カテゴリー: ノア(旧カムホ)

混播小麦ならではのいくつかの持ち味


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

ノアの持ち味の一つとして、多品種ならではの風味の多彩さは想像に易く皆さんご存じの通りです。

もう一つの持ち味として、熟期の差による風味への影響を考察してみます。

ノアに含まれる小麦品種の、おおよその熟期の差です。

ピッツア用 -5日
ホクシン -3日
きたほなみ 基準日
ゆめちから +2日
キタノカオリ +7日
スペルト +10日
エンマー +15日

冒頭の画像でも完熟しきって茶色から黒く変色してきてる穂(おそらくホクシン)、青みがかった穂(おそらくキタノカオリ)、背丈の高いスペルトはまだ青々してるのが確認できます。

全ての品種が完熟しきってからの収穫は、雨の多い地方での穂発芽リスクを考えるとまずありえません。

ではどこで妥協して収穫するのか?

現時点のノアはキタノカオリが美味しさの要として主役になっており、またキタノカオリは穂発芽耐性がもの凄く弱いため、おのずとキタノカオリ完熟期が収穫日の目安となります。

熟期に差がある混播小麦では、少し面白い事がおきます。

・完熟麦100%
・完熟麦90% 青麦(未熟麦)10%
・完熟麦80% 青麦(未熟麦)10% 微発芽麦10%

割合はおおよそです。天候次第によっては完熟麦、青麦、微発芽麦が混在する可能性があります。

何度も書いてますが、粒の状態でそのまま口にした時に、美味しいのは青麦、旨いのは発芽麦、味気ないのは完熟麦です。

登熟度合いの違う粒が混在することでの風味の奥深さなんかも、ノアの持ち味の一つとして考えられそうです。

※単一品種栽培では、青麦がある状態での収穫はまずしませんし、穂発芽は揃ってするので屑小麦として家畜の飼料になります。

※青麦収穫(高水分収穫)はコンバインでの脱穀時に粒が潰れてしまうため敬遠されますが、熟期の遅いスペルト、エンマーの粒は厚い殻に守られ、高水分収穫でも潰れません。殻付き小麦の面白い利点ですね。

シロザ(アカザ)難題が偶然に解決済みの圃場


ノアスプリング2020 #pirkaamam#bio#organic

ごく普通に春小麦を無農薬栽培すると、当然のようにシロザ(アカザ)難題が発生します。

青々とした雑草が小麦の登熟や収穫の妨げになる事は言うまでもありません。


ノアスプリング2020 #pirkaamam#bio#organic

こちらの圃場は随分と綺麗でシロザ(アカザ)など雑草類が見当たりません。これなら小麦の登熟や収穫がスムーズに進む事でしょう。

理由はわかりませんが、同じ管理なのに何故かシロザ(アカザ)難題が解決済みになってます。

シロザ(アカザ)などの雑草類が無い訳ではないようです。

地力の低いねんど質の土壌なので、雑草が大きくなれなかったのかもしれませんが、それなら肥料大好きの小麦はもっと小さくてもおかしくなく、雑草の背丈は低く小麦の草丈だけがそこそこ高いのが不思議に思います。

この草丈10cmくらいのモジャモジャしてて絨毯みたいな雑草(名前不明)が、何か影響しているような感じがします。この雑草はこの圃場には全面的にありますが、シロザ(アカザ)優勢の圃場には全くありません。

蒔くつもりのなかった春小麦で、たまたま種が余って蒔いた2つ目の圃場で、偶然に増えていた雑草(が理由かどうかはわかりませんが)で、こうした事がおこるんですね。

2~3圃式、緑肥活用無施肥有機栽培の可能性


イエローマスタード2020 #pirkaamam#bio#organic

小麦と同時播種した白クローバを後作緑肥として活用後のマスタードは、無施肥でも倒伏するほど生育が良いです。


ライ麦2020 #pirkaamam#bio#organic

マスタードを休閑緑肥として活用後のライ麦も生育旺盛で一部倒伏してます。

有肥料栽培から無肥料栽培へ切り替えた場合、残存している肥料分で数年は地力が持つのはわかります。でも、5年10年無施肥を続けてもこうした光景が見られるなら、天然供給や緑肥活用に大きな可能性を感じます。


