カテゴリー: pirkaamam lab

パンは一日にして成らず


フスマリキッドの浮いたフスマを種にして継いだ新たなフスマリキッドが、2日経っても音沙汰(発泡)がなくて、がっかり意気消沈しておりました。

酵母がわかったような気になって、いっぱしなパンに手が届いたような思い上がりがあったのかもしれません。

身の程を知り、日々の糧として水で捏ねただけの小麦団子を丸めて茹でたり、丸めてつぶして焼く所からまた地に足をつけて歩み直します。


数日はいい感じのぺっちゃらこい「小麦粉を水で捏ねたもの」をしみじみと食べていたのですが、作り置きを継いで3日以上過ぎたある朝に底の方がこうなっちゃってました。


いつものように小さく丸めて、火の通りやすいように平たくして焼いていると、いつもより膨らみが大きいように思いました。


気泡があってちょっとしたパンのようになってます。

膨らむようになると僅かながら酸味も出てくるようで、その酸味が後にしつこく残るようだと、あまり良い感じがしません。


またいつものように継ぐと発酵のスピードが早くなってるだろうし、夜中に酸っぱくなるのが不安で、とりあえず乾きぎみのそぼろ状にしておきました。

なかなか難しいですね。

フスマドウで垣間見る生命(酵母)の神秘


ロード2回目2日目のフスマドゥ。

酵母はこれと言った特徴的な匂いが感じられなくて、乳酸菌のような匂いでの識別がとても難しく感じます。

それで目にみえる気泡を頼りにするのですが、通気性の良いフスマデュールだといまいちわかりにくいです。


一応セーブは機能しているようだけど出来れば3回目のロードは避けたい。

それでどうしようかぼーっと考えていたら、過去の経験と繋がって思いついたのがこの方法です。水を少し上澄むくらいに足してフスマリキッドにしました。


よっしゃ!もの凄く動的になってわかりやすくなりました。

自力で動けない酵母はこうやって空気のある所へ移動するんだと思うと感慨深く、まるで生命の神秘を見ているようでした。


酵母の倍加時間は90~120分くらいだそうです。

そんなことを念頭に置きながら、液体部の上昇下降の動きが大人しくなった頃に、またセーブしておきました。小刻みなセーブが結果的に攻略を早めるはずです。

フスマドゥの味はピリピリとした炭酸味?を舌に強く感じるものの、後味的な酸味はなかったです。悪質と思われる腐味腐臭はありませんでした。

2日目のまだ順調なうちにフリーズドライしました


2日目の午後、まだ匂いや味に変化はないですが、気泡が僅かに発生してます。

過去の経験では3日目からだいたい祭りに突入するのと、失敗したらまた初日から3日かけてやり直すのが嫌だなあ、と思っていたらいい案が閃きました。


まだ失敗してない良い感じの時に、次の選択肢で成功するか失敗するかの直前でセーブしておけば、失敗しても直前の状態をロードして時短になります。

と言う仮説に基づいて、フスマを足してそぼろ状ドライにしました。


倉庫内は夜間マイナス気温になるので、一晩で勝手にフリーズドライになるでしょう。

これでいつでも何度でも2日目から再開可能になりました。

ちょっと多すぎるくらいですけど。

酵母を仕込むなら晴れの日の午前中(持論)


第一日目、ビンにフスマと水を入れて、混ぜて蓋をゆるく閉めて、暖かい明るい場所に置きました。

自然界で野生の酵母は、果実や樹液、花蜜などに好んで生息しているようですので、似たような環境にするためです。

日が沈む頃、暗くて涼しい冷蔵庫に場所を移しました。

持論の理由:らしき麦粉粥(+麦芽)を、暖かい明るい場所に置いたら酵母が優勢に、暗い涼しい場所に置いたら乳酸菌が優勢になり、その後多少環境が変わっても初期の優勢菌がそのまま勢力を保つ、少し前にたまたま居合わせた実体験に基づいてます。

