風味の王者
こと風味では無敵の王者とも言えるホクシン、でも高すぎる風味が逆に仇となることもしばしば。
灰分が高いホクシンはミネラルが豊富で、それが風味の高さにも繋がっています。
しかし、灰色っぽくくすんで見える粉色は、見た目で判断される用途(うどん等)では評価が下がる場合もありました。
幻の小麦
約8年前までは中力用途として広く栽培されていましたが、きたほなみ登場以降はほぼ全量栽培が置き換わりホクシンは過去の小麦となりました。
灰色の粉色がさほど気にならないパン用途として風味の高さが再認識され、一部で栽培が復活しましたが、その量はほんのわずかです。
オーガニック小麦栽培の立役者
小麦に限らず無農薬栽培の難関は雑草との闘いになることが多いです。
ホクシンは熟期がそれまでの品種よりかなり早いこともあり、対処困難な雑草が種を増やす前に収穫できたため、それらの雑草は種を増やせず徐々に減り始めました。
また、越冬時に積雪下で枯れてしまう冬枯れ病の耐性が、それまでの小麦より格段に上がっていたのも無農薬栽培にとって大きな弾みとなりました。
穂発芽小麦の方が美味しい
穂発芽小麦は製品にならない屑とされていますが、これは物余り飽食の現代ならではのことで、きちんと選別すれば食糧として何の問題もありません。
発芽米や発芽豆などの発芽雑穀が、健康志向や味わい向上のため一部で行われているように、発芽小麦だけが例外ではありません。
味に関しては目より口なので実際に試してもらうよりないのですけど、参考までに書いておきます。
小麦は粒の状態で口にしても、どの品種もあまり味がなくそっけないものですが、穂発芽小麦は味がある分、美味しく感じられます。
基本的に甘味が増す感じでしょうか、中には熟成加減が絶妙な粒もあり強烈な旨味を醸しています。
注意としては、数千粒に1粒くらいの割合で色の変な粒もありますので、これらは選別などでしっかり取り除いた方がよいでしょう。
美味しさと自然美の追求、理想のパンとは?
一つ一つが本や章になるほど奥が深いですが、長文が苦手なことと、既に長文になっていることからはしょります。
- 小麦の品種
- 栽培方法
- 普通麦と穂発芽麦
- 製粉からの時間
- 製粉方法
- 発酵方法
- 焼き方
冒頭の写真のパンは、穂発芽オーガニックホクシン100%、石臼挽きたて全粒粉、長時間発酵、石釜です。