カテゴリー: 小麦

精麦機リニューアル、面白いことができそうです

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新しい精麦機、受注生産のため注文してから40日後、忘れた頃にやってきました

今までは循環式精米機を使って小麦をピーリングしてたんですけど、米に特化した精米機で小麦を精麦すると、削るほど割れていってロスが多くなるのが悩みでした。
そのためピーリングは多くても2%程度に抑えていました。

米に対し麦が割れやすい理由

  • 米:内側(白米)が硬く、外側(糠)が柔らかい
  • 麦:内側(白粉)が柔らかく、外側(ふすま)が硬い

あと、元々麦には縦溝が入ってますので、なおさら割れやすいのでしょうね。

 
麦専用の割れない精麦機という代物をみつけてから、半年近く買おうかどうしようか悩んだんですけど、いずれ買うなら…と40日前に思いきって注文しました。
後押しは楽天のお買いものマラソンです。

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組み立て時間は約15分、ボディカラーは渋めの青紫で格好いいです

1度に精麦できる量が10kgと少ないのが玉に瑕ですが、手が出る価格なのはこの機械しかないのでしかたありません。

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精麦機の心臓部、砥石タイプなので石臼で表面から順にフスマを削りとっていくイメージで小麦は割れません

割れロスが出なくなる利点がとにかく素晴らしく、なおかつ10~20%のピーリングも可能とのことで夢が広がります。

この機械の能力を最大限に生かす革命的な企てはのちほど…。

自家培養酵母でもしっかり膨らむ!?業界の常識を覆すパン達

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bioキタノカオリ100%、bioカムホ100%、型焼きハードトースト
「~思いのほかかま伸びして歯切れよく香りのよいパンになりました。」
 

キタノカオリ100%+全粒粉酵母

  • 色づきよいです。
  • 歯ぎれよく口どけはよいです。

カムホ100%+全粒粉酵母

  • 香りよく味よいです。
  • 優しい甘みが乳製品?のようなミルキーな甘みです。

 

穂発芽小麦は「膨らまないベチャってなる」

これは今でも普通に業界(生産~加工)の常識です。

でも、重度の穂発芽小麦で常識って何?みたいに立派なパンに仕立て上げる職人さんが存在するのは、これまでお伝えしたとおりです。

そして、ここにきて自家培養酵母のエキスパートが登場しました。

まあ、みごとです。自家培養酵母での膨らみに感心するのもさることながら、作り手の表現力によって同じ粉でもこんなにも表情がかわるんだ、と改めて思わずにはいられないパン達です。

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今年の北海道は百数十年ぶりと言われるほど農産物にとって災難の年で、小麦も手痛いダメージを受けてますけど、それを補って余りある経験をさせていただいています、ありがたいことです。

スイスBDスペルツに降り積もる雪

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今一番大切にしたいスイスBDスペルツに雪が降り積もりました

日本で純粋にバイオダイナミック農法を実践されている方から受け継いだスペルツ小麦です。
長年かけ本当に苦労して北海道の気候に順応させてきた経緯を知っているだけに、絶対に成功させたい思いがあります。

この時期の積雪はまだ時期早々なので、通常であれば数日で解けてなくなるのですけど、万が一根雪になってしまうと少し困ります。小麦は土壌が凍結する前の積雪に弱いんですよね。

このBDスペルツ畑に足を踏み入れると、ふわっと優しい思い出が蘇ります。
オーガニックをやっていて一番良かったと思うことは、心が暖かくなることです。
※誤解のないように皆さん元気です。

50-50 カカカンパーニュ

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オーガニックキタノオリ50%、オーガニックムホ50%

異常な濃さのキタノカオリと、そこそこ無難なカムホをブレンドしたら丁度よくなるのかな?
そんな気持ちを知ってか知らずか…、もう作ってたんですね。

梱包してあったラップを解いた瞬間、濃厚な匂いが立ち込めました。
食べなくても美味しい旨いとはっきりわかる香り匂いです。

もう表現のしようがないです、「丁度よくなる」とか何をもって丁度と思っていたのか自分のことながらわかりませんし、もう「こういうもの」と思うしかありません。

パンって発酵食品なんだ、と最近つくづく思います。

美味しいを超えた味、旨すぎるファームブレッド

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(左)濃縮熟成キタノカオリ100%の黒糖入りファームブレッド
(右)熟成カムホ100%の黒糖入りファームブレッド

同じ製法で2つ並んでると、どうしても「キタノカオリ vs カムホ」の勝負になってしまいました。
カムホも味の濃い方なんですけど、それすら地味に感じるキタノカオリの天晴れな濃縮っぷりが際立った感じです。