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

ただ、一筋縄ではいかないのが現代小麦で、年々右肩下がりの底なしで生育が劣ってきてます。

今年の現代小麦(ノア7)、スペルト、ライ麦の生育の差を目の当たりにして、とある疑問を持つようになりました。


スペルト2020 #pirkaamam#bio#organic

現代小麦の生育が著しく劣る地力の低い石の多い圃場ですが、スペルトはそこそこの生育をしてます。

多肥で増収するべく倒伏しにくい短稈に育種を重ねてきた現代小麦と、野生の原種に近い古代小麦(スペルト)とでは、根の養分吸収能力に違いがあるのではないか?

仮にそうだとすると、多肥前提で育種されてきた現代小麦を自然栽培するのは、そもそも間違いではないのか?

スペルトや特にライ麦を見て、その思いはとても強くなってきてます。

現代小麦は(自然栽培では)生育が悪いだけではなく、短稈、根はりも含め次の世代への植物性残渣も少なく、結果地力の減少に拍車をかけているような気にさえなってます。※白クローバが補ってます。

無農薬秋小麦でのオオスズメノカタビラ対策が非常に難しいです


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

多品種混播では早生品種も晩生品種も含まれており、収穫は熟期の遅い品種に合わせて行うため、おのずとオオスズメノカタビラもしっかりと登熟して圃場に多くの種を落とします。

※オオスズメノカタビラは、ホクシン収穫時には登熟しておらず、一週間後のキタノカオリ収穫時にはしっかりと登熟してます。ノアにはホクシン、キタノカオリ共に含まれています。


オオスズメノカタビラ(ノア7) #pirkaamam#bio#organic

熟期の遅い品種(主にキタノカオリ)、無除草剤栽培での、手取り除草が困難なオオスズメノカタビラ問題を根本的に解決する事は難しく、輪作などで問題を先延ばしにしてきましたが、この圃場でのノア栽培はもう限界のようです。

高価なプレミアム米糠は小麦の増収に全くと言っていいほど役に立たなかったようですが、オオスズメノカタビラが喜んで吸ってくれているようです。多額の授業料だけにとても勉強になりました。


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

早い品種は粒が小麦色に色づき始めてます。

収穫まであと2週間ちょっとの予定です。

ありがとうブタナ、フォーエバーブタナ


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

ブタナはたんぽぽの綿毛のような種で、距離などお構いなしに風に乗って飛んできます。

ブタナを見つけたら手取り除草、3日後に遅れて咲いたブタナを手取り除草、3日後にまた咲いているブタナの黄色い花が目立つので手取り除草。

より良い未来を見据え、畑で種を落とさないように何年も何年も努力を重ね続けましたが年々増えるブタナ、理由は単純にどこか近隣の野原で年々増殖してるブタナの綿毛が飛んで来てるのです。畑全面にまんべんなくブタナがあるので間違いないと思います。

