カテゴリー: ノア(旧カムホ)

今年はカムホの収穫を無事に終えました


カムホ2017.bio

週末の3日連続雨予報が1日半の雨予報に変わって一安心ながら、雨後にしっかり登熟してから収穫することなど考えましたが、楽しみに待っていてくれる方々を思い浮かべ、万全を期して雨前に収穫することにしました。

昨日畑で小麦粒の食べ比べをしていて、少し青みがかった粒のほうが甘くて味があり美味しかったことも、判断に影響しているのかもしれません。


カムホ2017.bio

色々な種類の小麦が混ざり、まるで宝石箱のように美しく見えたので、勝手に「Jewelry Kamuho!」と呼んで興奮しながら収穫していました。

あと、カムホは小麦版ノアの箱舟とよく例えていますし、それなりに品種の数も揃ってきたので、そろそろ別名ノアにしようかなとも思っています。

いっぱい呼び名ができましたので、お好きなのをお使いください。
カムホ4(カムホの4代目)
カムホ2017(カムホの2017年産)
ノア2017(小麦版ノアの箱舟2017年産)
Jewelry Kamuho(今日の思いつき)

もう好き放題でいい大人が申し訳ありません。

あ、そうそう、食べ比べっていうか画像に写っている中で一番美味しい粒は丸い緑色の粒で、これが乾燥されるととても甘くて美味しかったです。

これは間違って同時に蒔いてしまったウインターベッチが種をつけたもので、何かの本にこれっぽいものを一緒に挽くと美味しくなると書いてあったのを思い出しました。

異種穀粒なので穀物検査を受けるために取り除くことになると思いますけど、なんていうか制度って良し悪しなんだなと思うことが多々あって、少し枠から出てみるとそういったことがよく見えますね。

こちらが混蒔小麦の真髄発揮の片鱗です


カムホ2017.bio

クリムゾンクローバーが自生?していました。
以前緑肥に少し混ぜ込んだものが野生化もしくは野生化したものがカムホの種に混ざっていたのかもしれません。

このストロベリーキャンドルと呼ばれる赤い花の開花期間は短く、草丈も小麦より低いので雑草化しても小麦の害とはならないでしょう。

ならないどころか、豆科は昔からその窒素固定能力で畑を肥やす有用な植物とされています。

もう少し多かったら綺麗でしょうね。

実は次の種まき時に意図的に種を混ぜようかなと思って買ってあります。去年は種が品切れで間にあわなかったので早めの備えです。


カムホ2017.bio

うわ、ビオラがありました。庭のこぼれ種が風で飛んだのでしょうか?

実は小麦と共生できる「花の種」をこれから混蒔していこうかなんて計画しています。

小麦の品質にどうこうはないと思いますけど。

名前のわからないピンクの花が咲いていました


カムホ2017.bio

小麦はこうして他の植物と共生しつつ栽培、収穫できるのがいいですね。
小豆や大豆はそういう訳にはいきませんので。

花って綺麗ですよね、花だけ育てて暮らせたらどんなに幸せな事か・・・。

この花ふえたらいいな~、願わくば小麦にとっての強害草でありませんように。

花の名前はわかりませんけど調べません、わからなくていいです、この花はこの花ですので。

穂ばらみ期到来!日々脈動するパワー全開の小麦畑は今から~開花期までです


カムホ2017.bio

タイトルに書いちゃったんで本文に特に書くことがなくなりました。

たくさんの品種を蒔いたけど、やっぱりカムホ畑は癒しが違うな~と感じます。
なんででしょうね?
いて楽しいんですよね。


カムホ2017.bio

こちらはきっとノゲがあるので「ゆめちから」だと思います。
他のより一足早く出穂してきています。
せっかちさんですね。

~が~じゃなくてみんな仲良くしたらいいのにって、カムホ畑にいると心から思います。

カムホに見る育種法と楽しく夢のある農業の可能性


カムホ2017.bio しっかし、まさかこの時期に雪が積もるとは・・・。

現代の小麦の育種においては、農業試験場などの専門機関で集約して行なわれ、数年に一度のペースで新しい品種がリリースされます。

これはこれでよいシステムだと思います。

あたりまえですが、性質の異なる2品種で交配します。
例えば風味のよいA品種と病気に強いB品種を両親にして、風味がよく栽培しやすいC品種になることを期待します。そして上手く期待通りの品種が誕生したら、そこからまた何年もかけて固定していきます。1年目がF1で10年目でやっとF10です。年に何百種類も育種してリリースは数年に一度なので、どれだけ時間と根気がいるのかわかると思います。まず個人の農家がやってみようと思うことではありません。