そんな事をしなくても酵母起こしは一般的な方法で充分に上手くいくでしょうけど、ようやく酵母まで進んで第一日目と言うことで、まあ儀式的なものですね。

冷蔵庫に入れたのは、夜中にわしょーい!ぺちゃん!しーん。て万が一にもならないようにです。

らしき麦天然(野生)乳酸菌ヨーグルトがついに完成しました


種継48時間後、まごうことなきヨーグルトの匂いです。

味は酸味が少し弱いもののちゃんと甘酸っぱいヨーグルトになってました。心配していた雑臭、雑味が全くなかったため全て完食して、その後のお腹の調子も大丈夫でした。スクリーニングって凄い効果的なんですね。

とにかく甘いのと、らしき麦独特の(あまり好ましくない)後味が消えていたのが印象的でした。

もう少し熟成させれば良かったのかもしれませんが、薪が尽きて来ているのと次に進みたいのとで、試したい事はまだまだあったんですけど、とりあえずこれで良しとします。


無数にいる雑菌の中から乳酸菌を優先的に増殖させる方法、方法と言うかある程度原理的なことがわかれば、応用するなり、より深く理解するなり、また機会があれば出来るのかなと思います。

自然界で野生でどういった場所や条件を好むのか、乳酸菌に感情移入するほど没頭したのが良かったのか、たまたま偶然だったのか、最初は無理かなと思ったんですけど、何はともあれヨーグルトが完成して良かったです。

これでようやく細菌 → 酵母へ進めます。まだまだ先は長いです。

そうそう、忘れないように手順を書いておきます。

①らしき麦胚乳粥を作る → ②人肌程度に冷めてからスペルト麦芽を加える → ③暗くて涼しい場所で蓋をして嫌気状態にする → 約3~4日 → 乳酸菌(ヨーグルト)の匂いが優勢になったらスクリーニングして新しい①に加える → ③ → 約2日 → ヨーグルト(乳酸菌)の匂いになったら完成

↓ 以下ボツ集です。

大発見かと思った棲み分け層説を本腰いれて試験してる様子。


あっと言う間に噴出が収まっていた事後、全て同上。


混ぜても混ぜてもいつまでも大人しい高加水理論上全粒粉床、ぬか床の失敗(腐敗)とはこの臭いの事だろうと確信できるような臭いになる。

大発見だと思ったけど勘違いだった酸っぱい日


フスマ酵母、発泡が止まってからもその後どうなるのか気になって、さらに2~3日放置したものです。

発泡時に勢いづいて浮き上がったフスマですが、結局は元の位置に落ち着きました。

綺麗な層になっているのを見て、もしかしたら微生物の棲み分けも出来ているのではないかと閃きました。

│偏性好気性菌│(酢酸菌、カビ)
│通性嫌気性菌│(好気性な酵母)
│通性嫌気性菌│(嫌気性な乳酸菌)
│偏性嫌気性菌│(ビフィズス菌)

みたいに。通性嫌気性菌の中でも好気性の酵母は上に、嫌気性の乳酸菌は下にいるのではないかと。

出来ればスポイトで各層を抽出して匂いを嗅げれば良かったのですが、わざわざ買いに行くのも面倒なので、たまたまあったストローカムイで代用する事にしました。

万が一のために水とバケツを用意して、ストローの途中で吸引を止め取り出してからじっくり観察する予定が上手くいかず、結局たっぷりと口に含む方式になりました。

茶色:強烈な酸味、何酸かはさっぱりわかりません。ヨーグルトではなかったです。
薄茶色:同上
白色:フルーティな錯覚が一瞬あったように思いましたが、同上。
フスマ色:同上
最下層:同上
(ブンブンペコペコ:同上)

一応念のために2順しましたが、おそらく早い段階で舌がやられてて、もし微妙な風味の違いがあったとしても気づく事は出来なかったように思います。※飲み込まずバケツに吐き出して口を水ですすいでます。


