この奇跡を解説しようと思ってましたが、どうも上手く言葉に出来ないような気がします。
ノアが生まれた経緯も、今に至るまで、k村さんが初めて小麦畑に来てくれて、小麦の中を歩いている姿が、昨日の事のように鮮明に目に浮かびます。
短いようで長い月日の中、お店が今の形になるまでに、きっと努力されてきたんだと思います。
とりとめのない想いが湧き出てくる、不思議な気持ちになるシュトレンです。
この奇跡を解説しようと思ってましたが、どうも上手く言葉に出来ないような気がします。
ノアが生まれた経緯も、今に至るまで、k村さんが初めて小麦畑に来てくれて、小麦の中を歩いている姿が、昨日の事のように鮮明に目に浮かびます。
短いようで長い月日の中、お店が今の形になるまでに、きっと努力されてきたんだと思います。
とりとめのない想いが湧き出てくる、不思議な気持ちになるシュトレンです。
オーガニックシュトレン、ノアR-100%
クリスマスまであと僅かとなりました。
近年のシュトレン人気には目を見張るものがあり、食べ比べの記事もちらほらと目にします。
もちろんお店によって味の違いはあるでしょうが、それらを飛び越えて別の代物になっている、そんなシュトレンを知ってますか?
凄く貴重なこのお店の近隣にお住まいの方は、本当に幸運だと思います。
以後は少し前に 慣行小麦を有機小麦へ転換する生産者がまったく増えない理由 で書いた内容の続きになります。
自然栽培の小麦において、あまり試算したくないと言うか、あえて目を背けていたと言うか、でもいつまでも胸の内に留めても仕方ないですもんね。
有機栽培は有機質肥料を使用して栽培するオーガニックな農法です。
自然栽培は無肥料で栽培するオーガニックな農法です。
同じオーガニックでも、肥料を使う使わないの違いは、もの凄く大きくて、こと「肥で育つ」と云われる小麦では、その違いは甚大なものになります。
前回、有機小麦は慣行小麦の約7割の収穫量で試算しています。
自然栽培小麦は、慣行小麦の約1割から多くても約5割、自然栽培での収穫量はバラツキが大きくて一概に言えませんが、経験則から反収3俵として試算を進めます。
前回のテンプレートがあるので、有機小麦を自然栽培小麦に置き換えます。
自然栽培小麦で10アールあたり約100,000円の生産者手取りにするには、1俵あたり約33,333円。
自然栽培小麦は等級やランクが下がる傾向にあるので、交付金は6,000(中力)~8,000(強力)円で計算すると、品代は1俵あたり27,333円。
自然栽培小麦は強力品種の減収が大きいため、強力小麦は品代での調整が必要。
リスクを考慮して試算に加えます。
33,333×1.2-6,000=33,999で品代が約34,000円。
適正?と思われる、品代の一覧。
慣行小麦 3,000円(キロ50円)
有機小麦 12,000円(キロ200円)
自然栽培(無肥料)小麦 34,000円(キロ566円)
消費税はもちろん別途です。そして交付金ありきの価格です。
自分自身あまり見たくない数字なのですが、ノアは交付金対象にならないので、33,333×1.2の39,999円で約40,000円が採算ラインになります。
ノア 40,000円(キロ666円)
もちろん、この価格では誰も使わないでしょうから、好きでやってることもあり、それなりの価格で卸させていただいてます。
米の減反政策がなくなるようで、転作奨励金ありきの有機小麦は姿を消す可能性もあり、ますます国産有機小麦は希少になるかもしれません。
ましてや自然栽培小麦なんてもっての他なのは、上記試算でおわかりかと思います。
それでも(儲からなくても)いいと栽培する人が、いなくなることはないでしょうけど、「自然栽培小麦とは何か」を少しでも知って考えていただけると、身を削っておられる方々も少しは報われるのかなと思います。
国産有機小麦のノア-i6083を100%使用、添加物一切なしの自然な食材のみ、ベーキングパウダーも不使用。
「小麦粉おいくらですか?」「キロ500円ですよ」「うわー安い!」と言ってくれたのは後にも先にもこの方だけです・・・。
さて、本題に移ります。
まずは以前書いた内容の復習です。
慣行小麦は10アールあたり約100,000円の生産者手取りが一般的である。
慣行小麦は10アールあたり約8~12俵の収穫量、一般的な値として約10俵とする。
生産者手取りの内訳は、1俵あたり品代3000円+交付金6,500(中力)~8,500(強力)円の合計9,500(中力)~11,500(強力)円。
強力の交付金単価が高いのは、強力品種は同じ管理でも収穫量が低いからです。
10アールあたり約100,000円になるように、上手く交付金で調整されています。
これが有機小麦だと試算はどうなるでしょうか?
