スペルト栽培は現代小麦と比べどういうところが手間なのか?


スペルト(violet)2020

Q.スペルト小麦が現代小麦に比べて具体的にどういうところが手間なのか、現実的かどうかは別にしてその手間を軽減出来る方法(機械導入など)はあるのでしょうか?

スペルトならではの具体的な手間の増加としては、

・種子が入手困難、高価である
 解決方法:一度でも入手出来れば自家採取できる
 問題点:種の売買契約で自家採取や譲渡を禁じられる場合がある
 問題点の解決方法:オープン種子の入手

・草丈が高く熟期が遅いため、除草剤を使わない場合は雑草対策が激増する
 軽減方法:先見的な手取り除草、機械除草
 ※畑作地帯の場合

・殻つきのため収穫、運搬、乾燥の手間が約2~3倍増える
 軽減方法:コンバインで脱穀されやすい系統品種の導入
 問題点:種子が入手困難

・殻つきのため籾摺り作業が必要になる
 籾摺り機の新規導入

・殻(籾)の量が多いため、処理の手間が増える

手間が増えるのはこのくらいでしょうか、その他にもリスクが増えます。

・冬枯れしやすい
・穂発芽の危険性が高い(梅雨のある地域はより危険だそうです)
・草丈が大きいため倒伏の危険性が高い
・DONが出やすい場合もあるそうです
・現代小麦と同等な共済保険に加入できない

収益への直接的な影響は大きいです。

・収穫量が現代小麦の2~3分の1
・小麦の交付金が交付されない

リスクはそのまま全損に繋がる可能性が非常に高く、それを補うための価格転換をしなくてはなりません。

栽培上のメリットとしては、肥料分が少なくて済むくらいでしょうか?でも収穫量が減るならメリットでもないですね。家畜でもいれば殻(籾)や藁の量が多いのはメリットになるのかもしれません。