らしき麦ヨーグルト、まあまあのヨーグルト味ですけど、怪しい雑味が潜んでるので、飲み込む事は出来ません。

あまり放置しすぎると危険と思いヨーグルトの匂いが優勢なうちに、スクリーニングして新しいらしき麦粥に種継ぎしておきました。

ヨーグルトに片手が届きました


ノア8 Misch #pirkaamam#bio#organic

日中プラス気温の日が増えて、冬の終わりを感じます。


(右)らしき麦 水溶きゆるめ 湯煎蒸し(30分) 麦芽種 16~18℃ 蓋とじる→蓋ゆるめ 4日後

らしき麦の方は、混じり気はあるものの意外や意外にヨーグルトの匂いが優勢になってました。

左端のフスマの方は発泡が止まり、匂いは香ばしい芳香のまま変わりません。

ほぼ同条件なのにフスマと胚乳(らしき麦)の違いで匂いが分かれた事から、乳酸菌、酵母の性質の違いが少し実感できました。

フスマと胚乳(らしき麦)の違いは、通気性とデンプン量(糖分も)でしょうけど、おそらく通気性が強く影響したように思われます。

乳酸菌を優先的に増やすなら、空気持ちの良いフスマは不向きで、あまり掻き混ぜずに嫌気状態を保った方が良さそうだとわかりました。持ち歩いてブンブンペコペコなど言語道断でした。

酵母を優先する方法も何となくわかりましたけど、とりあえず今回は乳酸菌に集中します。

どうやら酵母と乳酸菌がいるっぽいです


(←)フスマと水、(→)らしき麦湯煎蒸し30分とスペルト麦芽と水

フスマ(3日後):蓋をきつく締めても発泡により液漏れして、沈んでたフスマが浮き上がりました。香ばしい芳香。酸味がかなり強いです。

らしき麦(2日後):発泡が始まってきました。ほのかに香ばしい芳香。酸味はよくよく探すとあるかなと言う程度、まだ甘味の方が強い。

この後、発泡発酵系に広口ビンは不向きと感じ、中身をペットボトルに移し替えました。

フスマとらしき麦の発泡臭が全く同じ系だったのが印象的でした。

発泡があったので酵母が、酸っぱくなったので乳酸菌(酢酸菌?)が、いると実感できて今回の目的は果たされました。常温で良かったみたいです。


フスマと水で新たにペットボトルに仕込みなおしたものです。

どうやら野生では酵母と乳酸菌は共生して一緒にいる場合が多いらしく、素人では分離は出来なさそうなので、とりあえず酵母と乳酸菌を一緒に増殖させようと思います。

伝統的なビンで天然(野生)酵母と天然(野生)乳酸菌を一緒に増殖させる方法は先のものを継続するとして、ずっと好気状態を保つとどうなるのかを試したいと思います。

容器内が嫌気状態になり酵母がアルコールを生成しないよう、常に好気状態を保つため、持ち歩いてブンブンペコペコと曝気換気し続けるのにペットボトルがずいぶんと便利です。

これで3日後に炭酸が出て酸味が出て、そして芳香になるのでしょうか?それとも?

もう面倒なのでまとめて進めようと思います


その他小麦試験区2021 #pirkaamam#bio#organic

毎日底から掻き混ぜるのが(ぎゅぎゅっと押してるので固くて)大変なのと、その都度手から腕まで野外の冷水で洗うのが苦行なので、未練なくフスマ床を畑にぶちまけました。

ついでにご無沙汰していた小麦畑の2月の様子です。


で、作り直します。

糖蜜を入れる理由は、本来なら小麦粉で試験したいが小麦粉を使うのは勿体なくてピーリングフスマで代用している、そのため欠如している胚乳(デンプン)をいっそのこと糖で補う、です。

