カテゴリー: 小麦

へとへとになりながらノア8の種まきを終えました


ノア8 #pirkaamam#bio#organic

連日30℃超えの残暑と乾いた土埃の中、水分と体力を激しく消耗しながらの種まきでした。キャビン、エアコン、GPS(自動操舵)で、冷えた飲み物を飲みながらながらスマホで作業をするのが一般的になりつつある昨今、…とにかく気力で乗り切りました。

まだ試験栽培の種まきが残ってますが、一旦区切りとしてとりあえず一雨欲しいところです。

ノア8の種まき前夜


ライ麦や小麦の畝間カルチ(機械除草)栽培、白クローバなし栽培、急遽の春小麦栽培、マスタード収穫など、例年と違う事をしすぎて輪作体系が崩れてしまい、小麦を蒔く畑がなさすぎる状況になってしまいました。

今後の輪作を考え修正すべく、やもなく春小麦の跡地を無理やり鞭打って使う事になりました。収穫残渣の麦わらがあって、上手く平らにならずデコボコしてます。デコボコはともかく心配なのは地力回復を待たずして小麦がまともに育つかどうかです。


ずっと悩みに悩んだノア8の構成、種の調合中も悩みながら行いました。

悩むも何も、もうキタノカオリやユメチカラ、ホクシンのようなメジャー品種は栽培してませんし、倉庫の残り種もなく、手直しが殆ど出来ない状況になっているのに、何を悩んでいたのか?と今となっては思います。今まで続いてきた目まぐるしい変化が落ち着いて、寂しいと思う気持ちがあったのかもしれません。

乾燥機に何故か少し排出されず残っていたノア6 + ノア7 + スペルト増加 = ノア8のコアです。


さらにザバー、気前よくフレコンパックごとスペルト増量しました。殻が付いたままなので圧倒的な体積、存在感です。※(1:1:1)←コア:6←増量

1年に1度しか収穫できない農産物で、ノアのような探求小麦で2回同じ事をするなら、1年が無駄になってしまいます。


今までの「現代小麦の中にスペルトが混ざっている」から「スペルトの中に現代小麦が混ざっている」に大きく変化したように、圧倒的な体積、存在感を誇る殻を見ているとそう思います。※殻が多く見えるだけで種の粒数で言えばそこまでではないと思いますが、本当の事は出穂するまでわかりません。

ノア7の先行販売を開始します


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

24.6KG P0 ¥9,070(368.6/kg) + 宅配便の地帯別運賃一覧

Peeling Option P2 +¥500(20.3/kg)

【家族経営や個人店などの小規模店舗様(パン菓子製造業・飲食業)へ向けての販売です】

・ノアは年度ごとに品質、製パン性が異なることから、初回のご注文は1袋まででお願いします。

・ご注文は従来の方法でご連絡ください。※お問い合わせは都合により一時不通になっております。

・何かご不明な点のある方は、今しばらくご注文をお控えください。先行販売期間中のお問い合わせはお承りしておりません。

・ご使用に一抹の不安がある方は、今しばらくご注文をお控えください。

・関東を基点として価格算出しました。送料込みの関東価格はP2でノア6とほぼ同じです。

・ご紹介いただける場合は、当サイトをご紹介ください。

・麦フェス関連は事情を考慮いたしますので、何とかしてご連絡下さい。

よろしければご使用のご感想をお聞かせいただけると助かります。

シロザ(アカザ)刈りのXデーが間近に迫ってます


ノアスプリング2020 #pirkaamam#bio#organic

次の空気の乾いた湿度の低い日が収穫の目安日です。青々しているシロザ(アカザ)の水分がコンバイン収穫の極力支障にならないよう、祈る気持ちの毎日です。

これほどの青草刈りは初めてなので不安がシロザの成長と共に募ってます。

【2020年産玄麦販売についてのお知らせ】

・ノア7のDON検査数値は0.05ppmで問題なくお使いいただけます。※小麦の食用としての基準値は1.1ppm以下

・定期配送割引、直接引取割引など特別割引は一切廃止いたします。

・精米(麦)機をお持ちの方が増えてきましたので、ピーリングなし(P0)を設けてサービスで行っていたピーリングあり(P2)はオプション(追加料金)に致します。※スペルトはピーリングなしのみです。

