カテゴリー: 小麦

ベルトコンベアを使った小麦粒の目視と手選別


「天然発芽小麦 有機キタノカオリ 磨き20%タイプ」の目視と手選別

速度可変のミニコンベアを使って目視&手選別をしています。
小麦粒で出荷するものも、製粉前の原料小麦も同じく目視&手選別しています。

常に自分や家族が食べること挽くことを念頭において、著しく見栄えの悪い粒や異物がないか確認しています。

この作業は結構大変で時間がかかり、今の小麦の価格と将来の出荷量を考えると難題が多いですが、しなくてはならない作業だと思うので行なっています。

こうして色々やってみると小麦は小麦粉として流通した方が、何かと都合がよい理由がよくわかりますし、なるべくしてそうなっていることもよくわかります。

ミルパワージャパン至高製粉の天然熟成キタノカオリが遂に登場!


ミルパワージャパンさんで製粉した天然熟成キタノカオリが50%使われています

ミルパワージャパン、創麦師とはより

外皮6層の内側3層のみを残すピーリング技術。1臼で1時間に2kgしか挽かない低速セッティング(製粉時の熱で小麦の香りが失われないため)。
小麦の品種、その年の生育状況を見極め6台ある石臼の個性に合わせ製粉するこだわり。

国内最高級というか、世界最高級と言っても過言ではない、小麦の製粉にそこまで?!と心配になるほど手間隙、愛情のかけ方が凄いです。

うちのキタノカオリも採算度外視が甚だしいのですが、ミルパワーさんの製粉方法はそれに輪をかけて上回っているようなんですけど、大丈夫なんでしょうか?

色々な意味で、なんだそれは?の粉でカンパーニュを焼いてくれました、ありがとうございます。

内情を知ると、現時点でこのカンパーニュの右に出るものはないと思いますが、かといって何があるわけでもないので、自己満足がすごく楽しい今日この頃です。

想いが重なるパワースポット


手前カムホ2017、奥側ホクシン2017

厳寒期を越えて暖かくなってきている日々この頃です。

畑とはぁ~ 土にあらず 心の架け橋ぃ~

5、6、8で字足らず余りですけど、まあいいです。

畑をモノとして見ることは元々ないのですが、なんとなく。


カムホ2017の発掘

カムホにぃ~ 想い重なる また一つぅ~

パワースポット化している畑に~化しているカムホ、パン小麦の域を越えてきた感があります。

発芽小麦もカンパーニュも実は凄かった件について


自然栽培の自然発芽小麦が使われているまさかのカンパーニュ

思い込みとは恐ろしいですね、発芽小麦は屑扱いされてますので、てっきりそうだと思い込んでました。

でも調べてみると結構いいことや凄いこと書いてありますよ。
何これ?知らなかっただけ?なんですね。

小麦は主に胚乳(白い粉になる部分)を人は好んで食べるわけですけど、小麦にとっては発芽前に母乳にあたる大切な部分を食べられたら困るわけです。

食べられたら困る部分をわざわざ美味しく・健康によい状態にしておくはずがないですよね。野生動物のいる中、そんなことしたらすぐに絶滅してしまいます。

でも、発芽後はどうかというと乳飲み子(麦の芽)がすくすく育つように、胚乳はここで初めて美味しく・健康によい状態に変質するのではないでしょうか。

そう考えると人が小麦粉を発酵させ変質させる術は、自然のそれを模倣しているようにも思えます。

推測はさておき、実際小麦の粒を休眠状態、発芽初期、発芽後期で口にすると、休眠状態ではどの品種も大差なく味気がないのですけど、発芽後には甘みがあったり旨みがあったり間違いなく美味しくなっています。これは理屈ではなく実際口にするとすぐわかることです。

まさかのカンパーニュはまさか日本でここだけじゃないと思いますけど、おそらくお客さんも作っている当の本人も立派なパンにする技術を含めその凄さに気付いてないような気がします。

