カテゴリー: 小麦

「有機小麦の栽培への思い」を書ける範囲で書いておきます

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小麦畑に根雪になりそうな雪が降りました、一緒には歩いていません

「有機小麦の栽培への思い」とのご質問を受けました。
そんなに大層なことではないですし、隠すことでもないのでここに書いておきます。

※順序に意味はありません

有機栽培をする理由

  • 安心・安全を求めている消費者がいるから
  • 環境にやさしいから
  • 永続性があるから
  • 美味しいから
  • 健康にいいから
  • 喜ばれるから
  • 癒されるから
  • 収益性が高いから(低い場合もあります)
  • 作業が楽だから(大変な場合もあります)
  • 総合的に見ると一番優れていて利点も多いから
  • 消費者や行政の理解が得られ、できる状況にあるから

小麦栽培の割合が多い理由

  • 共生できる雑草の種類が多い
  • 畑での機械作業の回数と時間が少なくてすむ
  • 手取り除草が苦にならないし楽しい場合もある
  • 地力の損失があまりない(草生栽培の場合)
  • 畑ができていく様子が目に見えてわかる

有機小麦の栽培への思い

小麦や小麦粉に関わる方、実際に使う方、とくにそれで生計を立てている方々に接するようになってから、一段と生産に対する姿勢が変化したと思います。

今更ですが、国産小麦はもうすでに国際競争に敗れ安楽死していて、現状は交付金によって黄泉返らされているにすぎません。

農産物の現状を学べば学ぶ程、つきまとう理不尽や虚しさですが、一部の心ある方々によって国産小麦、有機小麦が支えられているどころか、活気づけられようとしているのを目の当たりにしてから、また一段と姿勢が変化しました。


職人さんは早ければ朝2時から仕込みが始まるそうです、ほぼ毎日の習慣となっています。
(この生地には穂発芽の有機キタノカオリ2016が70%使用されています)

「正直ものが損をする」とは古き日本のことわざ・教訓ですが、有機栽培や自然栽培を通じ大自然と心を通わせる日々で学んだ絶対法則はそれとは真逆のことでした。

有機栽培も有機小麦もたった一つの理由「心に従っている」だけで、数ある理由は後付けにすぎないのかもしれません。
「~栽培」も職業もそのあり方もその人の心を反映しているにすぎないと思っています。
人は口ではなんとでも言いますので、嘘をつけない部分に視線を向けるとその人の思いが見えると思います。

でも、一応書いておきます。
子供とお年寄りが気軽に知らずに手に口に出来るようにという気持ちが強いです。
近くの生産者に理解されたいという気持ちが強いです。
病気なんてなくなってしまえという気持ちが強いです。
もっと自由に幸せになってほしいという気持ちが強いです。
世直しは考えていません。

わからなすぎる!?アリューロンブレッドの完成形は?

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初試作のアリューロンブレッド、bioキタノカオリ2016-af40-100%

※af40:Aleurone Flour 40%タイプ

初試作のアリューロンブレッドは酸っぱくなり過ぎたとのことでしたけど、よくあるルヴァン種の酸っぱめカンパーニュと同程度の酸味に感じました。
酸味以外の味はそんなに美味しくも不味くもない印象でごく普通かなと、ふすま微粉も含まれているので風味は濃いです。

しっかり膨らんでおり、膨らまないのでは?の懸念は払拭されました。

独特なのはそのトロっとした切り口で、これが低アミロによるものなのか、低デンプン高たんぱくのアリューロン層の特性なのかは不明なままです。

とにかく変わった粉なのはよくわかりました、と同時に突き詰めたときの完成形が全く予想できません。

膨らむのか?:膨らむ、美味しいのか?:謎、健康によいのか?:謎、売れるのか?:謎、向く用途は?:謎。

多くの謎を残したまま、アリューロン試験はひとまず終了です。
とても楽しく有意義な4日間でした、ご協力ありがとうございました。

偶然の産物!?アリューロンフラワー誕生!

