カテゴリー: pirkaamam lab

パンの探究は毎日の日課になってます


スペルト酵母&らしき麦酵母の酒種パン、捏ね→成形→1次発酵→焼成

とても全ては書ききれないほど、毎日多くの学びがあります。

一年に一度しか試せない農産物と比べて、パンは毎日試せるのがいいです。


ダッチオーブンをコンベクションオーブンに入れる方法で、クープ、スチームの問題は解決され焼成はひとまず納得できるものになりました。

カムカム鍋(陶器)も試しましたけど、熱伝導のよい鉄器の方が効率は良いようです。


らしき麦(由来)酵母、x400

スペルト(由来)酵母に比べてふたまわり程小さい印象がありましたけど、膨らみやパンの風味への影響の違いは感じられないと言うかわかりませんでした。

~由来の酵母だから~と言うよりかは、酵母の栄養源(~で培養した)の方がパンの風味には影響があるように思います。

自家採種酵母をエアーレーションしてます4


スペルト(由来)酵母の液種、x400、3日目

増殖が止まっているように見えます。酵母密度はある一定以上にはならないのか、それとも何らかの栄養不足なのか不明です。

液種の約半分を使ってパン生地を捏ねて、減った分はオーガニックシュガー水溶液を足しておきました。

1次発酵中に所用があって、たしか5時間くらい目を離したら、約3倍くらいになってたような覚えがあります。


スペルト(由来)酵母の液種、x400、4日目

水溶液を足した分だけ酵母が2倍になれば十分だと思って、低い温度(10~15℃)で丸1日エアーレーションした後です。

酵母は増えずに酵母より小さな丸い何かが明らかに増えているように見えます。桿菌はいないものの、怪しくなってきたのでエアーレーションを終了しました。


怪しくなってきた液種で中華饅頭を作りました。

1次発酵4時間で約1.5倍、酵母密度が下がって見えただけに膨らむのが昨日より遅いです。

焼かずに蒸したのはその方が風味がわかりやすいからです。アルコール臭は綺麗さっぱり無くなってました。食べている最中の酸味はないものの、後に残る妙な癖味はおそらくレモン果汁の仕業だと思います。

改良の余地はまだまだありますが、スペルト酵母とは一旦ここでお別れします。

自家採種酵母をエアーレーションしてます3


スペルト(由来)酵母の液種、x400、約48時間後

ヨーグルティアの30℃設定で液種の温度は28℃になってました。外気温(15℃くらい)のエアー流入が液種を冷やすようです。

それにしても、倍々増殖の威力は凄まじいですね。もう少しで目標に追いつき(追い越し)そうです。

あと一息、明日の朝までおいてから、いよいよパンにしてみようと思います。


恒温式エアレーション装置

埃をかぶってたヨーグルティアが活躍しました。※ちゃんと綺麗にしてから使いました。

一応エアーポンプにはエアーフィルターが付いていて、菌はどうかわかりませんけど埃は防いでくれるようです。

自家採種酵母をエアーレーションしてます2


スペルト(由来)酵母の液種、x400、約24時間後、※画像①

朝に周辺温度を測ると12~15℃?くらい?でしたので、増殖はかなり緩慢だったと思います。

その後、液種の温度が25℃くらいになるよう保温を改良して、夕方には上の画像のようになってました。

ざっくり数えて約4倍?くらいになってて、一応エアレーション増殖は成功しているようでした。今の所、桿菌系雑菌の侵入はないようです。


ドライイースト、x400、65gの水に2gのドライイーストを溶かした水溶液

目標とする酵母密度の顕微鏡写真を撮っておきました。小麦粉100gに対するドライイースト2%を想定してます。

凄く多いように見えますけど、ざっくり数えて※画像①の約4〜8倍?くらいです。

意外といけるのではないでしょうか?

※注意:自家培養酵母に細菌類が共存している場合、エアーレーションで酵母より増殖速度の速い細菌類を猛烈に増殖させる危険性があります。

自家採種酵母をエアーレーションしてます


スペルト(由来)酵母の液種、x400

不本意本意の試練や試験で準備が整ったようですので、いよいよ本番、自家採種酵母の純粋培養の最終段階、酵母密度ガチ上げに進みました。

とりあえず今後の比較のためにガチ上げ前の顕微鏡写真を撮っておきました。

丸いのが酵母で桿菌(棒状の細菌)は一切いないようです。しかしまあ純粋すぎて驚きます。


ホームセンターで金魚のブクブク(¥858)を買ってきました。

今回、細かい小麦のデンプンやフスマを無くすためにオーガニックシュガーを糖分として使い、かけ継ぎで徐々に無くしていこうと思います。

今までの(雑菌に対する)最強アルコールバリアが消滅するため、代りに少し弱いですけどレモン果汁でpHを下げて酸のバリアでの雑菌対策をしていきます。

これでもしエアーを介して万が一食中毒菌が侵入したとしてもバリアが防いでくれるでしょうけど、酸に強い乳酸菌や酢酸菌が侵入すればバリアが効かずに増えてしまうかもしれません。