ノアスプリングの収穫が終わらない事には全く気が落ち着かないのと、あれやこれやでとにかく忙しいため申し訳ないのですが、出荷開始までもう今しばらくお待ちください。

小麦の試験栽培はエンマー、アインコーンまで辿りおおよそ満足しました


ブラックエンマー2020 #pirkaamam#bio#organic

数あるエンマーの中で今一番のお気に入りはブラックエンマーです。穂の色形が恰好良くて、ほのかなスパイシーな香しい匂いにも惹かれます。

エンマーはどれも長いノゲが特徴で見た目は恰好良いのですが、ノゲって収穫作業では邪魔以外の何物でもなくて、コンバインのシーブー(粒を選り分ける篩のようなもの)にノゲが詰まって非常に作業性が悪いです(暑い日に誇りまみれで狭い場所を頻繁に掃除)。


ノゲなしエンマー2020 #pirkaamam#bio#organic

普通のエンマーの亜種だと思うんですけど、ノゲのないエンマーを増やしました。

若干ですが普通のエンマーよりは早生な感じで、風味が変わらないなら少しは実用的かと思います。

登熟期(早-遅)は、現代小麦 < スペルト < エンマー < アインコーン で世代を遡るほど遅く作業性が悪いです。

越冬性(強-弱)は、現代小麦 > スペルト > エンマー > アインコーン で世代を遡るほど冬枯れに弱いです。

脱穀作業性(易-難)、現代小麦 > スペルト > エンマー > アインコーン おそらくこうです。

収量性(多-少)、現代小麦 > スペルト > エンマー > アインコーン。

実用的なのは一歩譲ってスペルトくらいまでかと思います。真っ当なコスト計算(リスクも含め)してキロ2,000円も3,000円もするような小麦を誰が買うんでしょうか?結論として古代小麦に限らず珍種の小麦などの試験栽培は趣味として楽しむ範囲で良いのかなと思います。

やっちゃいけない?人の常識 vs 小麦の常識


ノア8(2021) #pirkaamam#bio#organic

本日7/30日付けで秋小麦を播種しました!秋小麦早まきの北海道ギネス記録更新したかもしれません。

常識的に、この地域での秋小麦播種適期は9月中旬とされています。

無農薬での冬枯れ対策として越冬前の小麦体力をつけるため、例年は地域の適期より2旬早めて8月下旬に非常識な早まきをしていたのですが、今回念願だったトカプチさんの8/19の早まき記録を大幅に更新できました。当時のトカプチ農場長F居さん、見てないし忘れてると思うけど、ついにやりましたよ!


ノア8(2021) #pirkaamam#bio#organic

小麦は休眠がない独特な性質をもってます。その特性故に穂発芽してしまいます。

通常植物は種が完熟しても一定期間発芽しない休眠期間と言うものを備えてます。無駄に発芽ロスしないため気が遠くなるほどの年月で培われてきた本能なのでしょう。

過酷な自然界で生き抜く術の植物の特性って然るべき理由あっての事だと思います。小麦の休眠がない特性がただの弱点なはずはないはずです。

そんな仮説を実証すべく、完熟、即、種まきをこれも偶然で突然に試す事にあいなりました。※安心してください、小さな試験圃場です。


ノアスプリング2020 #pirkaamam#bio#organic

収穫前の小麦を横目に小麦の種まきをする。これもライ麦と春小麦がいつまでも登熟が遅れモタモタしてるからです。

1週間前にはそんなこと(7月蒔き)しようなんて思ってもみませんでしたからね。

ベースベーカリーさんのパン屋がやっちゃいけないパンに触発されたのも一因かもしれません。心にくすぶっていた好奇心を満たし、ずいぶんとスッキリしました。マンネリな仕事と違って、早起きまでして、ずいぶんと楽しかったように思います。

ノア7の選別を行っています


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

収穫後はすぐに小麦乾燥機で水分率12.5%以下まで一晩かけて乾燥させました。交付金(補助金)対象にならない混播小麦で交付申請に必須の農産物検査は受けませんが、一応、検査規格の12.5%以下にしておきました。

長期保存できる水分率(カビないムレない)まで乾燥を終え、次にインペラ式の籾摺り機で選別を行いました。風選や揺動板による比重選別機能も付いていて、オールインワンの素晴らしい機械です。

スペルトの殻付き粒が青っぽいのが見てわかるでしょうか?殻の取れたスペルトの青い粒もよく見るとわかると思います(※緑を青と表現してます、ヤングと呼んでいた時もありました)。