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アリューロン層を多く含むアリューロンフラワーのプロトタイプ

小麦の外皮(ふすま)と胚乳(白い部分)の境界約6~7%はアリューロン層(糊粉層)と呼ばれ、独特の成分構成をしています。
※玄小麦の構造はざっくりと、外皮約15%、胚乳83%、胚芽約2%。

細かい話はさておき、(小麦以外で)「皮ざかいが一番美味しい」のセリフを誰もが一度は耳にしているのではないでしょうか?

その貴重な「皮ざかい」を余すことなく多く含む小麦粉が偶然の産物として誕生しました。
※当然ながら史上初ではないと思います。

とりわけたいした事ではないのですが、手順はこうです。

  1. 玄小麦の外皮を10%程度削り取る。
  2. 1を原料に粒のまま割れないように外側から20~40%削っていく。
  3. 2で削り取った微粉を篩がけして完成。

削り幅は任意ですが、今回は40%のものできめ細かなパウダー状になっています。

本当は中心部が欲しくて削ってたんですけど、こっちのほうが美味しそうだったという、精麦のおまけのお話でした。

もし、もの凄く健康によいとしても美味しいとしても、なんとなくうちでは作らないとしばらく後にそう思いました。

残念なお知らせ、ミルはパン用途製粉には不向きでした

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1分間に36000回転のハイスピードなミルによる小麦の製粉試験

試験結果

  • 2000gタイプのミルで500gが適度であった。(1000gでオーバーヒート)
  • 1分~1分30秒の運転で容器が熱くて触れないくらいに発熱する。
  • 高温発熱停止後の製粉粒度が40メッシュ粉くらいに粗く、パウダー状にはなっていない。

よってパン用途製粉には不向きであることが判明しました。

石臼径7cmの高速粉砕型で製粉したものの方が高品質と思われます。

製粉時の粉塵も出ないし手軽でいいかなと期待しましたけど、残念な結果となりました。

ミルとしては素晴らしい機械なので他の用途で頑張ってもらおうと思います。(きなことか)

LIVE!精麦機で小麦はどこまで磨けるか!?

予備知識
玄米から糠部分を削り取ることを精米といいます。
精米された米は「分づき米」と呼ばれ、精米程度がわかりやすく表現されます。
「0分づき」はそのままの玄米で「10分づき」が白米です。
玄米に対する糠の割合は10%程度ということですね。

これを小麦の精麦(磨き・ピーリング)に例えると「3分づき米」は3%ピーリング、「5分づき米」は5%ピーリング、「7分づき米」は7%ピーリングです。

 
約1時間半経過
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約20%ピーリング!米に例えると20分づきです!なのにまだ茶色い!

玄小麦に対するフスマの割合は13.5~15%程度なので、とっくに白くなるはずですが、そう簡単にはいかない様子です。

 
さらに約1時間経過
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約35%ピーリング!35分づき、なかなか真っ白くなりません。

精麦にムラがでるのはある程度しかたないことですが、先に硬い外皮のバリアがなくなり柔らかい胚乳が露出した粒はその脆さから、さらに加速して先に削られていくようで、もの凄いロスになっています。

 
さらに約1時間経過
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約50%ピーリング!50分づき、半分になっちゃってます。

あまりにもロスが激しいので区切りのいいところで止めておきます。
やってみてわかることは多いですね、結局は真っ白い粒のみにはなりませんでした。

小麦の製粉の歴史は長いので、あらゆることは既に試されているんだなあという感想です。
広く行なわれている製粉方法が小麦の性質に適した方法なのだと納得しました。

まだいくつか試したいことがあるので、明日はこの磨いた粒とあるものを持っておでかけしてきます。

焼き色が芸術的なブロンはヨーロッパ風味

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bioカムホ2016-100%使用、某有名店のレシピで作っていただきました

まさか地元でこのクオリティーのパンを目にするとは思いもしませんでした。

第一印象はとにかくその焼き色の美しさに目を惹かれました。
オレンジっぽいというかベージュっぽいというか、洗練された美しさを感じます。
パンについては素人なので何故この色になるのか謎です。

