここだけなのでまったりと、体は疲れても一人のんびりと自分のペースで気疲れしないのが何より良いです。


ダイオウ(新芽由来)酵母の仕込み、ライ小麦湯種加水200% ※旧らしき麦がきTA300

さて次は何の酵母にしようかと考えつつもう何日も経つんですけど、やっぱり花がいいとか、樹液からにしようかとか、桜はとかち野とかぶるしとか…。

今日はこの時期にしては暑かったのでダイオウ抜きの休憩がてら座り込んでぼーとメディケーションらしき事をしていたら、そうだこれにしようと縁もゆかりも深いダイオウの新芽の酵母にしようと閃いたしだいです。

これでダイオウに纏わる全てを肯定するパンが美味しく出来ると嬉しいです。

マツヨイセンノウ抜きとノア8βでノア8予測


ノア8 #pirkaamam#bio#organic

マツヨイセンノウは早めの春対処の方が絶対に楽だとわかりました。気候が涼しいのと、まだ小さくて取りやすいのとで、労力がかなり削減できます。マツヨイセンノウは毎年同じ所に生えるため、生えていた場所だけをチェックすればいいです。

ところでノア8はどのような捏ね具合になるのか気になり、ノア8βにして生地を捏ねてみました。

ノア8β = ノア7小粒60% + スペルト40% で配合しました。


ノア8β100、水66、期限切れとかち野酵母2、リンゴ酢2、魯山人醤油2、2次発酵後

いろいろと色気を入れてしまい、ドロドロになりましたけど、まずまずの捏ねやすさでした。スペルト100%よりは断然ベタつかず捏ねやすかったです。

※この後、ノア8β100、らしき麦(由来)液種65、塩2、で捏ねたものは常識的な捏ねやすさでした。

1次発酵35℃1時間~発酵器内放置~マツヨイセンノウ抜き、の合計3時間でドロドロになって容器から溢れてました。

2次発酵35℃35分~発酵器内放置~忘れる、の合計2時間?でまたもやドロドロになって容器から溢れてました。

早く膨らまないかと見ててもなかなか膨らまないのに、目を離すと一体何故こうなるのでしょうか?

これが決定的なきっかけとなり今後、低温長時間発酵に傾倒していくことになろうかと思います。

100均のステンレスボールで充分でした


ノア8β小麦粉100、らしき麦酵母液種65、塩2、1次発酵35℃1時間→18℃?4時間、2次発酵35℃1時間、250℃15分→余熱5分

ずっと頭を悩ませていた「焼いた直後の内相の湯気の癖臭」の原因が完全に判明しました。試作用小麦粉に混ざっている生豆(小豆、大豆)のおそらく小豆の方の匂いでした。

生豆の混ざっていないちゃんとした小麦粉を使って試すと、あれほど悩みの種だった癖臭は全くありませんでした。一体今までの苦悩はなんだったのか…。

ちなみに、(以前)液種に食酢(リンゴ酢)を2%混ぜて(※1)試していたのですが、その液種で作ったパンが食べ慣れた酸味のあるハード系パンと全く同じ酸味風味になって驚いた事があります。もっと驚いたのはその食酢が種つぎで薄まってきた頃に、その液種で作ったパン(今回のパン)からほのかなヨーグルトの匂いがした事です(酸味はなし)。

(※1)酢酸濃度0.1%で多くの食中毒菌の静菌に効果があるとの事で食酢換算の2%を入れました。


ステンレスボールすらいらない方法を思いついたので明日試してみます。

そろそろちゃんとした仕事もしないといけませんね。

レモンスカッシュ液種とトラウマの克服


レモン果汁5%、ドライイースト2% or 期限切れとかち野酵母2%、てんさい糖2%、17℃オーバーナイト

「美味しいパンは美味しい液種から」が最近のモットーになってます。

液種が上手く出来ているかどうかを確かめるために、わざわざ「捏ねて発酵して焼いて」時間をかけてパンにしなくても、いっそのこと生液種を飲めばすぐわかるのではないか?と考えるに至っております。

でも非加熱の生菌を飲むのは食中毒事例を体験してるだけに、かなりの勇気がいりますので、まずは安全なところから徐々に踏み込もうかと思い、低pHのレモンスカッシュ液種に至ったしだいです。

上の2つの比較では期限切れとかち野酵母レモンスカッシュの方が発泡は弱かったものの美味しかったです。どちらも酵母の量はもう少し減らした方がいいかもしれません。それと「糖」の質が今後重要になるのではないかと思います。


ドライイーストレモンスカッシュ液種使用

補助器を外して怖い思いをしたトラウマを克服するためのパン。


期限切れとかち野酵母レモンスカッシュ液種使用

コンベクションオーブンに入れるダッチオーブンを一回り大きいものにしました。

ナマコ型に初挑戦しました。順番待ちでダレたのと、ダッチオーブンの容量が増えたせいかパン自体からのセルフスチームでは足りな気味のようでした。

雨の日のパンラボラトリー


小麦粉100、スペルト(由来)液種80、塩1、冷蔵庫オーバーナイト、2次発酵まできちんとしました。

オーブンの設定温度は250℃8分→200℃7分→余熱で数分、で満足のいく過去最高の焼き色がつきました。余熱を上手に使ってもう少しエコに出来るような気がしてます。

手ごねはようやくコツを掴んできて「グルテン」や「繋がり」等わかるようになってきました。

見た目はまあまあになりましたけど、肝心の味があまり美味しくありません。

原因は2つ、生小豆や生大豆なども混ざったまま製粉した試作用小麦粉に美味しくない癖味がある事、あと液種です。小麦粉はちゃんとしたものにすれば良いだけなのですが、液種がどうにも難航してます。


小麦粉100、らしき麦(由来)液種80、塩1、1次発酵途中(膨らみかけ)で焼成。

焼きたての賞味期限切れハーブピザできました。

2年前迄の農場体験時の調味料系の残りとオリーブオイル、チーズが賞味期限切れです。

ハプリカ、セージ、ローズマリー、タイム、マジックソルトに心あたりのある方いますか?

そこはどうでもよいのですが、スペルト由来酵母とらしき麦由来酵母では捏ねている時の触感が違うような気がしてなりません。具体的には同じ加水率でもスペルト由来酵母は生地がゆるいです。酵母なんて何由来だろうがたいして変わらないと思っていたのに、まさか触り心地が違うとは不思議です。勘違いかもしれませんのでもう少し試します。