篩(ふるい)を使わず、精麦機と石臼で白い小麦粉はできるのか?


玄麦(ノア)を20%ピーリングした粒を使用し石臼で製粉した粉を100%使用しています。
貴重なご試作ありがとうございます。

玄米は10分づきの精米、つまり10%のピーリングを行なえば、ほぼ真っ白の白米になります。

ならば、小麦の外皮(フスマ)部分は粒全体の約13.5%程度なので、15%も精麦(ピーリング)すれば白い小麦粒となり、その粒を石臼で挽くと篩を使わずとも白い粉ができるのではないか?

石臼のあるベーカリーさんは結構多いのですが、もちろん石臼のみでは全粒粉しか作れません。ある程度フスマを取り除こうと思えば篩を使うよりないのですが、場所はとるし作業性の悪い篩の設置はベーカリーさんでは難しいと思います。

そこで、精麦により白い小麦粒を作れるとしたら、革命的なことになるのでは?と思ったのですが、実際やってみるとこれがなかなか上手くいきません。


左(ピーリング20%)、右(ピーリング2%)

違いがわかるでしょうか?色が薄くはなってますが、真っ白にはならないんです。
50%までピーリングしたこともありますが、真っ白にはなりませんでした。

挽いている最中はかなり白い粉が出てきて期待が高まるのですが、吸水するとちゃんと茶色くなっていきます。

どうでもいいことかもしれませんが、ノアってオレンジ色のパンになるんですね。

肝心の味は?と言うと、風味の濃さでは断然ピーリングが少ない方に軍配が上がります。
食べやすさではオレンジ色の方かなと見た目では思いましたけど、何度も食べ比べすると食べやすさにはこれといった差はなく、しっかりした全粒粉の方が風味が濃いぶん美味しいと感じました。

パンを食べるにあたって粉に関心を集中していると、そもそも白い粉を好んで食べる意味も必要もないように思えてきます。風味も栄養価も削られてしまってますからね。なんでみんな白いパンが好きなんでしょうね?