ありし日のカムホ2016(カムホ3)
カムホ1とカムホ2をそれぞれ別配合にして、それらをカムホ3の親にする構想はほんの思いつきでした。
という訳で、カムホ1と2はただの混蒔小麦ですし、風味も大きく異なります。
わざわざ3年も待ったカムホ3が構想でのカムホの初代にあたります。
このあたりは以前カムホストーリーで書いた通りです。
今後のカムホの基盤となるカムホ2016には大きな期待があり、収穫を心待ちにして楽しみにしていましたが、残念ながら長期にわたる曇天と降雨による不稔と穂発芽のダブルパンチとなった不運の小麦となってしまいました。
(かなり落胆があったのかこの頃の写真は一枚も残っていません。)
いきなり苦難のスタートとなった新生カムホ、でもこれも自然な成り行きなのでしかたありません。
うちも現在3代目なので、カムホに重ねた思い入れもあったんですけどね・・・。
ある程度人為的に風味をコントロールするべく配合していた数種類の品種ですが、穂発芽のダメージは品種ごとに異なり中でもキタノカオリがずば抜けて酷く、予定していた本来のカムホ2016の風味が幻となってしまったのが今でも心残りですけど、、まあこれも構想の一つである自然が育種するという意味では今年の穂発芽カムホが本来なのでしょうか。
落胆のカムホ2016でしたけど真髄を発揮するのはこの後でした。
- 赤カビ毒(DON)の数値が穂発芽ものにしては凄く低い。-混蒔の恩恵なのでしょうか?
- 穂発芽でもいいよ、と使ってくれるパン職人さんが何人も現れました。
- 極低アミロですが、立派に膨らんだパンになる。
- 甘み・旨みの増した独特のパンになる。
- 穂発芽粒を取り除く必要に迫られ、選別の技術が上がる。
- 穀物検査を通じ行政の理解と懐の深さを知る。
- カムホプロジェクト構想発案
失敗から学ぶことの方が多いとはまさにこのことですね。
さてここからの真真髄は少しオカルトサイドストーリーになります。
カムホにはある1つの未来ビジョンがあります、それは自然の交配が進むうちに突然変異の株が現れそれは黄金の穂をもつ小麦というものです。
それとは別ですが、今年のような1年の努力を無に帰すような穂発芽は実はそんなに珍しいことではなく、数年に1度の頻度で起こっています。
その度に心から切望するのは穂発芽しない(しにくい)小麦の品種の登場です。
カムホがきっかけとなって育種を意識しました、そして穂発芽しにくい小麦は常に切望していました。
カムホの中に現れるかもとは思っていましたけど、まさかあんな形とは思いもしませんでした。
まだ初越冬チャレンジ中なので、このストーリーは越冬が成功したらお伝えします。
新品種?不思議な小麦が育っています