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

この画像は青い粒が特に目立ちますが、実際はここまで多くの青い粒はないです。

今までは穂発芽小麦について触れる機会が多かったですが、今後は青い粒も交えてさらなる小麦の奥深さ魅力を生産地からお伝えできれば幸いです。

※販売はDON検査数値を確認してからになります。今しばらくお待ちください。

混播小麦ならではのいくつかの持ち味


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

ノアの持ち味の一つとして、多品種ならではの風味の多彩さは想像に易く皆さんご存じの通りです。

もう一つの持ち味として、熟期の差による風味への影響を考察してみます。

ノアに含まれる小麦品種の、おおよその熟期の差です。

ピッツア用 -5日
ホクシン -3日
きたほなみ 基準日
ゆめちから +2日
キタノカオリ +7日
スペルト +10日
エンマー +15日

冒頭の画像でも完熟しきって茶色から黒く変色してきてる穂(おそらくホクシン)、青みがかった穂(おそらくキタノカオリ)、背丈の高いスペルトはまだ青々してるのが確認できます。

全ての品種が完熟しきってからの収穫は、雨の多い地方での穂発芽リスクを考えるとまずありえません。

ではどこで妥協して収穫するのか?

現時点のノアはキタノカオリが美味しさの要として主役になっており、またキタノカオリは穂発芽耐性がもの凄く弱いため、おのずとキタノカオリ完熟期が収穫日の目安となります。

熟期に差がある混播小麦では、少し面白い事がおきます。

・完熟麦100%
・完熟麦90% 青麦(未熟麦)10%
・完熟麦80% 青麦(未熟麦)10% 微発芽麦10%

割合はおおよそです。天候次第によっては完熟麦、青麦、微発芽麦が混在する可能性があります。

何度も書いてますが、粒の状態でそのまま口にした時に、美味しいのは青麦、旨いのは発芽麦、味気ないのは完熟麦です。

登熟度合いの違う粒が混在することでの風味の奥深さなんかも、ノアの持ち味の一つとして考えられそうです。

※単一品種栽培では、青麦がある状態での収穫はまずしませんし、穂発芽は揃ってするので屑小麦として家畜の飼料になります。

※青麦収穫(高水分収穫)はコンバインでの脱穀時に粒が潰れてしまうため敬遠されますが、熟期の遅いスペルト、エンマーの粒は厚い殻に守られ、高水分収穫でも潰れません。殻付き小麦の面白い利点ですね。

無農薬秋小麦でのオオスズメノカタビラ対策が非常に難しいです


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

多品種混播では早生品種も晩生品種も含まれており、収穫は熟期の遅い品種に合わせて行うため、おのずとオオスズメノカタビラもしっかりと登熟して圃場に多くの種を落とします。

※オオスズメノカタビラは、ホクシン収穫時には登熟しておらず、一週間後のキタノカオリ収穫時にはしっかりと登熟してます。ノアにはホクシン、キタノカオリ共に含まれています。


オオスズメノカタビラ(ノア7) #pirkaamam#bio#organic

熟期の遅い品種(主にキタノカオリ)、無除草剤栽培での、手取り除草が困難なオオスズメノカタビラ問題を根本的に解決する事は難しく、輪作などで問題を先延ばしにしてきましたが、この圃場でのノア栽培はもう限界のようです。

高価なプレミアム米糠は小麦の増収に全くと言っていいほど役に立たなかったようですが、オオスズメノカタビラが喜んで吸ってくれているようです。多額の授業料だけにとても勉強になりました。


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

早い品種は粒が小麦色に色づき始めてます。

収穫まであと2週間ちょっとの予定です。

ありがとうブタナ、フォーエバーブタナ


ノア7 #pirkaamam#bio#organic

ブタナはたんぽぽの綿毛のような種で、距離などお構いなしに風に乗って飛んできます。

ブタナを見つけたら手取り除草、3日後に遅れて咲いたブタナを手取り除草、3日後にまた咲いているブタナの黄色い花が目立つので手取り除草。

より良い未来を見据え、畑で種を落とさないように何年も何年も努力を重ね続けましたが年々増えるブタナ、理由は単純にどこか近隣の野原で年々増殖してるブタナの綿毛が飛んで来てるのです。畑全面にまんべんなくブタナがあるので間違いないと思います。

ある晴れた日(最後にブタナを手取り除草した日)、汗をかきながらブタナを取っていると、何やら白い雪のようなものが畑一面に降り注いでいる光景を目の当たりにしました。

それはもう幻想的で美しい光景でした。何だろうと手に取ってみると綿毛の先に小さな種がついたものでした。

立ち尽くし辺りを見回し、過去が走馬灯のように思い返され、ブタナの手取り除草はもういいからやめなさいと、優しく諭されたような気がしました。