ミリングの裏事情


もう春小麦が蒔きたくなるような春の陽気から一転、冬に逆戻りしました。

と言う訳で、ピリカアマムミリングの裏事情でも雑記したいと思います。

あんなに製粉を嫌がっていたのに、もう玄麦は完売と言ってたのに、何故連日のようにミリングしているのか?バケッド、バケッド、白い粉と言っているのか?

まず、わかって欲しいと思うのが、石臼でそのまま挽けるクオリティの玄麦は思う以上に手間暇のかかる贅沢品だと言うことです。

通常、小麦は穀物検査して1等なり2等なりの等級をつけてもらいます。この等級のついた小麦がいわゆる製粉会社などに売り渡される一般的な小麦(玄麦)です。

穀物検査における農産物検査規定に「普通小麦(一等):整粒75%(以上)、異品種粒5.0%(以下)、異種穀粒0.5%(以下)、異物0.4%(以下)」(※抜粋)と記されている事、製粉会社では独自に製粉前の選別ラインを揃えている事からご理解いただけると思いますが、一等級の小麦と言えども石臼にそのまま投入できる様なものではありません。目視もせず篩にもかけずに挽いただけの全粒粉で使うなんてもっての他です。

農産物検査規定における整粒は2.00mm以上の粒を指しますが、ピリカアマムでは全粒粉にした時に少しでもフスマの割合が減るように(美味しさをお望みでしょうから)、2.20mm以下の粒は取り除いてます。

精麦機で2%のピーリングを行うのは、衛生面の考慮もありますが、主だった理由は美味しさを求めるパン屋さんの御意向に沿ってのものです。

小麦粒を袋詰めにする直前に全て目視をしているのですが、異物があると大問題でしょうから必死に目視してます。(※色彩選別機もありますが完璧ではないので機械は信用できません)。でも最近は年間十数トンも一人で目視を行うのは流石に無理があると感じてます。

もっと知って欲しい事はあるのですが、一旦話を元に戻します。

つまり、整粒ではあるものの玄小麦として販売できなかった「2.00mm~2.20mmの範囲の小麦粒」を玄麦完売から倉庫整理のついでに製粉してセールしてると言う訳です。どうせ販売できなかったものだと思うようにして贅沢な白い粉(歩留まり約65%)にしてます。

本来、白い粉は小麦の中心部の良い所のみ贅沢に使ったものですが、大きい粒のみ贅沢に使った玄小麦全粒粉の果てのピリカアマムミリングフラワー、何が贅沢で何がどうなのかを知って何かの気づきに繋がれば幸いです。

ピリカアマムミリングフラワーご購入の条件を「玄小麦のご使用実績のある方」にしていたり、日頃から記事を読んでいる方の目に留まるようセール案内をしているのも、察していただけると幸いです。