これでもし上手くいけば、1日後(24時間後)には約200倍、2日後(48時間後)には約40,000倍に増えるはずです。※約24℃の場合のおおよそ、計算あってますか?

※酵母の倍増時間(好気状態)、30℃:約1.8時間、20℃:約3.5時間、10℃:約9.2時間。

食中毒菌対策としてレモン果汁を使うようにしました


不衛生な手でパン生地を捏ね、常温長時間発酵(約24時間)したパンで食中毒らしき体調不良になったのは、今思えば良い経験でした。

パンは加熱するから大丈夫、少しくらい雑菌がいても酵母発酵で抑えられる、と思っていたのは大間違いでした。

加熱で菌が死滅しても生成された毒素は残るタイプの食中毒があって、特にボツリヌス毒素は命に関わる猛毒のようです。以下代表的な加熱しても残る毒素を生成する4つの食中毒菌です。

・セレウス菌(自然環境に広く分布)、通性嫌気性桿菌、芽胞形成、発育条件10〜48℃、pH4.9〜9.3

・ボツリヌス菌(自然環境に広く分布)、偏性嫌気性桿菌、芽胞形成、発育条件10〜48℃、pH4.0〜9.6

・ウエルシュ菌(自然環境に広く分布)、偏性嫌気性桿菌、芽胞形成、発育条件10〜48℃、pH5〜9

・黄色ブドウ球菌(皮膚常在菌)、通性嫌気性球菌、発育条件6.7〜48 ℃、pH4〜9.6

※芽胞形成する細菌は100℃でも細菌自体が生き残ります。

手は洗えても小麦粉は洗えませんので、手ごねしてもしなくてもパン生地にはこれらのどれかはいると思って対策しておいた方が良いと思います(思うようになりました)。

それで、上記の加熱しても残る毒素を生成する食中毒菌の発育条件のpHに着目して、常温長時間予備発酵時には液種がpH4以下になるようにpH2.3(ポッカレモン100の場合)位であろうレモン果汁を入れるようにしました。

pHの法則はpH2を10倍に薄めるとpH3、さらに10倍に薄めるとpH4になるようです。それでpH2.3を50倍に薄めてpH3.8になるようにしました。パーセントにするとたったの2%、本当にそんな極少量で効果があるのでしょうか?計算あってますか?


とかち野酵母&てんさい糖&レモン果汁で常温長時間予備発酵した液種

レモンの酸味がパンにどれほど残るのかが気がかりでしたけど、焼きあがったパンに酸味は感じませんでした(クレイジーソルトをたっぷりかけて焼いたせいかも)。あと、1次発酵「x2」は1時間45分に記録更新してもう達成感でちゃいました。

アルコール発酵させず増殖発酵にするため30分から1時間ごとにビンをふって空気を供給するのがとても大変でした。就寝中は見張ってられませんでしたので、ほんの僅かに(液種に)アルコール臭が出てしまったように感じました。

あと、死に損ないの2年前に期限切れとかち野酵母はよくみたら去年の1月に期限切れでした。つまり1年前に期限切れの~です。どうでもよいと思いますが一応訂正しておきます。

※実験での自家培養酵母及びパンは全て自己責任で自己消費しております。

純粋酵母の自家増殖の実験やってます


ノア8 Misch #pirkaamam#bio#organic

今日のノア、変わらず順調です。防風林の枝払いを気晴らしにしました。


小麦粉100g、水65g、1年前に期限切れのとかち野酵母3g、塩1g、こね上げ??℃ → 22~24℃、4時間半後

一晩中予備発酵(てんさい糖をしっかり入れてます)しても僅かな気泡しか発生しない1年前に期限切れしている死に損ないのとかち野酵母、これを自家採種酵母の純粋培養の増殖(酵母密度を上げる)の練習に使おうと思います。