あと、たまたま目の前にあったからです(処分に困っていたとも言う)。


胚乳は糖蜜に替えさせていただきましたので、続いて外皮を投入します。

これで理論上は小麦粉全粒粉と同等のはずです。アミラーゼは省略できますね。アミロース?よくわからなくなってきました。


右左に棒で円を描くようにグルグルよく掻き混ぜました、柔らかいと楽でいいですね。

これでバイオダイナミック的にかなりのパワーエネルギーが注込されたはずです。

美味しそうな甘い小麦の匂いですけど、水以外は容器から何から一癖あって、とても口にする気にはなれません。

なんか色を見てると、数年前のペットボトル醤油作りを思い出しました。あの時参加した方々のは一年後に上手く美味しく出来たのでしょうか?

あれこれ考えつつ、いつまでも掻き混ぜ続けてもしょうがないので、蓋をして猫のお家(常温)に置いておきました。

狙いとしては、乳酸菌(酸っぱくなって)、パン酵母(アルコールになって)、酢酸菌(酢になるまで)を一気にまとめて進める予定です。

約20年前の糖蜜があったのでフスマ床を試しました


目の前にたまたまあった約20年前の糖蜜カムイ。

有機転換期にEM菌培養に使っていたものです。EMボカシやEM拡大培養散布液から始まり、カニ殻やトウガラシを入れたり、石灰やリン酸、カリウムなど無機質をキレート化したり、光合成細菌とか葉っぱにいる野生菌を培養したり、曝気(エアレーション)したり、懐かしい思い出が蘇りました。

きっとあっ!て思った時があったんでしょうね、そんなものは必要ない事に気づいて、大量の糖蜜がいきなりいらなくなって、そのまま今まで倉庫の片隅に眠ってました。


糖度が高いと逆に菌類は繁殖できないらしくて、中身は腐敗せずに当時のまま?でした。

左はピーリング時のフスマカムイです。

右は糖蜜カムイをお湯で溶いたものです。まさか使える日が来るとは。


よく混ぜて、糠床がどんなものか知りませんけど、想像とネットの見よう見まねでフスマ床を作りました。

目的は乳酸菌なので嫌気状態にするために、ぎゅぎゅっと押し込みました。


糠床は毎日底から搔き混ぜる必要があるようなのですが、仕込み時に混ぜるのが結構大変だったのと、混ぜる理由がよくわかってなかったので、猫のお家の常温(17~20℃)で3日放置したら表面に白カビが生えました。

乳酸菌を増やすなら嫌気状態を保てば良い訳で、底から搔き混ぜて空気(酸素)を送り込む理由がわかりませんでしたが、毎夜スマホで菌を学びに学んで、カビを生やした今ならしっかりと理解できます。

なんて素晴らしいタイミングでのツイート、ありがとうございます。


酵素(1~10nm) < ウイルス(約20~300nm) < 細菌(約1~5μm) < 酵母(約3~5μm) < カビ(約2~10μm) < 動植物

原核生物とか真核生物とか、球菌とか桿菌とか、グラム染色とか、好気性とか嫌気性とか、通性とか偏性とか、普通に生きていれば知らなくても不自由しない知識なんでしょうけど、天然(野生)自家培養酵母(菌)を扱うなら、ちゃんと学んだ方が良いと今なら思います。

カビは偏性好気性なので、糠床でカビを抑制するには、日に1度は掻き混ぜて空気に触れている表層を内側に持っていくと良いのですね。

ちなみにネット検索すると「酢酸菌」は嫌気性と間違って書いているのをよく見かけますけど、偏性好気性菌だと文部科学省がはっきり申しております。

カビや酢酸菌は偏性好気性菌(絶対好気性菌とも言う)に属し、生育のための酸素分圧条件は大気中と同じかそれ以上必要である。 言い換えると空気が無いと生育できない。 したがって除酸素や窒素置換した環境では全く増殖できない。

引用:文部科学省