粉の感じがヨーロッパの粉に少し似ているとの感想をいただき、ちょっと嬉しかったのはここだけのお話。

しかし、薪釜の独特な燻し香はたまりませんね。
ほんの少しどことなく魚の干物っぽい香りがするのも謎です。

現状の製粉スペックと製粉について思うこと

20161125_1554現状では国光社の粉砕機を使用しています

使っている理由は、単にコスパがよいからです。
と言ってもまだまだ元はとれそうにありません。

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篩(ふるい)は60メッシュを使用しています

簡単に製粉手順を書いておきます。

  1. 収穫したままの玄小麦を2~4%ピーリングして汚れをとる
  2. 粉砕機で製粉→篩がけ→篩を通らなかったものを粉砕機に戻す
  3. 2を網上の胚乳がほぼ無くなるまで(約6~8回)繰り返す
  4. 篩を通った粉をよく混ぜて完成

通常の小麦を使えばだいたい歩止まり85%程度の、細かいフスマを含んで少しくすんだ粉色の小麦粉になります。

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現状の製粉能力は1時間に約10kgとあまり能率はよくありません

能率は投資しだいでどうとでもなるのですが、次の一歩がなかなか踏み出せません。

そもそも、あまり製粉に積極的ではないんですよね…。

だって小麦粉の美味しさの要因をぶっちゃけるとこうですからね。

  • 野生>>>>>自然栽培>>有機栽培>>>>>無機栽培
  • 品種
  • 鮮度>>>>>>>>>>石臼≧低温ロール>ロール

※ここでの美味しさとは文字通り「美しい味」のこととしています。

できれば自家製粉してすぐに使ってほしいところですが、何かと多忙な現代の中でそれが難しいこともよくわかります。

なので今日も能率の高い製粉機を買おうか、石臼にしようかどうしようかと悩みながらコツコツと製粉しました。

瞬殺!餡バタwithオーガニックカムホ2016-100%

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憧れの餡バタが目の前に!バンズにはbioカムホ2016が100%使用されています

一番好きなパンは?と聞かれたら迷わず「あんパン」と答えるほどあんパンが好きです。
小麦と小豆だけ栽培したいくらいですからね。

実はこれあんこ手作りなんですよ、最高です!餡バタ!

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カムホドックパン餡バタ、bioカムホ2016が100%使用されています

どうなるのかな?と思って作ってみました。
もちろん味は同じですけど、見栄えと食べやすさが変わる感じでした。

ちなみに後で聞いてみたら、丸いほうが美味しかったそうです。
(バターが上にのってて溶けて餡と混ざりあうのがよかったのかな?)

それにしても、カムホが餡バタになったのは嬉しかったです、ありがとうございます。

砥石タイプの精麦機を使った小麦のピーリング

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砥石タイプの精麦機でピーリングした低アミロのbioキタノカオリ2016
※画像の数字は削りとられた量

最初の40分で5%、+30分で10%、+25分で15%、+20分で20%、おおよそです。
外側の外皮(フスマ)は硬く、内側の胚乳は柔らかいのが如実に現れています。

削りとられタンクにたまった粉塵を見ていると、5%まではほぼフスマ、以降は白い粉が混じりだして、15%~は薄茶色ながらもほぼ白い粉になり、きめも細かくそのまま篩って使える気がします。
白い粉を見たときの率直な感想は「もったいない」でした。

真っ白な粒にまでもっていけば、そのままミルや石臼で篩わなくても白い粉になるのかな?と思いましたけど、あまりのロスの多さに出来たとしてもしない方がいいような気がしてきました。
でもきっと試すとは思います。

新品種?不思議な小麦が育っています

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まだ名前のない小麦らしき麦

休閑地にポツーンと生えていた、今までに見たことのない草姿の小麦らしき麦の種をとっておいて蒔いたものです。

幾つかの偶然が重なって発見されました。
いったいどんな麦になるのか?冬を越せるのか?そもそも何故そこに生えていたのかも謎です。

大事にするあまり、融雪を兼ねて小麦のふすまを肥料として撒いてあります。