カテゴリー: パン

N極があればS極も、ショコラS登場


ショコラS – きたほなみP2 – 100%
※試作でいただいたのはホクシンP2の100%で、写真を撮る前に食べてしまい、改良版の画像を送っていただきました。

TさなSあわせパンさんのS田さんスペシャルがSの由来だそうです。
SあわせS田Sペシャルなので、正式にはショコラSSSですね。スペシャル感が凄いです。

冗談で創ったのかな?と説明文をみて思いましたけど、食べてみてクオリティの高さに驚きました。

今回レシピ公開の許可を快諾くださいましたので、わかるであろう方向けに載せておきます。

ショコラSSS

少し粗目の挽きたて全粒粉100%。
ストレート法で吸水は粉対比100%、塩2.2%、全粒粉ルヴァン種35%、しっかり捏ねます。
配合するチョコレートは全体の三分の一程度溶かして(配合率は・・・お好みで)、冷ますとチョコレートが半分くらい溶けているイメージでパン生地に練りこみます。
好みでドライフルーツやナッツも。
吸水が多く生地はトロトロですが、溶けたチョコレートの油脂は冷えると固まるので、その作用を利用しチョコレートの油脂が固まる温度帯で低温発酵させます。と同時に全粒粉に水分をしっかり浸透させます。
タイミングが来たら冷たいまま生地を取り出し即分割成型。
最終発酵である程度復温発酵させ240℃で約30分焼成。
パン生地に配合するチョコレートの温度帯と、焼成前の復温発酵の加減に気を付ければ誰でも簡単においしいチョコパンが焼けます。

職人さん特有の、分量はしっかりと、その他は直感的に、の誰でも簡単にはできないレシピ、なような気がします・・・。

カナダ産オーガニック小麦を目標に、栽培しやすく美味しい小麦を目指しています


カナダ産オーガニック小麦80%とキタノカオリ2016-20%のブレンドによるフォルコンブロート

初めてカナダ産オーガニック小麦のフォルコンブロートをいただいた時は、その完成度の高さに衝撃を受けました。

ちなみにドイツ語で”フォル”とはFull、”コーン”とは小麦、”ブロート”はパンだそうで、単語がわかればフォルコンブロートはそのまま全粒粉パンなんですね。

保管の利く玄小麦で仕入れて、石臼自家製粉で使う分だけ粉にするのでパンにはいつも新鮮味があり、全粒粉なので自然の恵みを無駄にすることもない、栄養価を考えても、お店の為にもお客さんの為にも合理性が神がかっています。

原料として使われているカナダ産オーガニックの小麦がまた凄く、当面はこの小麦を目標に食料生産は何より安定が一番だと痛感していますので、栽培のしやすい、そして美味しい小麦を目指していこうと思います。

高純度糊粉層パンが存在した証、アリューロン粉とは何だったのか?


天然発芽小麦 キタノカオリ2016 af10 使用

アリューロン粉(af10):250g
水:250g
塩:5g
ルヴァン種:100g

重度の穂発芽小麦かつ高純度アリューロン粉、滅多にない条件かつ誰も試さないであろう粉。

焼きあがったパンの強烈な芳香、食感も、舌の奥にねっとりと絡みつく未体験の旨み感覚も、そして長時間上舌に乗り続けるほのかな苦味、パンはパンでもジャンルが全くの新ジャンル・・・というか良いも悪いも次元が違います。これは異次元のパンです。

発芽高純度アリューロン粉はもうないので、ここに存在の証を残しておきます。
一体この一連の出来事は何だったのでしょうか?よくわかりません。

  • 発芽アリューロン粉を普通にイースト発酵させても全く美味しくない
  • 発芽アリューロン粉を重曹で饅頭にすると強烈な苦味で毒饅頭みたくなる
  • ある製法により強烈な旨み濃縮爆弾といえる異次元パンになる
  • 異次元パンは人によっては価値観が変容してしまう程のメッセージ性がある
  • 苦舌に慣れると白いパンがパンの抜け殻みたく感じるようになる

>【アリューロン粉】天然発芽小麦 キタノカオリ af10 の販売を終了しました。
※再販はいたしません。

小麦やパンの原点を思い出させてくれた救いのパン


キタノカオリ2016、全粒粉、石臼粗挽き、酵素失活バージョン

「酵素失活バージョン」の意味を聞こうとしていつも忘れてしまいます。
こんど教えてください。

少し固めで素朴なパンなんですけど、いきすぎたパン熱を冷やしてくれて原点を思い出させてくれた貴重なパンとなりました。

ふすまとか果皮とか種皮とかアリューロンとか胚芽とか胚乳とか、バラバラにしてどこが美味しいとか、もちろん学ぶことも大切ですが、原点を忘れることなく邁進していきたいと思います。

強烈な揺さぶり、固定観念がじわじわと崩れる脅威の濃縮ブレッド


キタノカオリ2016のアリューロン層を多く含む粉による試作パン2号

最初のインパクトも相当でしたけど、2度、3度と繰り返すとさらなる高みへ連れて行ってくれました。

風味の探求はもういいかな・・・と遠い過去に思えます。
旨みとは?って考えるのも、もういいかな・・・と。

製粉方法の模索とか、時間による粉の酸化に頭を悩ませたりとか・・・、なんかな~、なんだったんだろう。

去年の7月からの出来事がここに集約され、走馬灯のように蘇り、繋がり、感慨深いものがあります。

キタノカオリの最初の種が初めてうちに届いた時から、思い返せば本当に色々ありました。

たぶん誰にもわかって貰えないと思いますが、それも誰にでもある人生そんなことだらけの内の一つにすぎないのでしょうか。

キタノカオリに纏わる全ての出来事に心より感謝いたします。

ミルパワージャパン至高製粉の天然熟成キタノカオリが遂に登場!


