パンの具材として大定番のクルミとレーズン、なんでそんなに相性がいいのか常々不思議に思っていました。
ふと小麦畑を見回すと、理解うんぬんではなく納得できる光景に出会います。
畑の周りにある野生のクルミの木から落ちたクルミの実
畑の周りにある野生の山ブドウ
なんでこんなにも都合よく揃っているのかわかりません、こうした光景を見ていると、もっと違う不思議を感じるようになります。
パンの具材として大定番のクルミとレーズン、なんでそんなに相性がいいのか常々不思議に思っていました。
ふと小麦畑を見回すと、理解うんぬんではなく納得できる光景に出会います。
畑の周りにある野生のクルミの木から落ちたクルミの実
畑の周りにある野生の山ブドウ
なんでこんなにも都合よく揃っているのかわかりません、こうした光景を見ていると、もっと違う不思議を感じるようになります。
イタリア産ファッロ小麦の試験栽培
ファッロとは古代小麦全般の呼称らしく、購入種がスペルトなのかエンマーなのかはっきりしませんが、種の形状がスペルトとは明らかに違ったので、おそらくエンマー小麦だと思います
今のところ異国の地で旺盛に生育しています
さあ、これからの厳しい凍結、積雪に耐えられるでしょうか?
こと風味では無敵の王者とも言えるホクシン、でも高すぎる風味が逆に仇となることもしばしば。
灰分が高いホクシンはミネラルが豊富で、それが風味の高さにも繋がっています。
しかし、灰色っぽくくすんで見える粉色は、見た目で判断される用途(うどん等)では評価が下がる場合もありました。
約8年前までは中力用途として広く栽培されていましたが、きたほなみ登場以降はほぼ全量栽培が置き換わりホクシンは過去の小麦となりました。
灰色の粉色がさほど気にならないパン用途として風味の高さが再認識され、一部で栽培が復活しましたが、その量はほんのわずかです。
小麦に限らず無農薬栽培の難関は雑草との闘いになることが多いです。
ホクシンは熟期がそれまでの品種よりかなり早いこともあり、対処困難な雑草が種を増やす前に収穫できたため、それらの雑草は種を増やせず徐々に減り始めました。
また、越冬時に積雪下で枯れてしまう冬枯れ病の耐性が、それまでの小麦より格段に上がっていたのも無農薬栽培にとって大きな弾みとなりました。
穂発芽小麦は製品にならない屑とされていますが、これは物余り飽食の現代ならではのことで、きちんと選別すれば食糧として何の問題もありません。
発芽米や発芽豆などの発芽雑穀が、健康志向や味わい向上のため一部で行われているように、発芽小麦だけが例外ではありません。
味に関しては目より口なので実際に試してもらうよりないのですけど、参考までに書いておきます。
小麦は粒の状態で口にしても、どの品種もあまり味がなくそっけないものですが、穂発芽小麦は味がある分、美味しく感じられます。
基本的に甘味が増す感じでしょうか、中には熟成加減が絶妙な粒もあり強烈な旨味を醸しています。
注意としては、数千粒に1粒くらいの割合で色の変な粒もありますので、これらは選別などでしっかり取り除いた方がよいでしょう。
一つ一つが本や章になるほど奥が深いですが、長文が苦手なことと、既に長文になっていることからはしょります。
冒頭の写真のパンは、穂発芽オーガニックホクシン100%、石臼挽きたて全粒粉、長時間発酵、石釜です。
キタノカオリ2016が30%とキタノカオリ2015、キタノカオリ2013、きたほなみ2014のブレンドパン、全てオーガニック。
下4桁の数字は収穫年で、キタノカオリ2016が天然熟成キタノカオリです。
不思議だなーと思うのがキタノカオリの使われ方、2016はともかくとして、その他にも2種類のキタノカオリを贅沢にブレンドしています。
おそらく東京のイベントでたくさんのパンに紛れていると思います、みつけられるかな?