カムホにおける育種?の概念はパン屋さんが直感的に行なうブレンドと同じで、そのまま混ぜます。

例えば超強力粉のゆめちからと中力粉のきたほなみをブレンドしてパンに向く小麦粉を作る方法は有名で、時間も根気もいらずにすぐ新タイプの粉を作れます。

カムホの混蒔手法は、小麦粉ブレンド手法を真似て種を混ぜて蒔き、品種交配手法を真似てオリジナル品種に固定育種していくものです。
長所は効果がすぐにわかること、多品種交配が容易くできること、その都度修正できること等です。
短所はちゃんとしていない、交付金が減額になる等です。

美味しさの追求や栽培しやすさの追及が個人で簡単にできる良い時代になりました。忘れてはいけないのが、こうした混蒔手法ができるのは、育種機関が長年をかけて優良な個性的な品種を多数世に出してくれたお陰だと言うことです。

現状ではちゃんとしていない農家育種の混蒔手法ですが、もしね、それでも評価の高い小麦が産み出せると市場の理解を得られたとしたら・・・。
ただ単純な繰り返し作業になりがちな買った種を増やすだけの農作業から、本来の農業の持つ楽しく夢のある忘れ去られた部分が見えてくるかもしれません。

混蒔小麦の底力をみましたね、増やしといてよかった!


カムホ2017.bio

あ~カムホ増やしといてよかった!

それぞれの品種の足りないところを補い長所を伸ばす、混蒔の利点がいかんなく発揮されました!…とまだ断言はできませんが、まあ栽培上の利点は多いですよね。

制度がどうとか交付金がどうとか、本来そんなことは二の次のはずなんですけどね。

社会が豊かであるために、人が幸せでいられるように、何が本当に大切なことなのか、カムホに接していると縮図が見えるようで面白いです。

ぽかぽか陽気が続き、小麦が顔をみせ始めました


カムホ2017.bio

道路沿いの暖かい所から順に、小麦が雪の下から顔をみせ始めました。

今年は冬枯れの気配もなく順調に越冬しているようで、ほっと一安心です。

カムホ2017の収穫見込みは約4000kg、予約分は2550kg、風味が不安定なまま突き進んでいます。

余るようなら販売を頑張らないといけませんね。

カムホロードマップ、2つの次元の共有編

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カムホ2017、44年ぶりの早すぎる積雪から一旦顔を出しかけるも、昨晩の降雪でまた雪の下へ

カムホの未来計画の中から少し書いてみます。
2013年から2016年までのあらすじは、カムホストーリーをご参照ください。

 

カムホ2017より古代小麦が混蒔されていて、今後は古代小麦の混蒔も進行する予定です

少しわかりづらいので解説します。
※数字は収穫年を表しています。

カムホ2016までは近代小麦のみ数種類混蒔されています。

近代小麦の特徴

  • 短幹で草丈が低い
  • 籾が薄くとれやすく脱穀されやすい
  • 収量性が高い

 

カムホ2017では古代小麦が1種類仲間に加わりました。

古代小麦の特徴

  • 長幹で草丈が高い
  • 籾が厚く強靭で脱穀がもの凄くされにくい
  • 収量性が低い
  • 小麦アレルギーの発症率が低い

世界は広く、上記の古代小麦の特徴にあてはまる品種は1種類のみではなく、少なくとも十数種類に及ぶようです。

今後はこの古代小麦の混蒔種類(主にスペルトの亜種)が増えていく予定です。

 

2つの次元の共有理論

近代小麦と古代小麦の特徴の違いから、興味深いことが出来そうだとわかりました。

着目したのは次の2点です。

1.近代小麦と古代小麦はDNA構造の違いから交配しない(しにくい?)と言われています。

2.籾の特性から収穫時~選別にかけて、混蒔されていたとしても近代小麦と古代小麦を容易く寄りわけることができます。

※脱穀機(コンバイン)の構造上、近代小麦に古代小麦が混ざり込む可能性はありますが、その量はごく僅かと推測されます。その逆に古代小麦に近代小麦が混ざり込むことは残留物以外の理由ではないでしょう。

この2点を利用して、近代小麦と古代小麦それぞれで混蒔を進めていき、混蒔された近代小麦と混蒔された古代小麦は混蒔され、同じ畑という空間で並行的にそれぞれの種の天然交配が同時進行していきます。

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(左)近代小麦 (右)古代小麦 草丈にかなりの差があります。

1つの空間で2つの時代の小麦を同時に栽培、それらを別物として収穫する試みは上手くいくのでしょうか?
検証には最低でも2年の年月を要しますので、気長に取り組んでいきます。

そして、その空いている隙間を埋める未来計画も同時に進行しているのが何よりの楽しみです。