穂発芽した低アミロの小麦粉は膨らまない、パンにならない。
そんな「常識」はどこへやら、しっかり膨らんでパンになっています。
それも「最も穂発芽に弱く、低アミロになりやすい」と言われているキタノカオリでです。
登熟期における過去最高の日照不足からの不稔や未熟粒の多発、さらに追い討ちとして収穫期の長雨による過去最高の穂発芽(この時の穂発芽はまだ青い穂から穂発芽する異常な穂発芽でした)、まさに踏んだり蹴ったりで止めまで刺された感のある、世紀に1度レベルのキタノカオリでです。
何が何でも穂発芽させると天の意思すら感じた天候でしたが、その結果こうしたパンを産み出したとすれば、きっとそこには何かあるのだろうと、美味しいパンを食べながら思わずにはいられません。
美談?ばかりでもあれなので…、軽い穂発芽程度であれば製パン性は劣るものの甘味がまし美味しくなりますが、今年のキタノカオリのように重度の穂発芽で天然熟成クラスになると旨味まで出てきます、でも、少し後味にエグ味が感じられ良いことづくめでもないようです。
紹介したパンは勝手に名付けてm.kブレッド(仮)、勇者を讃えています、作っていただきありがとうございます。