「もうちょっと選んでいいのに、選んだ方がいいのに」
パンを含め食料品やお店が氾濫している今の状況を見ていてそう思います。
パンや小麦粉の原料である小麦の生産者から見て、「うわー知らないんだ」と思うことが多々あります。
「今より少しでも知ってもらえたら」、そんな想いを込めて、北海道の農場、小麦の生産現場からパンの原料になる小麦のことを生産者視点でお伝えします。
しっかりしたパン屋さんの選び方
パン屋さんで店員さんに「このパンに使われている小麦の名前を教えて下さい」と聞いてみてください。
どんな答えでも構いませんが、そのそぶりで信頼できる店かどうかわかります。
粉になる前の小麦には1つ1つに名前があり、誕生の背景、歴史があり、そこには沢山の想いが込められています。
しっかりした職人さん、お店はそのことがわかっています。
おそらく地域に1店あるかないかだと思います、あればそのお店は地域の宝ですので大切にしてください。
北海道産パン用途小麦の主な品種まとめ
春小麦:4月(春)に種を蒔き8月に収穫
- ハルユタカ
- 春よ恋
- ハルキラリ
秋小麦:9月(秋)に種を蒔き越冬、翌年7月末~8月初旬に収穫
- キタノカオリ
- ゆめちから(超強力)
- ホクシン(準強力)
- きたほなみ(中力)
いくつか品種がありどれも個性的ですが、その中でもパン用として特に人気が高い「キタノカオリ」をご紹介します。
国産小麦のパン用粉(強力粉)は今や普通に手にすることが出来ますが、ほんの10数年前までは殆んど見かけませんでした。
強力粉用途として2003年に品種登録されたキタノカオリは、それまで無理とされていた国産秋小麦での硬質品種の育種でしたが、その常識を打ち破り史上初の快挙と共に登場しました。
ほんのり黄色く甘いその粉の特徴的な個性で、今や不動の人気となりました、しかし栽培適正はお世辞にもよいとは言えず生産者泣かせの品種です。
8月の畑の風景、何度も耕し種まきの準備をします。
ここまでの作業をパン作りに例えると、生地作りにとてもよく似ています。
しっかりと土作りをすれば、土から甘い芳香が漂うようになります。
北海道では通例9月中旬に種まきをしますが、有機栽培の場合は種まきを少し早めます。
約1週間~10日ほどでキタノカオリの発芽が揃いました。
この後、12月からは積雪下で長い越冬期間となります。
自然は語りませんが実に多くのことを教えてくれます、小麦も語りませんが長く付き合うほど自然とわかり合えるようになるのは動物のそれと同じです。
パンを選ぶ時、小麦粉を選ぶ時、わかって選んで貰えるよう、そんな人が増えるように願っています。
profile:中川農場
北海道の農場で主に小麦をオーガニックや自然栽培で生産。農場の歴史は約90年、オーガニック転換から約18年。
【blog】https://pirkaamam.com
天然熟成キタノカオリ20%、カナダ産オーガニック小麦80%の全粒粉パン、パンパンに膨らんでいます
天然熟成キタノカオリは味が濃く美味しいのですが膨らみにくい欠点があります
膨らみにくいのはパン用として致命的とされ、穂発芽麦が流通することはありません
穂発芽麦は劣るもの、誰もがそう思うでしょう
畑で穂発芽麦とそうでない麦を口にして比べてみてください、どちらが食べやすく美味しいか自分で体験するよりないのです
28年産キタノカオリ、登熟期の日照不足~収穫期の降雨による穂発芽でこのような感じになりました
こちらは2~3割の良い方の粒ですが、外皮(フスマ)部分に白っぽく退色した跡が多く見られます
このような品は間違っても一般流通することはありません
あまり知られていませんが発芽小麦はパン用として膨らみこそ悪いものの、味は濃縮ぎみで濃く甘くコクのあるものです
天然発芽小麦は天候しだいですが数年に一度の偶然の産物です、特に今年のキタノカオリは数十年に一度と言っても過言ではない濃縮熟成具合です、一生に一度かもしれない味わい体験はいかがですか?
過去最悪の収穫期の穂発芽を経験し、もの凄く生産リスクの高い小麦だとやっと理解されつつあります
小麦に限らず不思議と栽培しにくい品種ほど人気があったりして困ったものです
リスクをふまえた適正価格で流通してくれれば問題ないのですからそうしましょう
耐病性や収量性、作業性など栽培のしやすさから、美味しさ扱いやすさ等まで、さすが中力文化の日本と胸をはれるほど完成に域に達しています
生産現場ではオーガニックで安心・安全、美味しい小麦の出荷体制はすでに整っています
うどんに、おやきに、たこ焼きに、お好み焼きにどんどん使って胸をはってください
最初遊びでつくり始めたのですが、早いもので4代目となりました
種継ぎをしながら時代背景を反映していき変化を続けるコンセプト
4代目から古代小麦が仲間に加わりました、ナッツ風の風味プラスとアレルギー発症率の低下と、その他もろもろを目論んでいます