キタノカオリの方はもう「甘い」とか「美味しい」じゃないんですよね、的確な表現は「旨い」なんです。

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キタノカオリの断面、届いたのはもっと膨らんでいました

よくよく考えてみると、いくつかの要素が上手くかみ合った時に、こうした神がかったパンになるんだなあと…。

  • 粉の風味が酸味に消されないようにルヴァン種を工夫したそうです。
  • 黒糖が入っています。
  • 水々しいです。
  • 少し焦げています。
  • 特殊なキタノカオリを使っています。
  • 他にもあるんだと思いますけど、製法のことは素人なのでよくわかりません。

また食べてみたいと思うのは、見た目じゃなくて味なんだと思い知らされたパンでした。

貴重な体験をありがとうございました。

パンのテイスティング方法

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  1. 適度に水をじゃばーっとかける。
  2. オーブンで湯気が出るまで温める。
  3. 鼻を埋めるくらい近づけて匂いを嗅ぐ。
  4. 2種類以上嗅ぎ食べ比べる。
  5. 嗅いでは食べを繰り返す。
  • 古い粉が使われている場合は酸化臭ですぐわかります。
  • たまに金属臭のする粉があります。
  • 本当の挽き立ての粉は別格です。

初雪とホクシン

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ここ数日寒い寒いと思っていたら、なんと初雪が降ってきてビックリ。

一週間前には焼き芋して秋満喫してたのに、もう冬ですか。

今年は春からずっと寒暖の差が激しすぎます!来年はできれば穏便にお願いします。

こうして少しずつ寒さに慣らされながらホクシンは冬に向かいます。

8年前の小麦で焼いたパンが教えてくれたこと

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2008年に収穫した8年前の無農薬・無化学肥料のキタノカオリ100%使用

そんな古い小麦、どこにあったんでしょうね?

基本的に製粉した粉が流通する時には、新麦をアピールする目的以外で、原料小麦の収穫年をあえて表示することはありません。

一般流通での理由はわかりませんが、自分で製粉、販売を少しやってみた経験から言うと、新物が出た時点で手元にある在庫は古物になってしまいますので、新しさをアピールした販売方法をしていると、古物の在庫を抱えたときに困る事になるのではないかと感じました。

収穫祭としてのイベントで新麦をアピールするのは、農産物を知って貰う機会としてとても良いと思いますが、「古麦=劣る」の図式で誤解されることのないようにフォローも忘れずにお願いしたいところです。

農産物は気候による不作などで収穫量が激減する場合もあり、食糧の安定供給を考える上で数年分の貯蔵は必ず必要なものです。理想は一人ひとりが自覚と思いやりをもって古い物から順に減らしていく事なのではと思いますが…。

そうは言っても自分もわがままで誤解がちの消費者の一人です。

「新しい=美味しい」のイメージがありましたけど、実際はどうなんでしょう?

ひょんなことから8年前の無農薬キタノカオリで焼いたパンを貰い、実際にそこから学ぶ機会をいただきました。

古い味がするのかな?と直前まであった勝手な決めつけは、ただの無知だったんだと教えられる、古い味などどこにもないとても美味しいパンでした。

8年前の小麦はさすがに古すぎだと思いますけど、言われないと(ても)違いがわからない程度で、2~4、5年前のものなら尚さら劣化していないどころか、産年度による風味の違いを考慮すると「数年前の小麦の方が美味しい」なんて事もありそうです。(保管状態が悪いのは論外とします。)

天然熟成キタノカオリ100%で全粒粉100%!?は一体どんなパンに??

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冷凍庫に冷凍保存してありました、写真残せてよかった。

収穫後に急いで選別し、玄小麦をお送りして試作していただいたものです。

穂発芽のキタノカオリは全く膨らまないと以前からよく耳にしていましたし、パンの膨らみ指標といえるアミロやFNの分析数値は軒並み半分以下。

半ば諦めの気持ちで玄小麦を送り、きっと悪い感想しか聞こえてこないと待つこと数日…。

ほんと玉手箱ってこういうものなんですね、開ける時もどきどきしますけど、そのパンを見てから、今年のキタノカオリでもいける!と気持ちと身体さえも軽くなったのを覚えています。

だって極低アミロで尚且つ全粒粉100%で、膨らみが少し弱いとはいえ立派なパンになってるんですよ?

肝心の味に関しては、通常時のパンとは別のジャンルになっているのかなと、発酵熟成系食品のように味が濃くなったりコクがでてたり、匂いが魅惑的になってたりします。

あと、ほんの僅かな苦味を感じられる場合があったりなかったりしますし、その辺も含め好みが別れる所なのかなと思います。(ちなみに後味のエグ味はありませんでした。)

感謝の気持ちでいっぱいです、いつもありがとうございます。