カテゴリー: 雑記

有機JAS実地検査(2020)を受けました


北海道有機認証協会(ACOH)から日本農林規格認証アライアンス(JASCERT)へ継承の形で認証事業者が変更になりました。

当農場では、当初より全圃場を有機圃場として申請しています。

圃場が有機認証されるのと、農産物が有機農産物として格付けされるのとはまた別の話です。

「有機農産物として格付け」=「有機JASマークの表示」は有機農産物の契約出荷では必須となりますが、直売についてはコスト増加、価格上昇に繋がる「有機JASマークの表示」はしておりません。

お互いの素性がわかり、考え方がわかれば、第三者によるお墨付きは特に必要のないものと思います。それよりも無駄を省き少しでも価格還元できた方が良いですよね。大切な中身は同じなんですから。

こうしてブログを主として畑の状況や近況などを伝えているのは、その一環としての役割も考えての事です。

ミリングの裏事情


もう春小麦が蒔きたくなるような春の陽気から一転、冬に逆戻りしました。

と言う訳で、ピリカアマムミリングの裏事情でも雑記したいと思います。

あんなに製粉を嫌がっていたのに、もう玄麦は完売と言ってたのに、何故連日のようにミリングしているのか?バケッド、バケッド、白い粉と言っているのか?

まず、わかって欲しいと思うのが、石臼でそのまま挽けるクオリティの玄麦は思う以上に手間暇のかかる贅沢品だと言うことです。

通常、小麦は穀物検査して1等なり2等なりの等級をつけてもらいます。この等級のついた小麦がいわゆる製粉会社などに売り渡される一般的な小麦(玄麦)です。

穀物検査における農産物検査規定に「普通小麦(一等):整粒75%(以上)、異品種粒5.0%(以下)、異種穀粒0.5%(以下)、異物0.4%(以下)」(※抜粋)と記されている事、製粉会社では独自に製粉前の選別ラインを揃えている事からご理解いただけると思いますが、一等級の小麦と言えども石臼にそのまま投入できる様なものではありません。目視もせず篩にもかけずに挽いただけの全粒粉で使うなんてもっての他です。

農産物検査規定における整粒は2.00mm以上の粒を指しますが、ピリカアマムでは全粒粉にした時に少しでもフスマの割合が減るように(美味しさをお望みでしょうから)、2.20mm以下の粒は取り除いてます。

精麦機で2%のピーリングを行うのは、衛生面の考慮もありますが、主だった理由は美味しさを求めるパン屋さんの御意向に沿ってのものです。

小麦粒を袋詰めにする直前に全て目視をしているのですが、異物があると大問題でしょうから必死に目視してます。(※色彩選別機もありますが完璧ではないので機械は信用できません)。でも最近は年間十数トンも一人で目視を行うのは流石に無理があると感じてます。

もっと知って欲しい事はあるのですが、一旦話を元に戻します。

つまり、整粒ではあるものの玄小麦として販売できなかった「2.00mm~2.20mmの範囲の小麦粒」を玄麦完売から倉庫整理のついでに製粉してセールしてると言う訳です。どうせ販売できなかったものだと思うようにして贅沢な白い粉(歩留まり約65%)にしてます。

本来、白い粉は小麦の中心部の良い所のみ贅沢に使ったものですが、大きい粒のみ贅沢に使った玄小麦全粒粉の果てのピリカアマムミリングフラワー、何が贅沢で何がどうなのかを知って何かの気づきに繋がれば幸いです。

ピリカアマムミリングフラワーご購入の条件を「玄小麦のご使用実績のある方」にしていたり、日頃から記事を読んでいる方の目に留まるようセール案内をしているのも、察していただけると幸いです。

コーヒーミルを使った小麦粒の製粉試験


スペルト小麦粒400gをコーヒーミルで製粉してみました。

評価の高い国内メーカー高性能高価格コーヒーミルとほぼ同等性能(※Amazonレビュー参考)の中国製高性能低価格コーヒーミルを使用しました。

調整ダイヤルは最高に細引きにします。


60メッシュの篩(ふるい)で細かい粉と荒い粉に分けます。

このくらいの量なら手作業で十分です。


上等な一番粉の出来上がりです。

篩を通らなかった荒い粉にはまだまだ胚乳(小麦粒の白い部分)が沢山残ってますので、再度コーヒーミルで粉砕して篩うのを繰り返します。

しかし、コーヒーミルの限界なのか4回、5回と繰り返しても歩留まり50%止まりでした。

ホームベーカリー1.5斤分にはまだ足りません。


そこでハイスピードミルの出番となりました。

あっという間のハイスピード粉砕、蓋を開けると湯気がたつほどです。


篩ってから計量すると合計300gの白い粉が出来ました。

ホームベーカリー1.5斤分を2台の機械と30分を費やしついに達成しました。


フスマは80gありました。20gはどこへ行ったのでしょうか?