有機小麦の10アールあたり収穫量は慣行小麦の7割と言われており、一般的な値として約7俵の収穫量とする。
有機小麦で10アールあたり約100,000円の生産者手取りにするには、1俵あたり約14,285円。
有機小麦は等級やランクが下がる傾向にあるので、交付金は6,000(中力)~8,000(強力)円で計算すると、品代は1俵あたり8,285円。
有機小麦は強力品種の減収が大きいため、強力小麦は品代での調整が必要。
机上の計算では1俵あたり品代8,285円が適当であるかのように見えます。
見えますが、このままでは有機のリスクや心労・労力の増加分、経費の増加分はまったく考慮されていないので、適正な価格とは言いかねます。
では、慣行から有機転換してもいいかな?と思える適正な価格はと言うと、リスクを考慮して最低でも2割増し位ないと誰も相手してくれないと思いますので、14,285×1.2-6,000=11,142で品代が約12,000円ですね。
結局農業も経済行為ですので、適正もしくは儲かるならするし、適正に及ばないのであれば誰もしないのは、ある意味当然な訳です。
現状で品代12,000円支払いますという買い手は皆無なので、生産者もまったく増えないんですね。
ちなみに、ここでの有機小麦とは、厩肥多用の文字通りの有機小麦です。
ちなみに、上記品代は何トンでもあるだけ買いますの価格で、一般的に小売される場合は、再選別や製粉・小分け、問屋を通して倍以上の価格になるのが普通です。
Off-grid Cafe PHYSICALさんの季節の酵母のシュトレン
シュトレン以降のパンやお菓子やケーキ類には、ピリカアマムの小麦粉(春よ恋もしくはノア)が使われているとお聞きしました。
フィジカルさんのインスタを見ていると、ずいぶんとお洒落な店内で、オーガニックやビーガンも遂にここまできたのかと感じます。
これからの冬の季節、札幌に旅行で行かれる方も多いかと思います。是非一番おすすめの癒しのカフェに足を運んでみてください。
ノア100%使用のカンパーニュ
去年のこの頃にノアの畑を見に来てくれたH谷さんから、家庭で焼かれたカンパーニュの写真を送っていただきました。
「ノアの味がおいしい!」「ノアは真の自然栽培のかたちだね」との感想をいただき嬉しく思うと共に、混蒔小麦に対しての素朴な「自然なかたち」という表現にふと考え込んでしまいました。※ノアは多品種混蒔の小麦です。
ここで小麦の交付金制度を簡単に説明します。
「要するに」まで読み飛ばしても大丈夫です。
小麦の原料(粒)製品価格は北海道産小麦の気になる人気銘柄は?にあるように、キロ50円程度です。
小麦生産の現場では1俵(ひょう)60kg単位で表しますので、生産者の手取りは1俵3,000円です。
小麦の慣行農法では1反(たん/10アール)あたり100,000円の手取りを目安にしていて、周りの生産者さんの反応を見ていても、こう言ってはなんですが、率直に言って活かさず殺さずの適正?な価格かなと感じます。
豊作と不作の増減収、1反での±10,000~30,000円の差は大きくて、10町(ちょう/1ヘクタール/10反)ともなると、百万円~三百万円になり、日本の平均賃金に多くは満たない農業の分野では、豊作と不作では年末のムードがまるで変わります。
先の品代1俵3,000円では慣行農法の平均反収(反あたり収穫量)8~10俵でも反あたりの手取り24,000~30,000円となり、これでは国産小麦を誰も生産しないので、その不足分を経営安定交付金として国が補填し約100,000円の手取りになるようにしています。※補填の財源は血税ではなくマークアップです。
しかし、交付金が支払われる条件があって、国の定める規格での穀物検査を受け、2等Dランク以上でなくてはなりません。それ以下は規格外となり支払われません。
小麦の穀物検査は、目視(見た目)によるものと成分検査による2本建ての検査です。