ある晴れた日(最後にブタナを手取り除草した日)、汗をかきながらブタナを取っていると、何やら白い雪のようなものが畑一面に降り注いでいる光景を目の当たりにしました。

それはもう幻想的で美しい光景でした。何だろうと手に取ってみると綿毛の先に小さな種がついたものでした。

立ち尽くし辺りを見回し、過去が走馬灯のように思い返され、ブタナの手取り除草はもういいからやめなさいと、優しく諭されたような気がしました。

シロザが猛烈に増殖してしまう難題を抱える無農薬春小麦


ノアスプリング2020 #pirkaamam#bio#organic

ようやく出穂して開花直前の春小麦。秋小麦と比べてかなり遅く、収穫もその分遅れます。


ノアスプリング2020 #pirkaamam#bio#organic

小麦かシロザか、もはやどちらを栽培しているのかわからない状態。

シロザが少なかった圃場なのですが、それでも凄いシロザの数です。これが千~万倍に増えると思うと末恐ろしいです。

本来シロザの開花はもっと遅いのですが、小麦の開花に合わせてシロザも開花しようとしてます。恐るべしシロザAI。

やっぱり無農薬春小麦は無理があるようで、今期限りのノアスプリングになりそうです。


休閑緑肥マスタード2020 #pirkaamam#bio#organic

条になって見えるのが蒔いた緑肥、その他の緑はほぼ全てが猛烈に増殖したシロザ(アカザ)。

足跡はよく見るけど、姿は滅多に見ないエゾシカ。

小麦の開花期を迎えています


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

白っぽい穂のホクシンぽいのから順次開花しているようで、緑っぽいの穂のキタノカオリぽいのの開花はまだこれからのようです。

芒(のぎ)のある大きめの穂がユメチカラぽくて、小さめの穂がピザ用ぽいです。

キタホナミやツルキチもいるはずなのですが、どれがどれだかよくわかりません。


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

古代スペルト小麦も何系統かあるようですが、どれがどれだかもうわかりません。

スペルトの中でも早く出穂した株の開花がちらほらと見られます。

全般的に、割合が低いはずのホクシンぽい穂が多く見えて、割合を増やしたはずのスペルトが少なく見えるのが今のところは不思議です。

沢山の雑草と共生できる小麦は本当に素晴らしいです


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

小麦は大豆のように雨の合間に気をすり減らしてのカルチ(機械除草)作業など、雑草を全て排除しなくても、最大収量さえ望まなければ収穫も問題なく出来るのがいいです。

ダイオウとシバムギさえ克服すれば良いのですから。いやもっとありますね、イヌカミツレとハルザキヤマガラシとマツヨイセンノウとブタナとヤエムグラとオオスズメノカタビラもです。

それ以外の難点は山ほどありますが、栽培に関しては好きな方です。


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

※ゴールドのpirkaamamは植物由来の金肥を使ったプレミアムオーガニック、スカイブルーのpirkaamamは休閑緑肥など地力自然回復のナチュラルオーガニック(自然栽培+)、動物由来の厩肥を使ったオーガニック(有機栽培)はJAS有機に合わせてグリーンのpirkaamamと色での表現を試してます。

この畑には植物由来の金肥(米糠)を追肥しましたけど、その効果があったようにはとても見えません。増収をもくろみお金と労力を使い効果のなかった悲しい失敗例です。元肥ならもう少し効果はあったと思います。

「秋まき」と「春まき」の差


ライ麦(アメリカ)2020 #natural#organic#pirkaamam

こちらは「秋まき」したライ麦。

ライ麦と小麦の比較ですが、何となくおわかりになるかと思います。


ノアスプリング2020 #natural#organic#pirkaamam

こちらは「春まき」した小麦。

現時点でこれだけの生育差があり、収穫は同時期(7月末~8月頭)です。

これで収穫量に差が出ないはずがなくて、高収益を目指すなら単価の安い小麦をあえて「春まき」する理由はありません。小麦を「春まき」するなら同じく「春まき」出来るより単価の高い他の品目(小麦より安いものを探すのが難しいくらいですが)を栽培しようと普通は考えますし、それが正常な経済観念だと思います。

20m以内に近づかせてくれない野うさぎ達


ノアスプリング2020 #natural#organic#pirkaamam

気付かれてはいるのですが、安心な人なんだよと心で話しかけてみたり、気配を消そうとしたり、そんな煩悩を察知されているのか、単に目に見える姿の問題なのか、野うさぎなりのソーシャルディスタンスがあるらしく、一定の距離内に入ると逃げてしまいます。

猫達とは毎日3密すぎるくらいなのですが、野うさぎと密になるのはなかなか難しいです。何か良い案はないでしょうか?チュールでいけますかね?