ミルパワージャパンさんで製粉した天然熟成キタノカオリが50%使われています

ミルパワージャパン、創麦師とはより

外皮6層の内側3層のみを残すピーリング技術。1臼で1時間に2kgしか挽かない低速セッティング(製粉時の熱で小麦の香りが失われないため)。
小麦の品種、その年の生育状況を見極め6台ある石臼の個性に合わせ製粉するこだわり。

国内最高級というか、世界最高級と言っても過言ではない、小麦の製粉にそこまで?!と心配になるほど手間隙、愛情のかけ方が凄いです。

うちのキタノカオリも採算度外視が甚だしいのですが、ミルパワーさんの製粉方法はそれに輪をかけて上回っているようなんですけど、大丈夫なんでしょうか?

色々な意味で、なんだそれは?の粉でカンパーニュを焼いてくれました、ありがとうございます。

内情を知ると、現時点でこのカンパーニュの右に出るものはないと思いますが、かといって何があるわけでもないので、自己満足がすごく楽しい今日この頃です。

発芽小麦もカンパーニュも実は凄かった件について


自然栽培の自然発芽小麦が使われているまさかのカンパーニュ

思い込みとは恐ろしいですね、発芽小麦は屑扱いされてますので、てっきりそうだと思い込んでました。

でも調べてみると結構いいことや凄いこと書いてありますよ。
何これ?知らなかっただけ?なんですね。

小麦は主に胚乳(白い粉になる部分)を人は好んで食べるわけですけど、小麦にとっては発芽前に母乳にあたる大切な部分を食べられたら困るわけです。

食べられたら困る部分をわざわざ美味しく・健康によい状態にしておくはずがないですよね。野生動物のいる中、そんなことしたらすぐに絶滅してしまいます。

でも、発芽後はどうかというと乳飲み子(麦の芽)がすくすく育つように、胚乳はここで初めて美味しく・健康によい状態に変質するのではないでしょうか。

そう考えると人が小麦粉を発酵させ変質させる術は、自然のそれを模倣しているようにも思えます。

推測はさておき、実際小麦の粒を休眠状態、発芽初期、発芽後期で口にすると、休眠状態ではどの品種も大差なく味気がないのですけど、発芽後には甘みがあったり旨みがあったり間違いなく美味しくなっています。これは理屈ではなく実際口にするとすぐわかることです。

まさかのカンパーニュはまさか日本でここだけじゃないと思いますけど、おそらくお客さんも作っている当の本人も立派なパンにする技術を含めその凄さに気付いてないような気がします。

プレミアム井戸水!!フランス修行前の貴重なビフォアー!


冷蔵9℃ 井戸水(実家だそうです) キタノカオリ2016-100%

自家培養発酵種だったり天日塩も発酵の方法も凝っているのですが、なにより心に響くのが実家の井戸水使用のフレーズです。
こういうのに弱いんですよね。


冷蔵9℃ 井戸水(実家だそうです) カムホ2016-100%

そっか、そういうパンだったんですね・・・。
若い方にはいつも教えていただいてばかりで頭が下がります。

味はもちろん両方とも最高でした!

それでは、旅のご無事をお祈りしております。
開業したら教えてくださいね。
貴重なパンをありがとうございました。

人を映し出す鏡、パンのもつストーリー


薪窯オーガニックカンパーニュ、ブロン、カムホ2016-i6085-100%

ご縁のお陰で日本が誇るトップクラスの職人さん達にポッと出のカムホを使っていただいています。
ふと思う度にありがたいと感じます。

カムホストーリーなどと書いてみましたけどたかが3年の歴史しかありません。
でも職人さんはその人その人に、聞き入ってしまうそれぞれのストーリーがあるんですよね。

このブロンやカンパーニュに胸を打たれるのは、そうしたお話を聞かせていただいているからなのでしょうか。

登場時のfacebookはこちら↓
https://www.facebook.com/boulangerie.derien/photos/a.398757060166348.83208.205979552777434/1346534905388554/?type=3&theater

垣間見る悟りの境地、自称パンソムリエ認定


オーガニック薪窯シュトーレン、有機ホクシン&有機キタノカオリ

サクっとしたクッキーぽい食感が特徴的な、甘さ控えめのすっと食べやすいシュトーレンでさすがの美味しさです。

ところで、今年後半はほんとにパンばかり食べていました。
朝パン、昼パン、おやつパン、夜は普通たまにパン
朝なし、昼パン、おやつパン、夜は普通たまにパン
×約5ヶ月

ハード系のパンがほぼ100%を占め、その反動から饅頭を手作りしたのは懐かしい思い出です。
晩ごはんがうどんだった時の複雑な心境も、今となっては微笑ましい思い出です。

ひたすら突き詰めることで悟りの境地を垣間見ることもしばしば、自らをパンソムリエと称したくなるほどでした。

パン仙人でもいいです。食べ専門です。

決め手は、パンの基本中の基本、カンパーニュを食べ続けたのが良かったと思っています。