自然栽培小麦にみる病気の本質2


スイスBDスペルツ畑、1月中旬から2月上旬は冬期間でも一番の冷え込みとなります

自然栽培小麦にみる病気の本質1の続きです。

シ「~ この樹の若き種子から一番年古りたる巨木となっても、尚且つ葉や梢の芽が生え出るように、人体を形作っている細胞群も次第にその活力を失って遂に死に至る必要はないのであって、卵子或いは個細胞のように、若々とまた青々と伸びることもできるのである。~略~ 病とはとりわけ安らぎよりの分離、安らぎの欠如である。~」
シ「身体の調子は、ペストや流感のような伝染病、その他の病にも、自然に且つ容易に抵抗して維持されるようになっている」

繰り返しですが「」は”~かもしれません”です。

ここは田舎で農業地帯ですので、道路を車で走るとおのずと自然や沢山の畑を見比べることになります。
上の「」を念頭において、沢山の小麦と小麦、沢山の人と人、植物と人をよく観察すると本質がおぼろげに見えてきます。

自然栽培を続けていると、病気をどう対策するか?からやがて、病気の概念そのものが消えていきました。
理解するしないに関係なく頭の片隅にでも「植物と人の生命反応が基本的に一致している」と置いておくと何かの役に立つかもしれません。

磨き小麦について実践と考察


磨き小麦という表現は販売上で文字の響きがいいからそうしています。

まず絶対基準として収穫したままの玄小麦を定めます。
この玄小麦を美味しいパンにしようと考えます。

コラム1
生産者がこう言うのもなんですが、玄小麦を何トン、何十トンと大量に扱う現場では小麦がザーっと移動するたびにもの凄く埃っぽくなりますので、玄小麦は素の状態でとても綺麗なものとは言えません。
この埃は一見土埃のようですが、直立した小麦をコンバイン収穫する時は地面より30cm以上うえを刈りますので、土が機械内に入る事はなく土ではない他の何かです。

手にとった収穫したままの玄小麦を見ても汚れて見えることはありませんが、できるなら埃をとった方がいいような気がしますので、玄小麦を磨いて(ピーリングして)います。

小麦を綺麗にする磨き方式には、湿式と乾式があります。

湿式とは濡れた布で汚れを拭き取るイメージです。

  • 玄小麦のまま綺麗になる。
  • 機械が高額
  • メンテナンスが大変

乾式はヤスリで埃を外皮(フスマ)もろとも削りとるイメージです。

  • 綺麗になるが外皮も削られる。
  • 外皮も同時に削れる。
  • 機械が安価。
  • メンテナンスが簡単。

後々フスマをどうせある程度除去するのであれば、同時に二工程をこなす乾式が優れていますので、乾式砥石タイプを採用しています。

コラム2
玄小麦を綺麗にする目的でのピーリングは1~2%も磨けば充分です。
実践してみて思うのは、玄小麦を名乗っていいのはいくら自由とは言え、せいぜい1~2%ピーリングまでかなと思います。
3%も磨けば米に例えれば3分づき米です、3分づき米は玄米とは言いませんよね?
なので玄小麦とは分けて磨き小麦5%などと表現しています。

1~2%磨いてお手ごろ価格で玄小麦を必要とされる方へお届けするのが当初の目的であり、今でもそれは変わっていません。

ただ、玄小麦を誰でも使いこなせる時代ではまだないので、次案として高磨き小麦がある訳です。
小麦の製粉は驚くほど簡単なんですけど、篩うのが大変なんですよね。
磨き小麦20~30%なら篩う手間が省けるかなとも思いますけど、なんとなく違和感を感じ悩んでいます。

プレミアム井戸水!!フランス修行前の貴重なビフォアー!


冷蔵9℃ 井戸水(実家だそうです) キタノカオリ2016-100%

自家培養発酵種だったり天日塩も発酵の方法も凝っているのですが、なにより心に響くのが実家の井戸水使用のフレーズです。
こういうのに弱いんですよね。


冷蔵9℃ 井戸水(実家だそうです) カムホ2016-100%

そっか、そういうパンだったんですね・・・。
若い方にはいつも教えていただいてばかりで頭が下がります。

味はもちろん両方とも最高でした!