結論、今回使用した「コーヒーミルだけでは製粉ロスが大きい」でした。(ハイスピードミルだけで出来るような気もしましたが…。湯気が気になります。)

コーヒーミルもハイスピードミルも中国製品なら8,500円位で買えますけど、どちらも製粉用として長く使えるようなものではないと思います。

家庭用製粉機が2~3万円であれば本当に便利だと思うのですが、まだこれと言ってお勧めできる機械がないのが悩ましいです。Fidibus21がヨーロッパ並みの価格で日本でも購入できれば一番現実的なのかもしれません。誰か他にもいいのを知ってたら教えてください。

心穏やかな日々を過ごすための瞑想


ノア7 #premium#organic#pirkaamam

最近とにかく忙しい忙しいと言ってたと思いますが、充実した毎日とは裏腹に身体や気持ちに負担があったようで、具体的には体調がすぐれなかったり、忘れっぽくなるなど脳疲労は常に感じていました。忙しいを充実と表現するのがおかしいと気付いたのも最近で、忙しくしていても心が満たされる感じはなく、もっと何かをしようとするなど、まさに文字通り心を亡くしてしたように思えます。ただ、この期間から得た学びは多大でしたので、全くの無駄ではなかったと思います。

ノアが誕生する以前に瞑想(と言っても目を閉じて静かに座っているだけで座禅のような感じです)をずっと行っていた時期があったのですが、慣れてきてずっと座っている必要もないことに気づいてからは、時々日常的にする程度、ここ数年は忙しくてそんな暇もなくなっていたのかもしれません。今振り返るとその瞑想を行っていた時期は今ほど忙しくはありませんでしたが、まさに充実していたのだとわかります。

ここ数日、猫小屋で猫達に朝ごはんをあげてから猫に囲まれながら瞑想(と言ったら瞑想に失礼かもしれません)をしているのですが、なんとなく心を取り戻した感じがして穏やかな気持ちになっております。

一夜にして幻想的な樹氷の景色が現れました


樹氷が朝日に照らされて輝く様は実に綺麗でした。樹氷は日中には溶けてしまいますし毎朝見れるものでもない貴重な冬の風物詩の一つです。


冬の北海道がどことなく神秘的な雰囲気になるのは、白や透明を基調とした景観や静寂に包まれるせいなのでしょうか?


自然をダイナミックに間近で感じられるのも理由の一つなのかなと思います。

2020年は1月20日が大寒、~2月3日までが大寒の期間で、次の節気は立春となり春に向かい暖かくなっていきます。

去年はこの時期から体調が悪くてそれを一年引きずった、平常に振舞ってましたけど結構辛い一年でした。今年はそのような事もなく大丈夫だと思いますが、まあほどほどに頑張ります。

北海道オーガニックヴィレッジに行って来ました


今回で3回目の「北海道オーガニックヴィレッジ

毎年この時期は大豆の収穫に重なるため行けず、今回初めてのブース観覧です。

主催は十勝を代表するオーガニックの先導者、皆さんもうお馴染みのアグリシステムさんです。

お目当てのオーガニック古代小麦ピザは、機材のトラブルらしく待ち時間が長くて今回は断念しましたが、有機、自然栽培関連の方々とたくさんお会いできました。

最近猫と一緒にいるので満足して世の中に疎くなってましたけど、こうして交流を深めるのも良いものですね。

「小麦」は原則的にゼロ円


ノア7 #bio#より自然な栽培#pirkaamam

植物全般に言える事ですが、「小麦」も光と空気と水と土が最低限あれば育ちます。

自然な光はタダ、自然な空気もタダ、雨(水)もタダ、土は(細かい事を言えばキリがありませんが)原則的に自然な土はタダでしょう。

言うなれば野生の山菜と同じ、自然の恵みとはよく言ったもので、「自然の恵みである光・空気・水・土」が全てタダなら「自然の恵みである小麦」も原則的には0円なんでしょう。