今回の1次発酵「2倍」までのタイムは「4時間半」、これを記録更新できるよう頑張ります。

ルール
・小麦粉は100g
・水は65g
・塩は1g(±1)
・とかち野酵母(期限切れ1年)3g以下
・予備発酵OK
・予備発酵時の糖は制限なし(暫定)
・アルコール臭や異臭はNG
・捏ね上げ温度は21℃以下
・1次発酵気温は25℃以下
・1次発酵「2倍」までの時間を計測する

パンづくりの1次発酵の目安がイマイチわからないのでハッキリわかるようにしました


小麦粉100g、水65g、ドライイースト2g、塩1g、こね上げ20.5℃

1次発酵の目安は生地が2倍程度とかフィンガーテストとか、どうにもわかりにくいので、もっとハッキリわかるようにしました。


24℃、1時間後

なるほどこれが「2倍」の雰囲気なんですね。

※食中毒リハビリ期間中のためドライイーストで短時間発酵してます。


24℃、さらに50分後(こね上げから1時間50分後)

1時間ごとに2倍、3倍になると思って倉庫に行って目を離した隙に、この始末です。

蓋につきそうになってたので、×3.5倍って所でしょうか。

動かしたら少し萎んだので、きっとこれが「過発酵」「ダレる」なんですね。

このドライイースト標準使用量の膨らみ方を明確な目標にして、自家採種酵母の自家培養を改良していきたいと思います。


おまけ

小麦粉100g、水70g、ドライイースト2g、塩1g、こね上げ??℃、置いた場所も適当、3時間後、x3倍。

こね上げ温度を統一しないと発酵の比較にならない、置く場所の温度も均一にしないと駄目だと気付いた初回仕込みは美味しいピザになりました。

パン作りを甘く見てはいけないと身をもって知りました


楽しかった天然酵母手ごねパンライフを一転させた恐怖のポイズンパン。

いつものように夕方に焼きたてパンを美味しくいただいてから、夜には胃が(少し)痛くなり、その後胃腸の不調感は約3日続きました。

パンは焼けば大丈夫だと思って、菌(細菌や酵母)を扱うと言う事を甘くみてました。

今回の原因として、思い当たる節が多すぎます。

・オーガニックシュガー溶液に自家培養酵母をほんの少しだけ入れ常温で約1週間放置してからパン種として使用しました。※発泡はごく僅か。オーガニックシュガー溶液は加熱処理なし。

・手ごねの時に汚い手で捏ねた。洗う事のない皮手袋をして薪を焚き、素手で外猫を撫でまわし、倉庫内で半日作業した手を洗わずに生地を捏ねました。捏ね容器もしばらく洗ってません。

・雑菌の宝庫生地を約20時間約18℃で1次発酵、約1時間30℃で2次発酵、約1時間30℃で3次発酵しました。

焼きあがったパンの味はいつもと変わらず酸味なく腐臭や異臭もなく美味しかったので、雑菌(食中毒菌?)による何らかの無味無臭の熱分解されない毒素が生成されていたのだと思います。

大事には至らず不幸中の幸いでしたけど、いくらダレにくい種とは言え雑菌の倍々増殖を考えると4次発酵までしてたらかなり危なかったと思います。

改善策として。

・自家培養酵母は雑菌対策をしっかりと行う。

・手ごねをする場合は手をしっかりと洗う。

・雑菌リスクの高まるむやみやたらな長時間発酵はしない。

今回、おそらく「不衛生」が一番の原因だったと思います。以後気を付けます。

自家培養酵母から乳酸菌をいなくする方法


無農薬小麦粉100、水分70(自家培養酵母含む※1)、塩1。(※1スペルト由来酵母をらしき麦がきで培養)

今回のクープはチクテベーカリーさんのカンパーニュを真似てみました。

自家培養酵母にアルコールを添加して(もしくはアルコール発酵させて※2)、アルコール度数をおよそ10度以上にすると乳酸菌、酢酸菌、その他の雑菌はいなくなり純粋酵母になるようです。これは何も目新しいものではなくて、日本では日本酒の醸造技術として江戸時代にはもう確立されてますし、古くはパンの起源時(古代エジプト?)に早々と見つかっていたと思います。※2酵母にアルコールを生成してもらう場合は糖度の約半分のアルコール度数になるようです。

よくパンの起源として水で捏ねた作り置き生地が膨らんだとの説をネットでみかけますけど、膨らんだにせよあんな酸っぱくて美味しくないものをわざわざ継続する筈がないので、小麦粉を捏ねる時に~酒を使ったら膨らんで癖になる美味しさで文化として根付いたように思います。