それでは、旅のご無事をお祈りしております。
開業したら教えてくださいね。
貴重なパンをありがとうございました。

幻となったカムホ2016とサイドストーリー


ありし日のカムホ2016(カムホ3)

カムホ1とカムホ2をそれぞれ別配合にして、それらをカムホ3の親にする構想はほんの思いつきでした。
という訳で、カムホ1と2はただの混蒔小麦ですし、風味も大きく異なります。

わざわざ3年も待ったカムホ3が構想でのカムホの初代にあたります。
このあたりは以前カムホストーリーで書いた通りです。

今後のカムホの基盤となるカムホ2016には大きな期待があり、収穫を心待ちにして楽しみにしていましたが、残念ながら長期にわたる曇天と降雨による不稔と穂発芽のダブルパンチとなった不運の小麦となってしまいました。
(かなり落胆があったのかこの頃の写真は一枚も残っていません。)

いきなり苦難のスタートとなった新生カムホ、でもこれも自然な成り行きなのでしかたありません。
うちも現在3代目なので、カムホに重ねた思い入れもあったんですけどね・・・。

ある程度人為的に風味をコントロールするべく配合していた数種類の品種ですが、穂発芽のダメージは品種ごとに異なり中でもキタノカオリがずば抜けて酷く、予定していた本来のカムホ2016の風味が幻となってしまったのが今でも心残りですけど、、まあこれも構想の一つである自然が育種するという意味では今年の穂発芽カムホが本来なのでしょうか。

落胆のカムホ2016でしたけど真髄を発揮するのはこの後でした。

  • 赤カビ毒(DON)の数値が穂発芽ものにしては凄く低い。-混蒔の恩恵なのでしょうか?
  • 穂発芽でもいいよ、と使ってくれるパン職人さんが何人も現れました。
  • 極低アミロですが、立派に膨らんだパンになる。
  • 甘み・旨みの増した独特のパンになる。
  • 穂発芽粒を取り除く必要に迫られ、選別の技術が上がる。
  • 穀物検査を通じ行政の理解と懐の深さを知る。
  • カムホプロジェクト構想発案

失敗から学ぶことの方が多いとはまさにこのことですね。

さてここからの真真髄は少しオカルトサイドストーリーになります。

カムホにはある1つの未来ビジョンがあります、それは自然の交配が進むうちに突然変異の株が現れそれは黄金の穂をもつ小麦というものです。

それとは別ですが、今年のような1年の努力を無に帰すような穂発芽は実はそんなに珍しいことではなく、数年に1度の頻度で起こっています。
その度に心から切望するのは穂発芽しない(しにくい)小麦の品種の登場です。

カムホがきっかけとなって育種を意識しました、そして穂発芽しにくい小麦は常に切望していました。
カムホの中に現れるかもとは思っていましたけど、まさかあんな形とは思いもしませんでした。

まだ初越冬チャレンジ中なので、このストーリーは越冬が成功したらお伝えします。
新品種?不思議な小麦が育っています

人を映し出す鏡、パンのもつストーリー


薪窯オーガニックカンパーニュ、ブロン、カムホ2016-i6085-100%

ご縁のお陰で日本が誇るトップクラスの職人さん達にポッと出のカムホを使っていただいています。
ふと思う度にありがたいと感じます。

カムホストーリーなどと書いてみましたけどたかが3年の歴史しかありません。
でも職人さんはその人その人に、聞き入ってしまうそれぞれのストーリーがあるんですよね。

このブロンやカンパーニュに胸を打たれるのは、そうしたお話を聞かせていただいているからなのでしょうか。

登場時のfacebookはこちら↓
https://www.facebook.com/boulangerie.derien/photos/a.398757060166348.83208.205979552777434/1346534905388554/?type=3&theater

2017年、明けましておめでとうございます


カムホ2017の畑、積雪は50cm位です。

たっぷりお正月休みをしたので、また一年頑張ろうと思います。
今年も宜しくお願い致します。

と言っても大晦日から今日も比重選別機の設置・試運転をしてましたので、あんまり休んでないんですよね。
7日の出荷も迫ってますし、年初から多忙なスタートとなりました。

新しい試みをする時にある程度忙しくなるのは仕方ないとして、当初の目的を見失わないよう「初心忘れるべからず」を肝に銘じつつ頑張りたいと思います。

その肝心な初心はなんだったかな?・・・ゆっくり寝ながら考えるとします。