ここに人の手が加わるから値段が付くんですね。

作業料、機械代、資材代(肥料、農薬)、技術料、運搬代、マージン、各種税金等が小麦代0円にどんどん上乗せされて、通常の価格になっていきます。

肥料・農薬を使わない自然栽培は機械や資材コストが下がる分、小麦価格も安くなるような気がしますが、実際そうはなりません。

農家直売はマージンを減らせる分、安くなるような気がしますが、実際そうはなりません。

おっと、脱線するといけないですね。

原則的に自然の恵みである「小麦」は0円です。

当たり前の事ですが、大切な事なので改めて書いておきます。

有機JAS年次検査を受けました


とよみずき2019 #bio#より自然な栽培#pirkaamam

この間まで収穫していたと思ったら、畑を耕し、種をまき、麦を磨いて、出荷作業、そして検査、ブログで伝える努力と毎日毎日手を変え品を変え忙しなさが続きます。「とにかく時間がない、充実はしている」が日頃からの口癖となっております。

いつかのんびりするために今が忙しい、いつかとはいつの日でしょうか?

今回も有機JAS検査員の方に「近隣の農薬や化学肥料を使用する圃場」からの不適合資材の飛散に対応する緩衝地帯を有機圃場側に設ける事について、なぜ適正使用しない方を保護するような暗黙のルールを作るのかと理不尽の是正を訴え続けました。

本来であれば私有地外への飛散を防ぐために緩衝地帯を設けるなり、柵を設けるなりの防御策はそれが有害であってもなくても使用する側の義務なはずです。それが道徳と言うものではないでしょうか?

とずっと言ってました。社会の縮図は日々の小さな出来事にたくさんつまってますね。

自然栽培小麦の適正価格試算②~それでも自然栽培小麦を使いますか?~


スペルト2019 #bio#より自然な栽培#pirkaamam

自然栽培小麦の適正価格試算①~それでも自然栽培小麦を使いますか?~

10a(1反)あたりの収入、秋小麦は約100,000円を基準値として交付金を設定しているようですので、そこから自然栽培秋小麦の10aあたりの適正値を算出してみましょう。

無肥料(自然栽培)を5年以上継続した圃場での今年のキタノカオリ収穫量は10aあたり約120kgでした。

キロあたりの交付金を2等Bランク(131円)で試算すると10aあたりの交付金は「15,720」円ですが、キタノカオリは営農継続支払交付金(10aあたり20,000円)の対象品種ですので、額が多い方の「20,000」円が実際の10aあたりの交付金額となります。

10aあたりの収入約100,000円から交付金で補填される金額を引き算します。
100,000-20,000=80,000

後は収穫量で割り算すればいいだけです。
80,000÷120kg=666.66

キタノカオリ2019の適正価格的な時価、置き場価格は1キロ667円のようです。

ちなみにノア6(混蒔)は交付金対象ではなくてキタノカオリと収穫量は同程度です。
100,000÷120kg=833.33

ノア6の適正価格的な時価、置き場価格は1キロ833円のようです。

出荷おける保管、小分けの諸経費は常識的に1キロあたり約150円です。

地方発送における梱包、送料の諸経費は常識的に1キロあたり約100円です。

その他に消費税が加算されます。※増税後で試算

自然栽培キタノカオリのコミコミ19KG価格、(667+150+100)×19KG×1.1=19,171
自然栽培ノア6のコミコミ19KG価格、(833+150+100)×19KG×1.1=22,629

この世にフェアトレードと言うものが実在するならば、自然栽培キタノカオリ2019-19KG「19,171(送料・税込)」、自然栽培ノア6-19KG「22,629(送料・税込)」です。

自然栽培小麦をフェアトレードで使いますか?応援できますか?
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小麦のDON検査サンプル提出を行いました


デオキシニバレノール(以下「DON」という。)は、穀類(特に小麦、大麦及びトウモロコシ)の赤かび病の病原菌であるG.zeae及びその無性胞子を形成する不完全時代のF.graminearum、F.culmorumなどにより産生されるかび毒です。

薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会・毒性合同部会での審議により、小麦に含有するDONの暫定的な基準値として、1.1 mg/kgが設定されています。

言うほど危険なかび毒ではありませんし、何千年も検査なしで小麦は主食でしたが、このご時世ですのでちゃんと検査を受けておきます。

早ければ3日~1週間内で、遅ければ約一か月忘れられていた事もありました。検査の結果が出てから新麦の販売を開始いたします。