一気に詳しく書いても飽きるでしょうから、あとは省きながら書きます。
興味があればおいおい詳しくなっていただければと思います。
要するに、ノアのような混蒔小麦は成分はしっかりしていたとしても、混ざっていると言う理由で見た目(目に見えない○○○はOK)で規格外になるので、農政上では「ちゃんとしてないから交付金は支払いません」となる訳で、交付金がないと、かなり厳しいのは前述の通りです。
「自然なかたち」や正しいことってなんだろう?と、少しでもみなさんに意識にしてもらえると幸いです。
ノア2018.bio
一回は解けるかなと思ってましたけど、追加の雪が降ってこの寒さなので、どうやら根雪になりそうです。
と言う訳で、この畑やノア達とは春までしばらくお別れとなります。
それにしても少し早い根雪です。夏、秋と例年より涼しかった流れから、今年の冬はより寒くなるのでしょうか。
ことわざに「厳冬はコメ豊作」「厳冬に凶作なし」があって、冬が冬らしいと夏も夏らしく暖かくなり、次の作が良くなるらしいです。
冬が寒すぎるのは正直言って嫌ですけど、次作を考えて悪くもないと思ってる。そんな複雑な気持ちと言うか、人間はわがままですね。
どっちだったかな~、こっちがノアのような、いや、きたほなみだったかな。
どちらかが ノア100% のブリオッシュで、どちらかが きたほなみ100% のブリオッシュです。思い出せなくてごめんなさい。
卵不使用でバターと砂糖が控えめなので、ブリオッシュのブリオなのです。
どちらの粉もナチュラルなオーガニック小麦が原料なので、癖もなくピュアな風味で甲乙つけられない感じでした。
自家培養酵母でのブリオは、柔らかくて癖も食べたときの酸味も後味の酸味もなく食べやすいもので、一昔前の天然酵母パンの固い酸っぱいイメージは完全に払拭されています。
今までたくさんの努力をされたと思うと、胸にしみるものがあります。
もう、どちらが美味しいとか考えただけでバチがあたりそうなので考えないようにしました。ありがとうございますだけです。
目新しさではノアかもしれませんが、美味しさではどちらも天下一品なので、お好みというか、滅多にこういったパンはないので、手にできるだけ幸運だと思います。
加えると加えるほど良くなっていくノアの無限の可能性が凄いです。
小麦粉って不思議ですね。
聞いたところによると、世界のバケットコンクールを総なめしている粉は、かなりの多品種ブレンドだそうです。
日本の品種はモチモチしてるのが多いので、これらをブレンドしてもしても、おそらく世界では通用しないのかもしれませんが、ブレンドの感性を養っていくのは無駄にはならないと思います。
農産物としては採算の悪い小麦ですけど、世界が相手なので夢は一番膨らみます。
これも一重に使っていただける職人さんあってのことだと感謝しています。
小麦栽培が本当に見違えるほど、楽しくなりました。
いつもありがとうございます。
来年の収穫までにノアが無くなってしまうのは困るので悩んでいたのですが、答えは身近なところにありました。
その他にもノアには多くの問題が見えてきて、このままでは継続は難しいのかなと考えています。
源泉としてのノアを絶やさず継続するために皆さんのご理解を得られると幸いです。
内容としては、秋小麦の混蒔小麦としてのノアに春小麦を加えて、いくつかの問題を解決するものです。
まだ試行段階ですし、構想が大きくなってしまっていて説明するととても長くなるので、詳細は少しずつこちらに書いていけたらと思います。
type:R(ainbow)の意味は秋小麦と春小麦を繋ぐ虹のアーチをイメージしています。とりあえず(仮)ですけど。
急遽このような事態となり誠に申し訳ございません。
事前にご予約をいただいた方で、どうしても必要な方は早めにご相談ください。
これを機に一歩前に進み、いくつかの問題をクリアできるかもしれない新タイプの品を前倒しで投入する予定です。
どうぞ今しばらくお待ち願います。